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続報を求めるなぎとファンクラブ

おはようございます!

続報を求めるなぎとファンクラブ

なぎとが咳き込み、喉を押さえて苦しそうにしているのを見て、

 しゅいがついに堪えきれなくなった。


「……お前ら!!

 なぎと風邪なんだよ!!

 もう出ろ!!」


 怒鳴り声というより、

 “心配が爆発した声”だった。


 らおが「えー」と言いかけた瞬間、

 ひばりが珍しく強い声で遮る。


「出てください!!

 なぎとさん、本当に辛そうです!!」


 その迫力に、

 たゆともみおともあおばも、

 しぶしぶ部屋を出ていく。


 みのだけが名残惜しそうに振り返った。


「続報は……」


「いらない!!」


 しゅいとひばりが同時に叫ぶ。

 みのは肩をすくめて退室した。


 ドアが閉まり、

 部屋にはしゅい、ひばり、せな、なぎとの四人だけが残った。


 なぎとは喉を押さえ、

 弱い声で息を整えている。


 せなは心配そうに見つめていた。

 その視線があまりにも優しくて、

 しゅいとひばりは顔を真っ赤にする。


「……俺らも……出るわ」

しゅいがぼそっと言う。


「そうですね……

 なぎとさん、無理しないでください」

ひばりも続く。


 二人はそっとせなに目を向けた。


「……せな、頼んだ」

「お願いします」


 そう言って、

 二人も静かに部屋を出ていった。


 ドアが閉まる。


 部屋には、

 せなとなぎとだけが残った。


 なぎとは弱い声で、


「……ごめん……

 今日は……もう……無理だ……」


 せなは小さく頷いた。


「……うん。

 ゆっくり休んで……」


 その言葉に、

 なぎとはほっとしたように目を閉じた。


 せなは布団を整え、

 そっと部屋を出ていく。


 静かな夜が戻った。


---



 その後の数日間、

 なぎとは部屋で静かに療養した。


 熱は下がったり上がったりを繰り返し、

 喉の痛みはなかなか引かなかった。


 でも――

 その間、せなは毎日欠かさず部屋を訪れた。


 といっても、

 長居はしない。


 そっとドアを開けて、

 のど飴や飲み物、

 温かいタオルを置いていく。


「……これ、置いとくね……」


 その声はいつも小さくて、

 なぎとは布団の中から弱い声で返す。


「……ありがと……」


 それだけの短い会話なのに、

 なぎとの胸は毎回じんわり熱くなった。


 しゅいとひばりは、

 なぎとが喋らないように全力で見張った。


「なぎと!!

 喋るな!!」


「喉に悪いです……!!」


 なぎとは咳き込みながら、

 小さく手を振って黙るしかなかった。


 みのは続報を諦めず、

 毎日しゅいに聞いてきた。


「今日のなぎとさんの様子は?」

「写真は?」

「動画はありますか?」


「撮らねぇよ!!」

しゅいが毎回キレる。


 らお・たゆと・みおと・あおばは、

 グループチャットで騒ぎ続けた。


《なぎと生きてる?》

《声出る?》

《続報まだ?》

《せな、ちゃんと、看病してる?》

《お大事に〜》

《前のやつ、保存した。量産もした!》

《早く治してね〜。そして、前のやつお願いね〜》

 なぎとはスマホを見るたびに

 布団に顔を埋めた。


「……やめろよ……

 ほんと……」


 でも、

 そんな騒がしい日々の中で、

 なぎとの風邪はゆっくり、確実に治っていった。


 熱が下がり、

 喉の痛みも消え、

 声も少しずつ戻ってきた。


 そして――

 数日後の朝。


 なぎとは久しぶりに

 すっきりと目を覚ました。


 体が軽い。

 息も楽。

 喉も痛くない。


「……治った……?」


 そう呟いた声は、

 数日ぶりにちゃんとした声だった。


 なぎとはゆっくり起き上がり、

 部屋の外へ出た。


 廊下の向こうに――


 せながいた。


 せなは驚いたように目を丸くして、

 すぐに笑顔になった。


「……なぎと。

 治ったんだね」


 その声は、

 数日前よりずっと柔らかかった。

何か足りないところとか、もっとこうしてほしいとご希望の方はどうしてほしいか感想で送ってくれれば私の助けになります!

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