親衛隊の日常13
遂に入学式だ。
各地域から、兵士を目指す未成年の中でも優秀な者だけがこの地に集まっている。
私もまた、選ばれた人間の一人だ。
ここには気に食わない奴らも多い。
だが、孤児だからといって悪いわけじゃない。
小師様も仰っていた。
国の指導者たちこそが親であり、兄たちなのだと。私たちは家族なのだと。
その想いに応えるためにも、くだらない中傷なんかに惑わされている暇はない。
そして、今日の入学式にはわざわざ王様がいらっしゃって、直々に挨拶をしてくださるらしい。
一体、どんなお方なのだろうか。
これから私たちが忠誠を捧げる、そのお方は――。
「あ、やべ。なんか胸がドキドキしてきた」
「?何? お前に胸なんかねーだろ?」
「あはは、面白いことを言うね。……後で顔貸せや、あん!?」
そんな小競り合いをしていると、式が始まった。
『諸君、入学おめでとう。選ばれた君たちは、さぞ自信に満ちているだろう。そうだ、誇っていい。しかし、周りを見てくれ。その周りの者たちも皆、同じく選ばれた人間だ。そしてこれからは、勉強も鍛錬もすべてが過酷になる。どうか、その過酷な訓練を糧にし、選ばれた人間の中で、さらに選ばれる存在になってくれ。期待している』
王様が挨拶をされる。
(勿論です、王様。私は、そのさらに選ばれる存在になるためにここへ来たのですから)
そう心に誓った、直後のことだった。
式典の後、私たちは信じられない光景を目にすることになる。
王様が猛獣と素手でじゃれ合い、圧倒している姿を。
それを見て、私は理解した。
世の中には、本物の「化け物」が存在するのだということを。
あの境地には、一体何年かければ辿り着けるのだろうか。
いや、そもそも辿り着けるものなのか――?
こうして、王様がもたらした強烈な衝撃だけが脳裏に焼き付き、私たちの入学式は幕を閉じた。




