6歳の11月(13)
【警告】今回もウン●話のため。
【警告】食事中の方は後ほどお読み下さい。
6歳の11月(13)
私はみんなの歌が鳴りやまない中、続けて2番を歌い始める
「トイレは♪白魔術♪トイレは白魔術♪」
(トイレで、でTの字アピール)
(白魔術、で両手で自分を抱きしめる)
(トイレは白魔術、で弾けるように両手を広げて挙げるとクルリと一回転、右足を頭の高さまで振り上げて足を降ろすと同時に前方を指差すように決めポーズ)
「「「「トイレ♪トイレ♪プリプリ♪トイレ♪」」」」
「フキフキ♪お尻拭いたら♪お手手を洗おう♪」
(フキフキ、で身体ごと左を向いて右手でお尻を後ろから撫でる)
(お尻拭いたら、で身体を正面に向き直って、右手を挙げる)
(お手手を洗おう、で顔の高さに挙げた両腕を身体の左右でこすり合わせる)
「「「「トイレ♪トイレ♪プリプリ♪トイレ♪」」」」
「トイレが♪無くても♪しっかり手を洗って♪」
(トイレが、で左を向いて左手で目の上に庇を作って、キョロキョロと何かを探す)
(無くても、で両手の拳を顎の下にそえて困ったように身体をイヤイヤと左右に振る)
(しっかり手を洗って、で身体ごと左に向いて片足を後ろに蹴りあげながら前方に伸ばした両手を交互に上下に振る、次に右を向いて同じように両手を振る)
「「「「トイレ♪トイレ♪プリプリ♪トイレ♪」」」」
「フキフキ♪した手に♪恐ろしい精霊がついてきちゃう♪」
(フキフキ、で身体ごと左を向いて右手でお尻を後ろから撫でる)
(した手に、で身体を正面に向き直って、右手を挙げる)
(恐ろしい精霊がついてきちゃう、で足をガニ股に開いて足踏みしながら、両肘を肩の高さまで上げて手は襲い掛かるように何かを掴む)
「「「「トイレ♪トイレ♪プリプリ♪トイレ♪」」」」
「ウンチは♪寂しがり屋♪しっかり手を洗って♪」
(ウンチは、で軽く膝を折り、しゃがみながら両腕で頭の上に山の形を作る)
(寂しがり屋、で両手で自分の肩を抱いてイヤイヤと左右に振る)
(しっかり手を洗って、で身体ごと左に向いて片足を後ろに蹴りあげながら前方に伸ばした両手を交互に上下に振る、次に右を向いて同じように両手を振る)
「「「「トイレ♪トイレ♪プリプリ♪トイレ♪」」」」
「手を洗わず♪ご飯作ると♪食べたみんなが病気になるよ~!」
(手を洗わず、で両掌を顔の横に挙げて、握って開いてを2回繰り返した後に指をワキワキと動かす)
(ご飯作ると、で顔の高さで水平に開く左手の上に、シマをお皿に盛るように右手で下から掴んだものを乗せるのを2回繰り返す)
(食べたみんなが病気になるよ、で左右の腕を順番に額に当てて、左右にのけ反る)
「「「「トイレ♪トイレ♪プリプリ♪トイレ♪」」」」
「でもトイレは♪白魔術♪トイレは白魔術♪」
(でもトイレは、でTの字アピール)
(白魔術、で両手で自分を抱きしめる)
(トイレは白魔術、で弾けるように両手を広げて挙げるとクルリと一回転、右足を頭の高さまで振り上げて足を降ろすと同時に前方を指差すように決めポーズ)
「「「「トイレ♪トイレ♪プリプリ♪トイレ♪」」」」
「トイレの♪聖水で♪お手手を洗おう♪」
(トイレの、で両腕を頭の上に挙げる)
(聖水で、で両掌をヒラヒラさせながら左右に降ろす)
(お手手を洗おう、で顔の高さに挙げた両腕を身体の左右でこすり合わせる)
「「「「トイレ♪トイレ♪プリプリ♪トイレ♪」」」」
「トイレで♪プリプリ♪恐ろしい精霊とさよなら♪」
(トイレで、でTの字アピール)
(プリプリ、で両手をガッツポーズで肩まで上げて、足を揃えて左右にお尻を振る)
(恐ろしい精霊とさよなら、でお尻を左右に振りながら両手を開いてバイバイと手を振る)
「「「「トイレ♪トイレ♪プリプリ♪トイレ♪」」」」
500人がプリプリ歌って踊っている姿はまさに魔法!
