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膝枕の破壊力を理解していないせな

膝枕の破壊力を理解していないせな

二人は、ご飯を食べた後少し歩き、近くの公園にやってきた。


 公園のベンチに座った二人は、

しばらくの間、何も話せなかった。


風が吹くたびに、

せなの髪がふわっと揺れて、

あおばの視界に入る。


そのたびに、

あおばの心臓は跳ねた。


(……やべぇ……

 なんでこんな……

 普通に座ってるだけなのに……

 心臓……落ち着かねぇ……

 距離……近い……)


せなも同じだった。


(……あおば……

 顔赤い……

 耳も……

 なんでこんなに可愛いの……

 無理……)


二人とも、

ベンチに座ってるだけで限界だった。


---


せなは、

胸の前で手をぎゅっと握りしめて、

何度も深呼吸していた。


(……どうしよう……

 このままじゃ……

 何もできない……

 でも……

 デートだし……

 少しくらい……

 頑張らないと……)


そして――

意を決して、

そっと身体を傾けた。


ぽすっ


あおばの膝に、

せなの頭が乗った。


「………………は?」


世界が止まった。


あおばの表情はいつも通り。

でも、顔が一瞬で真っ赤になり、

耳まで真っ赤になり、

肩がびくっと跳ねた。


「ちょ、ちょ、ちょ、ちょ……!!」


声が裏返った。


せなは真っ赤になりながら、

震える声で言う。


「……あ、あの……

 ちょっと……疲れたから……

 その……

 膝……借りても……いいかなって……」


「い、いやいやいやいや……!」


声は普通の大きさなのに、

震えまくっている。


「なんで!?

 なんで膝!?

 なんで俺の膝!?

 無理無理無理無理……!」


「だ、だって……

 デートだし……

 その……

 こういうの……

 するかなって……」


あおばは顔をそらしながら、

完全に混乱している。


「いや……

 いやいやいや……

 デートって……

 そんな……

 膝とか……

 距離……近すぎ……

 息……できねぇ……!」


せなはさらに赤くなって、

小さく言う。


「……嫌……?」


「い、嫌じゃねぇよ!!」


即答。

声が大きい。

でも顔は真っ赤。


「っ……!」


あおばは頭を抱えた。


「……嫌じゃねぇけど……

 無理なんだよ……

 心臓……やばいし……

 なんでこんな……

 意識してんだよ俺……

 みのじゃねぇのに……

 なんで……」


最後の一言だけ、

ほんの少し小声。


せなは膝の上で小さく笑った。


「……あおば……

 可愛い……」


「可愛いって言うな!!」


即答。

でも耳は真っ赤。


---


せなが膝の上で見上げる。


その瞬間――

あおばの呼吸が止まった。


「……っ……」


目が泳ぐ。

喉が鳴る。

手が震える。


(……無理無理無理無理……

 なんで見上げてくんだよ……

 反則……

 可愛すぎ……

 息……できねぇ……)


「……あおば……?」


「み、見るな!!」


「み、みみ見てない!!」


「見てんだろ!!」


「見てない!!」


「見てんだよ!!」


「見てないってば!!」


二人とも真っ赤。

声も震えてる。


でも、

どちらも離れようとしない。

 

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