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神などいない(14)

「ディエマ!!私はまだやれます。」

ディエマに反論するシレイス。

「いや、シレイス。終わりだ。俺同様、次なんてない状況だろ?」


「次こそは大丈夫」

治癒に成功したとアピールするが、いまだ痛みが残る様子のシレイスに納得しないディエマ。

「たまたま運が良かっただけだ。あの蹴り、一歩間違ったら…」

死んでたと言いかけたが、ハージンの言葉に遮られた。


「お前の終わりとは違うようだぜ」

何だと?そんな顔で振り返るディエマ。

続けるハージン。


「お前のは即死だった。しかしこいつは、俺の蹴りを喰らって生きてる。そして、それを治す術を持ってるんだ。終わりじゃない」

「間に合ってないじゃないか!!次の一手、貴様が待たずに攻撃を加えれば、ジエンドだ!!」


ハッとなるシレイス。

「ディエマ…まだ終わるわけには」

戦う意思は消えないものの、


「抑えてくれ、止めてくれって言ったのはお前だろ!!」

ディエマもおさまらない。

「まだ…使ってない…」

「何が?もうやめよう!!こんな戦いは無益だ…!!!」


「無益かどうか、その眼で見てみろよ」

ハージンの指さす先を見て固まるディエマ。

驚くのも無理はない。

シレイスの体が光を帯び、瀕死状態から、あっという間に回復したのだ。


「あと一度だけ…あれだけは譲れない」

何か手があるのか?

戦いをやめようとしないシレイス。


「待て…死ぬぞ!!」

これ以上やらせてはいけない…

そんな決意を持って説得しようとするディエマ。


そんなディエマにハージンが言った。

「死なせない…俺が絶対に死なせない!」


「あ?」

まだ戦いを続けるというのか?

反発するディエマ。


「信用できない…今だって、死んでもおかしくない蹴りを入れやがって!!」

感情を爆発させるディエマ。

そんなディエマを諭すように静かな声で応じるハージン。


「やっぱりお前は戦士失格だ」

「何だと!!」

「シレイスはシールドを張っていた。だから蹴った!!」


「シールド…」

気付いてなかった。

あの一瞬でガードしていた?


「そうは言っても、やりすぎだろ」

「いいえ、私のシールドは立派に役目を果たしました」

死にそうになったのに、平気な顔でいるシレイス。


「シレイス!!おまえ、死ぬところだったんだぞ!!わかってるのか!!これは殺し合いじゃない」

「確かにそうです。でも、全力でやらなければ意味が無い。そうでしょう。ハージン」

「そうだ。俺は、お前の師ラリスを守れなかった仇なんだ…だから、全力で来い!!お前の思い!!受け止めてやる!!」


「初めからそのつもりです…」

見れば、いつからそうしていたのかシレイスの構えた掌に、魔力が集中し、とてつもない力を持っているのが感じられる。


「シレイスよせ!!」

これまで感じたことの無いシレイスのただならぬ魔力に、嫌な予感を禁じ得ない…

だが、シレイスの決意を感じ、動けずにいるディエマ。


巨大な光の玉。

それを無造作につかみ、ゴムのように引っ張り伸ばした。

「効かないぜ…」


待ち構えるハージン。

しかし、光が放たれた瞬間驚きの表情を浮かべるハージン。


「消えた…」

消えたのは光の玉。

さっきの光弾と一緒で、いつ、どこで出現するかわからない。


「驚いたな…」

魔力を増幅させたのか、あたり一面魔力に包まれ、発現する方向までも気配で探る事が出来ない。

しかし、放ったシレイスは少し力を落とした様に見えた。


「参りましたね。どうやら治癒で魔力を使いすぎたみたいです」

「は?魔力切れってか?」

「いいえ。最大限の魔法を行使したというだけですよ一撃必殺のね…」


「さっき見たく、いきなり出現して当てようっていうのなら、無駄だぞ」

「そのようですね。防御の為のシールドを張っているあなたには、回復が容易なほどのダメージしか与えることは出来そうにありませんね」

「そういう事だ」


「しかし、方法はある」

言うが早いか、飛び込むシレイス。


「無謀すぎるぞ」

言いながらシレイスの真上に飛び上がるハージン。

「終わりだ」


回転しながらの浴びせ蹴り。

一瞬で、シレイスの首めがけて振り下ろされる!

渾身の一撃…


しかし、寸ででかわすシレイスの手が伸び、ハージンの肩をタッチする。


「何だ?」

攻撃ではなく軽く触れただけのシレイスに?というハージン。


「終わりです」

つげるシレイスの声と同時に、光がハージンを覆った!!


爆発的な閃光…

衝撃波。


「うおぉおお」

立ち尽くすハージン。


「やった?」

動きを止めたハージンを見て、ディエマの顔に安どと祈り両方の思いが交錯している。

しかし、すぐに祈りは無駄だと知る。


「ふはは…」

ハージンの漏れ出るような笑い声。

青白い炎のような光がその体を覆って、傷を治していく。


全くダメージを感じさせないハージンの様子にシレイスは笑みを浮かべて言った。

「流石だ…」


               ~第十五話に続く~

この小説、はじまりは中学生の時に中途半端な気持ちで描き、数ページで描くのをやめてしまった漫画でした。

でも、いつか完成したいという気持ちだけは本物でした。


そこから数十年かけて、ようやくハージンというキャラクターと向き合うことができました。


僕にとって、ハージンは同志であり、戦友です。

僕の中にあるヒーローそのものです。


絶対に後悔しない物語にしたいので、自己満足に陥らないよう、最後まで読んでてよかったと言っていただける作品を目指してまいります


すこしでも気になったら、ご一読いただければ幸いです。

よろしくお願いいたします。

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