デート順じゃんけんであおばが勝つ奇跡
デート順じゃんけんであおばが勝つ奇跡
ひばりの部屋に、
甘くて気まずい空気が漂っていた。
せなは真っ赤になって、
胸の前で手をぎゅっと握りしめている。
(……なんで……
こんなことに……
心臓が……やば……)
しゅいは明るく笑い、
なぎとは腕を組んでそっぽを向き、
ひばりは静かに微笑み、
あおばは――
表情はいつも通りなのに、
耳だけほんのり赤い。
しゅいが手を構える。
「よし、最初にデートする人、決めるぞ」
「つ、ついにか……」
な「……まぁ、順番は大事だしな」
「……公平に決めましょう」
あおばはぼそっと言う。
「……デート……
距離……近いの……無理なんだけど……」
(なんでそんな冷静に言うのに耳赤いの……!?)
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4人は向かい合って立つ。
せなはその真ん中で、
胸の前で手をぎゅっと握りしめている。
しゅい「いくぞ」
なぎと「ああ」
ひばり「準備できています」
あおば「……はぁ……」
せな(なんでため息ついてるの……!?)
しゅいが手を構える。
「最初は――」
空気が張りつめる。
「グー――」
せなは息を止める。
「じゃん――」
ひばりの部屋の空気が震える。
「けん――」
あおばの指がぴくっと動く。
「ぽん!!」
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【結果】
しゅい:(グー)
なぎと:(グ)
ひばり:(グー)
あおば:(パー)
「えっと……?」
「うおっ、負けた!」
「……くそ」
ひばりは落ち着いた声で言う。
「では……
最初にせなさんとデートするのは……」
せなは息を呑む。
ひばりは優しく微笑んだ。
「……あおばさんです」
「「「「えっ!?」」」」
---
あおばは一瞬固まった。
表情はいつも通り。
でも、耳がほんのり赤い。
「……俺……最初……?」
声は普通。
でも、少しだけ震えている。
せなは真っ赤になって叫ぶ。
「えっ……あ、あおば……!?
だ、大丈夫……?」
あおばは目をそらしながら言う。
「……大丈夫じゃねぇけど……
……嫌じゃ……ない……」
最後の「ない」は
ほんの少しだけ小声。
「お前……」
「……反則だろ……」
「……デート……」