みんな楽しそうに笑ってるわ。
これは歩兵部隊の歌の大隊長アレクに習った奥義、歌と踊りで覚える集団行動の応用よ。
「トイレ♪トイレ♪プリプリ♪トイレ♪」
「「「「トイレ♪トイレ♪プリプリ♪トイレ♪」」」」
「みんなー聞いてくれてありがとう♪トイレで~?」
「「「「プリプリ~♪」」」」
みんなの馬鹿騒ぎはまだまだ続いて、子供たちはまだプリプリ♪トイレ♪って歌っている。
この歌が流行ればみんなにトイレを使ってもらうって目的達成ね!
「みんなー! ちゃんとトイレを使ってね~!」
「そんな事言ったってよ、面倒くせえべよ!」
「え?」
先頭で大はしゃぎしていたはずの男性が怒鳴るような大声で返す言葉に、最高に盛り上がっていたはずの空気が一気に凍りついたかのように止まって静まる。
「な、なんですって~!」
私がせっかく盛り上げた空気に水を差して、絶対に許さないんだから!
「おっちゃん私の歌をちゃんと聞いてたの? トイレは白魔術の儀式なんだからちゃんと使わないと黒魔術で病気になっちゃうのよ!」
「なにいってるだ! オラのウンコは気合が入っているから黒魔術になんか負けねえ!」
「ウンチに気合も何もないわよ! おっちゃんのウンチがその辺に転がってたらばっちいでしょ!」
「馬鹿にするでねえ! オラはキレイな物しか食べてねえ! オラのウンコは汚くねえ!」
「食べたものは関係ないわ! ウンチは誰のものでもばっちいのよ! みんなに見えるところでウンチしていて恥ずかしくないの!?」
「恥ずかしくねえ! オラの堂々と一本筋の入ったウンコはどこに出しても恥ずかしくねえ! そもそも誰だってウンコするもんだ! 恥ずかしがる方がおかしいだ!」
「ウンチに一本筋なんて入ってたらすでに病気よ! そもそもおっちゃんの問題じゃないの! そのウンチにハエがたかったり誰かが踏んじゃったり触ったりしたら村のみんなが黒魔術で病気になっちゃうでしょ!」
「だから言ってるだ! オラのウンコは気合が入っているから黒魔術になんか負けねえ!」
あーもう! 最初に戻っちゃったわ。このおっちゃんの頭の中はどうなっているの!?
このおっちゃんがなんだか変に説得力がある言い方なものだから、聞いている中にも頷いてしまっている人までいるし、頭がおかしくなりそう!
助けを求めるように後ろを振り返るとおタマさんとおスミさんが厳しい顔をしている。
意を決したように頷いておスミさんが前に出てくる。
「トイレを使えというのはこの国で最高の白魔術師である将軍の命令。将軍の命令に従えぬというか!?」
おスミさんの人を蔑んだような冷たい言葉が飛ぶ。別におスミさんは人を蔑むような人ではない。いつもどおり頑張っているとそう見えるだけ。
「くっ。オラが死のうとも、ウンコの自由は死なねえだ。ウンコはみんなに許された自由だばぁぁぁ!」
このおっちゃん、言っていることは頭がおかしいけど言い方が無駄に迫力があるものだから、なんだか雰囲気で賛同しちゃっている人たちがいるわ! まずい、おスミさんが通じないなんて想定外よ!
「ウンコ! フリーダム! ウンコ! フリーダム! ウンコ! フリーダム!……」
おっちゃんのコールが、私の歌の余韻が残る500人にだんだんと広まっていく。
別にみんなはウンチが自由だなんて思っているわけでもないけど、ウンチはトイレだと完全に思っているわけでもない。こんな変なコールを子供たちが覚えてしまったら、私の作戦が台無しだわ!
どうしよう、このおっちゃんを言葉で納得させるのはどうにも無理そうだわ。もしぶん殴って黙らせると、おっちゃんが英雄扱いされてこの変なコールが大きくなってしまいそうだし、もう一度歌って対抗するしかないの?
なんでみんな素直にトイレを使ってくれないのよ!




