キネティックサンド 「弱みがない」という強み
では今回からランキングに入った商品を考察していきます。
主に3つの章で構成します。
1. どのようにヒットしたか?
2.なぜヒットしたのか?
3.どのように小説に応用できるか?
今回考察するのは……
ランキング11位、キネティックサンドです。
おそらくこれは、2014年最も売れた「砂」でしょう。
1. どのようにヒットしたか?
98%の純粋な砂と2%の企業秘密でできた全く新しい砂。
手にくっつきにくい、でもしっかり砂遊びできることで有名です。
もともとは、スウェーデンの知育玩具を作っていることで知られた会社が作ったものです。
海外の製品ということで当初はあまり注目されなかったのですが……
お昼の情報番組や、流行に敏感なことで有名な芸能人の方がテレビで紹介されたのをきっかけに、世間に広まっていきました。
最近では主にインターネットやオモチャ屋さんで購入できるそうです。
クリスマスシーズンに向けて、さらに売れることが見込まれています。
2.なぜヒットしたのか?
この理由はとてもシンプル。
砂遊びが抱えるデメリット面を完璧に消したことが要因です。
作者様もきっと子供の頃、砂遊びをされたことがおありだと思います。
泥だらけになって帰宅後、ご両親に嫌な顔をされたこともありませんか?
なぜ大人が砂遊びを嫌がるのか、考えてみましょう。
まずシンプルに、汚れるから。
家を綺麗にしたい大人からすれば、砂や泥を家の中に入れるのは抵抗があるのだと思います。
服についた泥よごれを気にする親もいるかもしれません。
そして、衛生面の問題。
砂場は屋外にあります。
屋外にあるということは、菌がいっぱいいます。
汚い話ですが……ネコのトイレになります。
子供の健康を心配してしまうのでしょう。
そのせいで子供達が菌に対する耐性を失ってしまったそうですが……余談なので割愛します。
パッと思いつくのはこの2つです。
では、キネティックサンドは?
この2つの問題点はクリアしています。
まず汚れから。
キネティックサンドは手にくっつかないことをウリにしています。
本当にくっつかないんです。
爪の間に入った砂粒すら、すぐ取れます。
後片付けも簡単。
汚れる心配はどこにもありません。
では次に衛生面。
家の中で砂遊びという画期的なことを成し遂げらキネティックサンド。
そもそも屋外に出しませんから、衛生的にも問題なしです。
純粋な砂はもちろん、2%の企業秘密も人体に無害だそうです。
衛生面も心配なし。
このようにキネティックサンドは
「従来の砂遊びの弱点を徹底的に消す」
ことによってヒットを生み出しました。
3.どのように小説に応用できるか?
では応用編です。
といっても答えは出ていますね。
「弱点を消す」
ことが大きなテーマになります。
そもそも、ライトノベルという存在自体が小説の弱点を消した存在です。
・文章が多くて読みづらそう。
・手に取るまでにハードルが高い。
以上の弱点をライトノベルは……
・会話主体の文章で読みやすくする。
・挿絵を入れることによってハードルを低くする。
ことによって解消しました。
では、そのライトノベルの弱点は?
一概に言えないことではありますが、一例を挙げてみましょう。
なろう! の中で大きな勢力となっているジャンル、ファンタジー。
その弱点(?)は何と言っても……
現実世界との違いをイメージさせる必要がある。
世界観の説明がどうしても多くなってしまうこと。
になるかもしれません。
ファンタジーを書かれている作者様、ごめんなさい。
あくまで一例です。
当然、どのジャンルにも弱点はあります。
恋愛であれば、心情を美しく飾る文章。
冒険であれば、戦闘シーンの描写。
エッセイであれば、主張のまとめ。
などなど。
わたしの勝手な考えですので、どうか気を悪くされずに読んでいただけると嬉しいです。
話を戻しましょう。
ファンタジーを書く上でネックになるのは、やはり説明が多くなることです。
地球と違う世界を作り出すわけですから、確かにこれは骨が折れます。
しかし不足すれば、ファンタジーとして魅力を損なうかもしれません。
読む側からしてもやはり、長々した説明文や歴史をたどる文章は、風味に欠けたような気がして敬遠しがちです。
ではその弱点、どう解決しますか?
多くの小説家が取る手っ取り早い方法は……
大量の説明を冒頭にどーんと置かないことです。
情報を小分けにしています。
もちろん冒頭部分での説明はある程度必要ですが……
大切な情報は、必要な時に必要なだけ出すのがクールです。
イメージとしては、最初に10の情報を置くよりも、
最初に2出し、追って1ずつ出していく感じでしょうか。
そうなると読者様の負担が分散され、読みやすくなります。
名作ラノベ「化物語」では……
冒頭でヒロインの異常性をシンプルに描写した後、詳しい説明やそうなってしまった経緯はストーリー中盤よりちょっと手前くらいで明らかにされます。
冒頭3、4ページの説明は至ってシンプルにまとめられています。
しかし違和感はありません。
なろう! で大人気の作品もこの方法を取っている作品が多いです。
読みやすさ重視のなろう! では大正義なのかもしれませんね。
前述の通り、特有の「ネック」はどのジャンルでも存在します。
それを当然として受け入れるか、解消可能な物とするかは作者様次第。
しかし、弱点が解消された小説はどこを読んでも美しいです。
引っかからずにスラスラ読めます。
読了感が清々しいです。
あくまでこれはわたし個人の意見ですが。
新しい時代を迎えようとしているなろう! で人気が出るのは……
弱点のない、ある意味で革新的な小説になると考えます。
ではまとめです。
キネティックサンドには従来の砂遊びの特有の弱点がありません。
だからこそ、ヒットしました。
ラノベもそうです。
従来の各ジャンル特有の弱点がなくなるなら、
さらに多くの人に受け入れられる小説になるでしょう。
次回の考察テーマは
「ウィザーディングワールド・オブ・ハリーポッター」
世界観を作るために全力を尽くす




