6歳の11月(14)
【警告】今回は格段にハードなウン●話のため。
【警告】食事中の方は絶対に今読まず、後ほどお読みください。
【警告】厳しい方は飛ばしてください。
6歳の11月(14)
「ウンコ! フリーダム! ウンコ! フリーダム! ウンコ! フリーダム!……」
500人に広がるコールに後押しされておっちゃんはステージに向かって進み出てくる。
突然ステージに向かって走り出すおっちゃんを見て、おタマさんとおスミさんは私を後ろに引っ張り、二人で私の前に立ちはだかる。
ステージをよじ登るおっちゃんは目を見開き涎を垂らし、興奮の極致にいるようだ。
途中足を滑らせてずり落ちながらもなんとかステージに這い上がったおっちゃんは、私たちに向いて仁王立ちになったかと思うと大きな声で叫びだす。
「オラのウンコは自由だ! これでもくらうがええだ!」
「リルカちゃん、下がるたい!」
おタマさんとおスミさんに押されて一緒に大きく後ろに飛び退く。
おっちゃんは叫ぶと同時にステージの上でウンチングスタイルをとる。
ヤバい。本当に頭がおかしい。ここでヤルっていうの?
お願い! 私のステージを穢さないで!
「ふんぎぃんがんぎんびー!」
聞いたことも無い声と共におっちゃんのいきむ姿が見える。
「リルカ姫、見てはダメ!」
おスミさんが私の視線を遮ろうとした、
その瞬間、
おっちゃんは横から跳ね飛ばされた。
どこからともなく現れたレンジャー部隊の2人が運ぶ横に長い机。
ウンチングスタイルのおっちゃんは、机を持ったまま後ろを向いて走るレンジャーに突き飛ばされたようで、無様にステージから転がり落ちる。
突然の出来事に500人のウンコフリーダムコールも静まり返ってしまった。
「そんなところでしゃがんでちゃ、危ないだろうが!」
しかもおっちゃんはレンジャーの人に叱られてる。立ち上がってこないところをみるに、まだ下で転がっているのだろう。
さらにレンジャーの2人は机を設置すると、おっちゃんのことなんてお構いなしにステージを駆け下り、何度も往復しながらせっせと机以外にも色々なものをステージ上に運びこんでくる。
そしてゆっくりとステージ脇の階段を昇ってくるお母様と村長さん。
「お母様! 助けて!」
「あら、どうしたのよ。ちゃんとリルカの歌声は聞いていたわよ。トイレ教育を歌にするなんて素晴らしいじゃない! あ、最後のウンコのコールは残念だったけどね。」
まるで何事も無かったかのように余裕たっぷりにステージの中央に立つお母様。
「あの歌は全部の村で歌ってもらうわ。リルカはトイレのアイドルね!」
「う、トイレのアイドルって響きがなんだかとても嫌だわ。それよりお母様、そこのステージの下にいるおっちゃんがトイレは面倒くさい、ウンコは汚くない、恥ずかしくないって言い張って困っているの!」
私が言い終わるのを待っていたかのように、おっちゃんは再び立ち上がる。
「オラのウンコは自由だぁぁぁ!」
「丁度いいわ。あなた、ステージに上がりなさい。命令よ!」
意味不明な事を叫ぶおっちゃんに対して、お母様は問答無用のオーラを漂わせて命令する。
「お、ああ、はい。」
お母様の威圧感に素直に返答しちゃうおっちゃんを、レンジャー二人が両脇を固めてステージの上に連行する。
おっちゃんはステージ上の机の前に、観客を向いた方向で座らされた。
「あなたにはご馳走が用意してあるわ。ひと口食べてごらんなさい。」
おっちゃんの前の机に、おタマさんとおスミさんが作った料理が盛られた皿が置かれる。
「ほ、本当にいいだか?」
おっちゃんはキョロキョロとお母様やレンジャーたちの顔を見て確認する。
「まずはひと口だけよ。どうぞ。」
お母様は何か悪いことを企むような目で、口をニヤリとさせる。
おっちゃんは恐る恐るといった様子で皿の料理を指先で摘まむと、口に運ぶ。
「うんめえええぇぇ! なんだこりゃ。こんなもの食べたことないだ!」
激しく立ち上がって叫ぶおっちゃんをレンジャーたちが強制的に座らせる。
一般の村人なら香辛料はおろか、塩以外の調味料すらまともに使っていないはず。
そんなところにおタマさんとおスミさんのお料理を食べたら、それはもう天国のような味がするに決まっているわ。どうしてお母様はこのおっちゃんにそんな美味しいものを食べさせているのかしら。
「これから用意する状況でも食べられるなら、それを全部食べていいのよ。」
お母様はレンジャーに指で合図すると、そのブツは運ばれてきた。
美味しそうな香りが漂うお皿の隣に置かれたお皿には、離れて立つ私にも届くほど強烈な臭いがする凶悪なブツが乗っている。
「さあ、あなたが平気だって言ってたウンチよ。そのウンチの隣で料理を食べてごらんなさい。」
おっちゃんの顔色が青くなっていく。手が震えているのが離れていても見える。
おっちゃんは手を止めたまま、真剣な顔で悩んでいる。
