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6歳1月(27)

6歳1月(24)~(27)の4話分がひとまとまりのお話しです。

6歳1月(27)


時はさかのぼる。


モフ子がお話しできることに気が付いた私たちは、デデを通して色々と話を聞いた。

モフ子の群れを襲ったハイエナ王の話やモフ子ができることなど。

会話できることが本当か信じられなくて、いくつも確認した。


そして出した結論は、モフ子の力を借りてハイエナ王を討伐し、お母様にアピールすること。


私は、音に敏感で臆病なハイエナへの武器として神剣を手に入れ、

フマは逃げるハイエナ王の足を止めるための罠を考え、

デデはリカオンの群れを探してモフ子と走り回り、

アディルとカイサとオニカは戦闘の装備を整えた。

そして集まり、作戦を立てる。


モフ子のアドバイスにより、狡賢ずるがしこいハイエナ王がやりそうな事を予想し、罠を考える。

そしてこちらが大集団でいると逃げてしまうので、少人数での囮を置き、風下から襲うこととする。

しかしモフ子の鼻を頼りにハイエナ王を見つけると、予想外にもお母様がハイエナ王に襲われて孤立していた。


きっと私たちと同じ考えで、討伐部隊が大人数ではハイエナが逃げてしまうために、おびき寄せようと細かく分散したところを、ハイエナ王がお母様を狙い撃ちしたのだろう。


さらにお母様がギンシャリに乗っていたのが不味かった。

ギンシャリを守るためにお母様が足止めされ、まともに戦うことができなかった。

100頭ものハイエナに代わる代わる襲われ、数も減らせない。

ここまでハイエナ王の指揮は完璧だった。

このままお母様や護衛が疲れるか、焦れた護衛が逃げるハイエナを追いかけるように飛び出れば、それでハイエナ王の思惑通りだ。


例えそうなってもお母様が負ける姿は想像できない。

しかしギンシャリの無事は分からないところだった。


私たちが近くまで辿り着いたとき、目の前の状況は、私たちの作戦の囮役をお母様がやってくれているのと同じだった。

私たちは早急に作戦行動を開始し、風下から静かに接近し、奇襲した。

分断したところをさらにリカオンたちの強襲。

そして逃げ道を塞ぐ罠。


想像を遙かに上回ったのは神剣を渡したお母様の無双っぷりで、

それにより作戦はあっという間に終結した。


◆◆◆


そして今、リカオンの大群を前にして、神剣を携えたお母様が仁王立ちしている。


「リルカ、これは、どういう事なの?」


「モフ子はね、デデと会話できるのよ! モフ子のお父さんとお母さんの敵討ちのために、モフ子が仲間のリカオンに呼びかけて協力してもらったの。」


そう言われてにわかに信じがたい話だけど、本来逃げるか襲ってくるはずのリカオンの大群が、こうして目の前に大人しく座っている現実をみて、返事を困っているのだろう。


「がうがう!」


モフ子の一声で、リカオンが後ろの方からゆっくりと離れて行く。

一匹のリカオンが、私とデデに挟まれたモフ子のところへ歩み寄り、モフ子に鼻をすり付ける。


「デデにぃにがいうには、モフ子がいた群れのリーダーなんだって。お父さんとお母さんはいなくなっちゃったけど、群れに戻るか? って聞いてるみたい……。」


モフ子、群れに戻るのかな。それも仕方ないかな。

でも寂しいな。もっと沢山モフモフしておけばよかったな。


リーダーとモフ子は何度も鼻をすり付け合う。長く長く会話を交わすように。


「がぅ♪」


「モフ子は私たちと一緒に居たいって!」


ありがとうモフ子! モフモフモフ!

これからも毎日一緒よ! モフモフモフ!

