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微子の憂鬱外伝 無名の人々  作者: 日和見


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親衛隊の日常22

入学式が無事に終わり、私は在校生の女子代表として、大役である「送辞」を立派に読み上げることができた。


いやあ、原稿の書き直しには本当に苦労させられた。


けれど、今になって考えてみれば、過去の先輩たちが遺した簡牘の言葉を写し取って済まそうなんて、新入生に対して失礼極まりなかったなと反省している。


あの時、厳しく突き返してくれた教官には、今では心から感謝、感謝だ。


――と、そんな風に晴れやかな達成感に浸れていたのは、式の直後までだった。


「お姉様、実は相談が――」


「ちょっと、割り込まないでよ! 今はお姉様と私が先にお話ししているの!」


なぜか入学式以降、私の個室は後輩たちに完全に占拠されていた。


訓練がどれだけ厳しくて私がクタクタになっていようとお構いなしに、「お姉様! お姉様!」と次々に突撃してくるのだ。一体なぜこんなことになったのだろう。


「はいはい、そこ。言い争っちゃ駄目よ。みんなで仲良くお喋りしましょ」


「「はーい、お姉様!」」


たく、先輩ってのは本当に疲れる生き物だな。


あまりの頻度に、さすがの私も最近は少ししんどくなってきた。


たまらず、同じ女子寮の同級生たちに「あんたたちも同じ先輩なんだから、後輩の相談とかもっと積極的に聞いてあげてよ!」と文句を言ってみたのだが、彼女たちは他人事のようにこう言って笑うのだ。


『えー? だってあの子たち、あなたに相談したくて来てるんだもん』


『仕方ないわよ。諦めなさいな』


ちょっと、冷たすぎない!?


糞が、少しは同じ女子寮の戦友のピンチを労いやがれ。


はぁ、仕方がない。新入生たちがこの環境に慣れて、もう少し精神的に落ち着くまではこれが続くのだろう。それまでの辛抱だと思って、腹を括るしかないか。


早く穏やかな休日が戻ってきますように……!

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