せな、なぎとの存在を思い出す
せな、みおとの存在を思い出す
撮影後、みんなが自室に戻った夜。
せなは廊下を歩きながら、
胸の奥がずっと重いままだった。
なぎとの部屋の前に立つ。
ドアの前で深呼吸する。
ノックしようとして――
手が止まる。
せな(……どう言えばいいんだろ……
昨日のこと、ちゃんと説明したいのに……
言葉が出ない……)
ドアの向こうからは、
ゲームの音も、足音も聞こえない。
静かすぎる。
せな(……泣いてるのかな……
怒ってるのかな……
どっちにしても……私のせいだ……)
ノックしようと手を上げる。
でも――
指先が震えて、
そのまま下ろしてしまう。
せな「……ごめん……」
小さくつぶやいて、
その場を離れた。
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朝。
メンバーの家の廊下は、
いつもなら誰かの声が聞こえるのに、
今日は静かだった。
せながキッチンへ向かおうとした時――
なぎとが廊下の向こうから歩いてきた。
せな「……なぎと」
なぎとは一瞬だけせなを見る。
でもすぐに視線をそらす。
せな「昨日のこと……聞いてほしいことが――」
勇気を振り絞って言った瞬間。
なぎと「もういいから」
その声は冷たくなくて、
むしろ弱くて、
泣きそうで。
せな「……っ」
せなが手を伸ばすと、
なぎとはその手を軽く振り払うようにして歩き去った。
せなはその場に立ち尽くす。
せな(……どうしよう……
このまま仲悪くなったら……
なぎとと話せなくなったら……
どうしたらいいの……)
胸がぎゅっと痛む。
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せな(誰かに……話したい……
誰かに聞いてほしい……)
あおばは今は無理。
みのは優しいけど、こういう話はみのが泣きそう。
しゅいは子どもっぽくて、こういう相談は難しい。
ひばりは適任なんだが、明日は早い時間からカフェに行くと昨日言っていたので、おそらくいない。
そして――
せなは思い出す。
みおと。
みおとは関西弁で、
ツッコミも厨二病もあるけど、
人の話をちゃんと聞いてくれる。
せなはスマホを握りしめて、メッセージを送った。
「みおと、少し話せる?」
すぐに返事が来る。
「ええで。なんや、声沈んでへん?
中庭おるから来いや」
せなは深呼吸して、
中庭へ向かった。




