↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
微子の憂鬱外伝 無名の人々  作者: 日和見


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

12/36

親衛隊の日常12

女子寮の先輩兵士の方にお願いして男子寮へ伝言を回してもらい、アイツら二人を呼び出して買い物に誘った。

「小師様からいただいた、お祝いの貝貨もあるしさ! 探索も兼ねて、ちょっと良い服とか個室に置く家具なんかを買いに行こうよ!」

「おお、良いな! まだ全然この場所のことが分かんねえからよ、一人で歩くのは気後れしてたんだ。三人なら心強いぜ」

「だよね、僕も賛成。一応、寮の責任者様に報告して外出許可を貰ってくるね」

よし、今日は三人で全力で買い物だ!

それにしても、街を歩く先輩兵士の皆さんは、私服姿だと驚くほどお洒落で格好いい。

引き取られてからの五年間、簡素な訓練着しか着てこなかった私からすれば、こんな泥臭い格好のままで大都会の商店街を歩くのは、見習いとはいえ少し恥ずかしかった。やっぱり都市は違うなぁ。

(へへ。でも、私もこれからはこの都市の人間になるんだけどね!)

胸を張ってそんなことを考えていると、責任者様への報告を終えた二人が戻ってきた。

「やあ、お待たせ! ちゃんと許可も貰えたし、日が暮れる前に用事を済ませられるように早速行こうぜ」

「うん、僕も今日は買い物を楽しむよ!」

「よし、お前ら行くぞ! ――あ、人が多いからはぐれたら大変だし、手を繋いで行こうか?」

「はぁ!? やだよ、恥ずかしいだろ! 迷子なんかになるかよ!」

「僕は……繋いだ方が安心だと思うけどな」

「はい、多数決で手を繋ぐことに決定ー! はい、行くよ!」

結局、三人でしっかりと手を繋いで賑やかな道を歩き出した。

すれ違う大人の兵士の皆さんは、私たちの手を繋いだ姿を見て「可愛い見習いさんだな」と微笑み、「服を買うならあそこの店が良いぞ」と優しく声をかけてくれる。

あの施設にいたクソ教官どもとは大違いの優しさだ。

そうして教えてもらったお洒落な服屋に入り、私は思い切って、都会の女の子が着るような綺麗な私服を買い、その場で身につけて店を出てみた。

すると、私の姿を見たアイツらは、文字通り硬直した。

「うわ……。お前、それじゃまるで普通の女の子じゃん。キモっ、笑」

「ぼ、僕は……すごく似合っていると思う。うん、その……可愛いよ」

何を言っているんだ。男の子の片方が急に真っ赤になって目をそらすものだから、私までなんだか恥ずかしくなってきてしまった。

というか、もう一人のお前、何が「キモい」だ! 普段の戦友扱いが抜け切っていないにしても口が悪いぞ。

後で訓練が始まったら絶対に覚えておけよな。

大きな買い物袋を抱えながら、私たちは夕暮れまで笑い合い、初めての都会での買い物を心から楽しんだのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。