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せなの寝顔が可愛すぎて撫でる手が止まらない

せなの寝顔が可愛すぎて撫でる手が止まらない

膝の上で見上げてくるせなに、

あおばはもう限界だった。


「……み、見るな!!」


「み、みみ見てない!!」


「見てんだろ!!」


「見てない!!」


「見てんだよ!!」


「見てないってば!!」


二人とも真っ赤で、

声も震えて、

でもどちらも離れようとしない。


そのまま数十秒――

せなのまつげがゆっくりと下がっていく。


「……え?」


せなの呼吸が、

ふわっと静かになる。


寝た。


「………………は???」


完全に固まった。


表情はいつも通りなのに、

顔は真っ赤、

耳は真っ赤、

首まで赤い。


「いやいやいやいや……

 寝んの……?

 この状況で……?

 無理だろ……」


でも、

せなの寝顔は穏やかで、

あおばの膝にすっぽり収まっている。


(……なんだよこれ……

 可愛すぎ……

 反則……

 心臓……死ぬ……)


あおばは視線をそらしながら、

そっと息を吸った。


そして――

気づけば手が動いていた。


ぽん……ぽん……


せなの頭を、

優しく撫でていた。


「……っ……」


自分で自分に驚いて、

手が止まる。


(なにしてんだ俺……

 なんで撫でてんだよ……

 無意識……?

 やべぇ……

 可愛すぎて……

 止まんねぇ……)


でも、

せなの寝顔があまりにも無防備で、

あおばはまた撫でてしまう。


ぽん……ぽん……


その瞬間――


「……ん……」


せなが目を開けた。


「っっっっ!!?」


手を引っ込めようとして、

逆にバランスを崩しそうになる。


「ち、ちがっ……!

 今のは……その……

 寝てたから……

 なんか……

 その……

 無意識で……!」


せなはぼんやりした目で、

あおばを見つめる。


「……撫でてた……?」


「撫でてねぇ!!」


即答。

でも顔は真っ赤。


せなはゆっくり起き上がる。


そして――

あおばの胸に、

ぎゅっと抱きついた。


「……………………は?????」


世界が止まった。


「な、ななななな……

 なんで!?

 なんで抱きつくんだよ!!

 無理無理無理無理……!」


せなは真っ赤になりながら言う。


「……仕返し……

 あおばが……

 撫でたから……

 私も……

 なんか……

 したくなって……」


あおばは完全に混乱している。


「いや……

 いやいやいや……

 距離……近い……

 息……できねぇ……

 心臓……死ぬ……

 なんでこんな……

 意識してんだよ俺……

 みのじゃねぇのに……

 なんで……」


最後の「なんで……」だけ、

ほんの少し小声。


せなはぎゅっと抱きついたまま、

小さく笑った。


「ちょっ……かわよ……笑笑」


「笑うな!!」


でも、

抱きしめ返すことはしなかった。

しなかったけど――

逃げもしなかった。

 

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