親衛隊の日常14
入学式が終わり、商の各地域から集められた優秀な兵士希望者300人は、30人ずつの組に分けられてすぐに講義が開始された。
これまでにいた施設とは違い、午前か午後のどちらかが仕事に割り振られるようなことはない。
ここでは、丸一日中が勉強だった。
その内容は以前とは比べものにならないほど過酷で、選ばれたはずの私でさえついていくのがやっとだった。
「貴様ら! これからは読み書きや算術だけでなく、様々なことを知識として身につけねばならぬ! 例え体術や武器術が如何に優れていようとも、勉学が出来ぬ奴は大学に進めると思うな!」
うぜー。施設の糞教官たちより、何倍もうぜー。
なんだよ、掛け算に割り算って。意味はわかるけどさ、1つずつ足したり引いたりしていけばいいじゃん。
周りを見渡せば、案の定他の奴らも混乱している。
そんな中、隣の席の奴が「こんなの慣れだよ」と小声で言ってきた。
馬鹿野郎。あんまり頭を使うと疲れるんだよ。この後の実技訓練で身体が動かなくなったらどうすんだ。
……え? 「そのための体力と脳の連動を鍛える勉強だ」だって?
糞が、てめー。何だそれ、僕は優等生でちゅってアピールか?
あ、と思った時には遅かった。
「――おい、そこ。貴様ら随分と余裕そうだな。なら前に出てこの問題を解け」
糞、てめー嵌めやがったな。
「はい、教官殿……」
前に出て、とりあえず地道に足していく方法で計算を始める。
「貴様、掛けるのだ! 最初は間違っても良い、まずは方法に慣れろ!」
なんで足し算でやってるのがバレてんだよ。
「はい、教官殿!」
糞、めちゃくちゃ難しい。
初日からこれなんて、これから先本当にやっていけるのか……?