「ほら、どうしたの? あなたの一生でこんなに美味しいものは二度と食べられないかもしれないわよ?」
おっちゃんは震える右手で料理を摘まみ、顔に近づけて止まる。
まともに臭気を吸わないように呼吸を整えているのだろうか、肩を小刻みに上下させている。
意を決したように眼を見開くと口を大きく開けて料理を口の中に入れようとして……。
「ヴヴヴオオォォェェェ!」
いざ食べようとして無意識に息を思いきり吸ってしまったのだろう。
おっちゃんはまともにウンチの臭気を吸い込んでしまって嘔吐いてしまう。
「ヴオェッ、ヴオェェェッ、こんなの食べられるわけないだ! ヴオェッ!」
「うわー。汚いわね。あなたがウンチなんて汚くないって言ったのだから食べなさいよ。」
「勘弁してくんろ! オラが悪かっただ。もう許してくんろ!」
「仕方ないわね。でもまだまだ許さないわ。次よ!」
お母様が合図するとレンジャーの2人はおっちゃんの手を掴んで、強制的にウンチに突っ込ませる。
「ぎゃー! 何するだ!」
「何するって、あなたウンチは汚くないっていったじゃない! 隣にウンチのお皿を置くのは勘弁してあげるから、その手で食べなさいよ。」
凶悪なブツに塗れたおっちゃんの両手からはさらに強烈な臭いが立ち上っている。
「こんな手で食ったらウンコが一緒に口に入るだ! 無茶振りが過ぎるだべ! どんな美味い料理でもウンコなんて一緒に食えねえだ! 勘弁してくんろ!」
「隣のお皿を外してあげたのに我儘な奴ね! 仕方ないわ、これで手を拭きなさい!」
お母様がおっちゃんに投げ渡したのは一辺が10㎝ほどの小さな布きれ。
そんな小さな布きれじゃ手を全部拭いきれるわけないのが明白なもの。
それでもおっちゃんは必死になって手を拭う。
「それで手にウンチは見えなくなったでしょ。その手で食べなさいよ!」
「無理! 無理だあ! ウンコは見えなくなっても、手から強烈な臭いがするだ! こんな手で料理食べたくないだ! もう本当に許してくんろ!」
おっちゃんは何度も嗚咽したせいもあって、本当に涙目になって必死に訴えてきている。
「はあ? ウンチは汚くないっていったんでしょ? じゃあ何をしたらその手で食べるっていうのよ!」
「手を洗わせてくんろ! 爪の先まで綺麗に水で洗わせてくれたら安心して食べられるだ!」
「自分で汚くないって言ったくせに、本当に恥ずかしい奴ね! 仕方ないわ、手を洗いなさい!」
レンジャーが何度も流すひしゃくの水で執拗に何度も何度も手を擦り、それこそ手首から爪の隙間まで綺麗に洗い流す。
「その綺麗になった手で食べていいのは、小皿に取り分けたものだけよ!」
合図を受けて、レンジャーが机の上に虫かごが乗せる。
先ほど下げられた例のブツが乗った皿は蚊帳の網が張られた虫かごの中に入っていた。しかしその虫かごの中には大量のハエが飛び交っていて、特にブツの上に集っている。
手袋をしたレンジャーが小皿に取り分けられた料理を慎重に、その虫かごに入れる。
小皿が置かれると大量のハエは新しい餌だとばかりに小皿に集ってくる。
おっちゃんはそのハエが集る小皿を見て、黒い顔をどんどんと青くしていく。
ひとしきりハエが集った後に慎重に取り出されておっちゃんの前に置かれた小皿にはまだハエが何匹も残っている。
「さあ、手も綺麗に洗ったし、食べていいわよ。良かったわね!」
「こんなの食えるかあ! ハエが! ウンコがくっついたハエが料理にも乗っただろうが! ウンコがくっついた料理なんて食えるわけねえべ! オラもう二度とウンコが汚くねえなんて言わねえから、頼むから許してくんろ!」
「ウンチはどこでするものなの?」
「トイレだ! トイレしかねえべ!」
「トイレを使った後はどうするの?」
「手を洗うだ! 爪の先まできちんと手を洗うだよ! うわー! もう勘弁してくんろ! 勘弁してくんろ!」
お母様が目で合図すると、おっちゃんはステージの下に連行されて、そのまま蹲って泣いてしまった。
「みんな、聞きなさい! トイレに行った後の手にも、ハエにも、必ずウンチがついていると思いなさい! ウンチを食べたら病気になって死ぬわよ! しかも流行り病になって村が全滅するわ! 死にたくなかったら私の白魔術を守りなさい! ウンチはトイレで! 終わったら手洗いよ!」
「「「「「わああああぁぁぁ!」」」」」
500人はお母様の言葉に反応して歓声を上げる。
「トイレ♪トイレ♪プリプリ♪トイレ♪」
「「「「「トイレ♪トイレ♪プリプリ♪トイレ♪」」」」」
私がコールしたらちゃんと返事が返ってきたわ。良かった!
お母様の追い込みは鬼だったけど、みんなにもしっかりとウンチが汚いって伝わったわ!
これでみんながトイレを使ってくれればバッチリね!
「へ~い! ちょほいとまちなぁ!」
500人の人混みを掻き分けて、横向きで足をクロスさせながらで進んでくるボロボロの帽子を被った細身の男が変な喋り方で叫ぶ。
もう嫌な予感しかしないわ。




