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さっき言ったことは、なぎとを安心させるための嘘です

せなの本音で、あおば落ちる

なぎとが渋々「信じる」と言って、

話題が一旦終わったように見えた。


でも――

あおばだけはずっと黙ったまま。


水のグラスを見つめて、

表情が沈んでいて、

さっきまでの照れや焦りとは違う“落ち込み”があった。


せなはそれに気づいた。


せな「……あおば」


あおば「……ん」


せな「どうしたの?」


その声は静かで、

優しくて、

心配が滲んでいた。


なぎとはステーキを切りながら横目で見ている。


---



あおば「……いや、別に」


せな「別にじゃないでしょ。

 さっきからずっと黙ってる」


あおば「…………」


言えない。 


胸が痛い。

さっきの「ただのメンバーだし!?」が頭から離れない。


あおば(……あれ……

 言い訳だったのか……

 それとも本気でそう思ってるのか……

 どっちなんだよ……)


混乱して、

言葉が出ない。


---


せなは少し身を乗り出して、

あおばの顔を覗き込む。


せな「ねぇ……ほんとにどうしたの?」


その距離が近くて、

その声が優しくて、

あおばの胸がまたぎゅっとなる。


あおば「…………」


なぎと「おい、あおば。

 お前、なんか変だぞ」


あおば「……っ」


二人に見られて、

余計に言えなくなる。


---


あおば(……さっきの“気になってきてる”って言葉……

 あれは……

 ただの勢いだったのか……?

 俺を元気づけるための嘘だったのか……?

 それとも……

 本当に……?)


分からない。


せなの言葉が矛盾していて、

どっちが本音なのか分からなくて、

胸が苦しい。


あおば(……俺……

 どうしたらいいんだよ……)


---


せなは少しだけ声を落として、

あおばだけに聞こえるように言った。


せな「……あおば。

 私、嘘ついてないよ」


あおば「……え?」


せな「ただのメンバーって言ったのは……

 なぎとが心配してたから。

 落ち着かせるため」


あおば「…………」


せな「でも……

 さっき言ったことは……

 本当だよ」


あおば「……っ」


胸が跳ねる。


せなはほんの少しだけ、

照れたように笑った。


せな「だから……そんな顔しないで」


あおばはその言葉に、

息が止まりそうになる。

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