親衛隊の日常12
女子寮の先輩兵士の方にお願いして男子寮へ伝言を回してもらい、アイツら二人を呼び出して買い物に誘った。
「小師様からいただいた、お祝いの貝貨もあるしさ! 探索も兼ねて、ちょっと良い服とか個室に置く家具なんかを買いに行こうよ!」
「おお、良いな! まだ全然この場所のことが分かんねえからよ、一人で歩くのは気後れしてたんだ。三人なら心強いぜ」
「だよね、僕も賛成。一応、寮の責任者様に報告して外出許可を貰ってくるね」
よし、今日は三人で全力で買い物だ!
それにしても、街を歩く先輩兵士の皆さんは、私服姿だと驚くほどお洒落で格好いい。
引き取られてからの五年間、簡素な訓練着しか着てこなかった私からすれば、こんな泥臭い格好のままで大都会の商店街を歩くのは、見習いとはいえ少し恥ずかしかった。やっぱり都市は違うなぁ。
(へへ。でも、私もこれからはこの都市の人間になるんだけどね!)
胸を張ってそんなことを考えていると、責任者様への報告を終えた二人が戻ってきた。
「やあ、お待たせ! ちゃんと許可も貰えたし、日が暮れる前に用事を済ませられるように早速行こうぜ」
「うん、僕も今日は買い物を楽しむよ!」
「よし、お前ら行くぞ! ――あ、人が多いからはぐれたら大変だし、手を繋いで行こうか?」
「はぁ!? やだよ、恥ずかしいだろ! 迷子なんかになるかよ!」
「僕は……繋いだ方が安心だと思うけどな」
「はい、多数決で手を繋ぐことに決定ー! はい、行くよ!」
結局、三人でしっかりと手を繋いで賑やかな道を歩き出した。
すれ違う大人の兵士の皆さんは、私たちの手を繋いだ姿を見て「可愛い見習いさんだな」と微笑み、「服を買うならあそこの店が良いぞ」と優しく声をかけてくれる。
あの施設にいたクソ教官どもとは大違いの優しさだ。
そうして教えてもらったお洒落な服屋に入り、私は思い切って、都会の女の子が着るような綺麗な私服を買い、その場で身につけて店を出てみた。
すると、私の姿を見たアイツらは、文字通り硬直した。
「うわ……。お前、それじゃまるで普通の女の子じゃん。キモっ、笑」
「ぼ、僕は……すごく似合っていると思う。うん、その……可愛いよ」
何を言っているんだ。男の子の片方が急に真っ赤になって目をそらすものだから、私までなんだか恥ずかしくなってきてしまった。
というか、もう一人のお前、何が「キモい」だ! 普段の戦友扱いが抜け切っていないにしても口が悪いぞ。
後で訓練が始まったら絶対に覚えておけよな。
大きな買い物袋を抱えながら、私たちは夕暮れまで笑い合い、初めての都会での買い物を心から楽しんだのだった。