リーダーは名残惜しそうに振り向きながら去っていった。


それを見送ると、お母様は膝をつき、デデの両肩を掴む。


「デデは本当にこの子と会話できるのか?」


デデは頷き、モフ子はお母様に鼻をすり付ける。


「私の言葉は?……文字は?……返事は?……噛み付きは我慢できる?……病気は分かる?……他に何が?……」


お母様は真剣な眼差しになり厳しい口調でデデに詰問していく。

時には地面に文字や数字を書いてデデとモフ子に尋ねていく。

その間にもモフ子は答えながらお母様にじゃれつき、ついにお母様の片手はモフ子をモフモフし始めた。

モフモフ。モフモフ。

羨ましい。


一通り聞き終わったのか、お母様が顔を上げる。

モフ子はもうお母様の片手に揉みくちゃモフモフにされている。


「リルカ! 3つ約束しなさい!」


私たちは固唾を呑んでお母様の言葉の続きを待つ。

お母様にモフ子を認めさせる作戦の結果がこの言葉で決まるのだ。


「ひとつ、リルカたちみんなでこの子の面倒をみること。ふたつ、斥候部隊のイェンのところでちゃんと訓練を受けること。そしてみっつ、デデの部下として働くこと。これができるなら、今回は特別に飼うのを許します。」


「やったー! もちろん約束するわ! みんな、モフ子と一緒に暮らせるよおおぉぉ!」


私たちはみんな飛び跳ねてモフ子に抱きつき、みんなで撫でて揉みくちゃにする。

モフモフモフモフ。


「これでゴールドを捨てずに済んだだす。ゴールドを捨てるなんて縁起が悪いだすよ。」


深淵の闇夜駆ける流星メテオオブアビスナイツのためにおいらが作った小屋が無駄にならなかったぜ!」


「リルカはちゃんとデカ耳の世話をするんだぞ!」


「たかがリカオを飼うためだけに命懸けの大騒ぎであるな。」


お母様がそんな会話を聞いて首を傾げる。


「リルカ、みんな全然違う名前で呼んでいるけど、この子の名前は決まってないの?」


「それがお母様、モフ子はどんな名前で呼んでも返事してしまうから、決められないの。だからみんな好き勝手な名前で呼ぶのよ。モフ子が一番可愛いわよね?」


「ならば私も名付けるわ。そうね……ソフィアよ。智慧ちえ叡智えいちを意味する女の子らしい名前ね。」


「ええー! お母様ずるい!」


「みんなバラバラに呼んでいるなら、私がつけた名前で呼んでもいいじゃない。ソフィア!」


「がぅ♪」


ソフィアと呼ばれて気に入ったのか、クルクルと回って飛び跳ねるように返事をするモフ子。

他の名前を呼ばれた時と、明らかに反応が違う。

さらにはお母様にじゃれついて、片手で揉みくちゃにモフモフされて喜んでいる。

お母様も満足そうに顔をほころばせている。

あれは絶対モフモフに陥落した顔だわ。

モフ子ったら、もしかして、自分の可愛さを分かってやってる?


賢いモフ子が絶対的な権力者であるお母様を把握しての行動なのか、それとも本当に名前が気に入っての行動なのか分からないけど、こうまで名前を呼んだ時の反応が違うとソフィアと呼ばざるを得ない。


ぐぬぬ。

お母様の横暴は今に始まったことじゃないから諦めるけど……釈然としない。


「モフ子!」


モフ子はこちらを見るけど、返事をしない。こんなの今までなら考えられない!


「デカ耳! ゴールド! 深淵の闇夜駆ける流星メテオオブアビスナイツ! リカオ!」


モフ子はこちらを見たまま、じっと待っている。違う名前で呼ばれることを期待している目でこちらを見ている。


「……ソフィア!」


「がぅ♪」


私が呼ぶと、やはりクルクル回ってから飛びついてきた。

モフモフ、なでなで、モフモフ、なでなで。

やっぱり幸せだわ。


このモフモフと一緒に暮らせるなら、ソフィアって名前も悪くないわね。

この子が決めたのなら、それでいいや。

今日から毎日一緒よ。ソフィア。

モフモフ。


こうしてリルカ探検隊の隊員が増えました。

6名プラス1匹。

一緒にこの世界のすべてを探検しに行こうね!

6歳1月(24)~(27)の4話分がひとまとまりのお話しです。

細かい描写をすっ飛ばして、書き飛ばす練習のために書いてみました。

このくらいだとストーリーがサクサク進むかな?

よければぜひブックマークや評価をお願いいたします!

それによって、きっと次回更新が早まります!

早く続きが読みたければぜひ!

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