↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
微子の憂鬱外伝 無名の人々  作者: 日和見


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

16/30

親衛隊の日常16

今日から三日間の野外講習だ!

なんと、今回は馬との訓練がある。

「うわぁ……お目目がつぶらで、めちゃくちゃ可愛いな……」

思わず口から漏れると、隣の奴から「何女の子ぶってんだよ」とからかい半分に声をかけられた。

馬鹿野郎。私は正真正銘の女の子だ。てめー、後で覚えていろよ。

「いきなり乗るなど到底無理だ。まずは手本を見せるので、乗り降りだけを出来るようにしろ。ここにいる馬たちは特に大人しく、賢い性質だ。優しく扱えば暴れることはない」

教官がひょいっと簡単そうに馬の背に跨ってみせる。

……え、そんなに簡単なの? でも、近くで見ると馬の背中って結構高いよね?

「よし、まずは2人1組になれ。乗る時はこうして、補助役の手を足掛かりにするんだ」

なるほど。

「おい、やるぞ。私からな」

相棒に手を組ませて足場にしてもらい、馬の横に立つ。

「お馬さん、よろしくね」

せーの、で踏み切った――のは良かったが。

「うお、あ、痛ててっ……!」

勢いをつけすぎて、勢い余って反対側に真っ逆さまに落ちてしまった。

痛む腰をさすりながら立ち上がると、相棒がニヤニヤと笑っている。

「おい、何笑ってんだよ。じゃあ次はてめーの番な。ほれ、いけ!」

「うあああっ!?」

案の定、そいつも派手に落っこちた。

「あはは! お前も落ちてんじゃん!」

一気に緊張がほぐれる。

「よし、次は私な。ほれ」

今度は慎重に踏み切ると、するりと馬の背に乗ることができた。

「おお……たけーな! なんか世界が変わるぜ」

視線の高さに感動していると、馬が少し身じろぎした。

「おお、悪い悪い、すぐ降りるからよ」

ひゃあ、乗るのも高ければ降りるのも一苦労だ。着地の衝撃に耐えながら、相棒に向き直る。

「よし、次! さあ行け、びびんな!」

しかし相棒は、乗ろうとしてはまた反対側に落ちている。

「馬鹿、びびってたら乗れるもんも乗れねぇだろ? ほれ、代われ。見とけよ」

私はもう一度、お手本を見せるように馬の背へと跳んだ。

「ほっ、と。な? 簡単だろ?」

ドヤ顔をする私に、相棒は面白くなさそうな顔をする。

「あー、別に自慢じゃねーよ。慎重なのは良いことだけどさ、もっとこう、思いっきりいかなきゃ。ほれ、頑張れ!」

泥だらけになりながら、私たちは何度も馬の背に挑み続けた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。