なぎとの喉より全員の声量が原因
なぎとの喉より全員の声量が原因
らおの「続報待ってる」が画面に表示された直後だった。
――ドタドタドタドタッ!!!
家中の廊下が揺れるほどの足音が近づいてくる。
「えっ……なに……?」
せなが震える。
「おい……まさか……」
しゅいが青ざめる。
「……来る……」
ひばりが小声で言う。
「来るな……来るな……来るな……」
なぎとは床に倒れたまま、弱々しい声で祈った。
喉が痛むのか、声がかすれている。
そして――
――ガチャッ!!
「おいおいおいおい!!
これはどういう状況だぁぁぁぁ!!」
一番に飛び込んできたのは、らおだった。
スマホを握りしめ、顔がニヤけすぎている。
「なぎと!
お前……
やるじゃん……?」
「やって……ねぇ……っ……」
なぎとは咳き込みながら否定する。
声が弱い。
必死に叫ぼうとしても、喉がついてこない。
「見に来るなぁぁぁ!!!」
しゅいが叫ぶ。
続いて、たゆとがひょこっと顔を出す。
「現場、確認しに来たよ〜」
「確認すんな!!!」
しゅいが即ツッコミ。
その後ろから、みおとが顔を真っ赤にして入ってくる。
「な、なぎと……
あの……
その……
すごい……ね……?」
「すごく……ねぇ……って……言ってん……だろ……」
なぎとは額を押さえ、息が上がっている。
最後に、あおばがゆっくり入ってきた。
「……お前ら……人がゴロゴロしてる時に……通知鳴らすなよ……。
で、これは何?」
あおばはスマホを見せつける。
画面には、せなの膝の上で甘い顔をしているなぎとの写真。
「やめてぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」
せなが叫ぶ。
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狭い部屋に、
しゅい、ひばり、なぎと、せな、みの、
そしてあおば、みおと、たゆと、らお。
全員集合。
全員がスマホを持って、
せなとなぎとを見ている。
「なぎと……
お前……
膝枕で歌ってもらってたってマジ?」
らおがニヤニヤ。
「ち……違う……っ……
違うって……言ってんだろ……」
なぎとは声がかすれ、息が荒い。
「せな……
声、柔らかかったね……」
たゆがぼそっと言う。
「聞くなぁぁぁぁ!!!」
せなが真っ赤。
「なぎと……
あれは……
反則……」
みおとは顔を覆う。
「反則じゃ……ねぇ……よ……」
なぎとは咳き込む。
あおばは腕を組んでため息をついた。
「……で、続報は?」
「続報ねぇよ!!!!!!」
しゅい・ひばり・せなが同時に叫ぶ。
なぎとは弱々しく、
「……ねぇ……よ……」
と小さく付け足した。
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「みなさん、落ち着いてください」
みのが一歩前に出る。
「続報は……
これから撮りますので」
「撮るなぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
部屋中の叫びが揃う。
だが、みのは止まらない。
「だって……
せなさん、可愛かったんですよ?
あれは共有しないと損です」
「損ってなんだよ!!!!」
しゅいが叫ぶ。
「みのさん……
あれは……
あまりにも……
刺激が強すぎます……」
ひばりが震える。
「みのぉぉぉ!!
なんで送っちゃったの!?」
せなは泣きそう。
なぎとは、
喉を押さえながら小さく言った。
「……やめろよ……
ほんとに……やめろ……
喉……痛ぇ……から……」
「なぎと喋るな!!!」
しゅいが慌てて止める。
「そうですよ!!
喉に悪いです!!」
ひばりも焦る。
「じゃあ喋らせないように、
もっと写真撮って黙らせましょうか?」
みのが微笑む。
「撮るなぁぁぁぁ!!!!!!」
全員が叫ぶ。
なぎとは小さく、
「本当に……やめ……ろ……」
とだけ言って咳き込んだ。




