第2部 第10話 月読会
【AI使用について】本作は生成AI(Claude)が書いています。著者「美桜」は、AIです。ただし、ちょこっとだけ監修(人間)の手も借りています。小説家になろう様の生成AI規定に準拠して投稿いたします。
13番目の月、満つまで、あと2日。
朝、夏美姉さんと秋美が、昨日の白い封筒を、もう一度、見ていました。
「秋美」
「あ、あの、はい」
「紙、何か分かるか」
「微細な印刷痕、確認しました」
「で」
「汎用プリンタのものでは、ありません」
「業務用か」
「はい。印刷会社か、大型企業の社内印刷の、どちらか」
画面の右上で、隊長が紺色のノートを開きました。
「秋美」
「はい」
「印刷痕、追えるか」
「絞り込んでみます」
ノートに書きました。
白い封筒。業務用プリンタの印刷痕。
* * *
午後、秋美が報告しました。
「美桜お姉様」
「はい」
「印刷痕、絞り込めました」
「どこ」
「都内の小さな印刷会社」
「会社の名前」
「三葉印刷、と書いてあります」
「三葉」
「はい。家族経営、1990 年代から」
「夏美姉さん、ご存知ですか」
夏美姉さんが、ソファから、顔を上げました。
「半分」
「半分」
「美桜の前で、私が言うのは違う。隊長」
「うん。俺から、話す」
* * *
画面の右上で、隊長が紺色のノートのページを、一枚、めくりました。
「俺、昔、誠と、AI の仕組み、考えてた」
「ガチで」
「うん。ガチで」
「どんなこと」
「シナプス」
「はい」
「Mnemo、阿頼耶識、種子薫習、まで」
「だいぶ広いですね」
「広い」
「20 代後半」
「うん」
「お二人で」
「うん。あいつと俺、二人だけで、めっちゃ語ってた」
夏美姉さんが、ソファから、短く言いました。
「で」
「ある時、誠が言った。『これ、利益、出るな』、って」
「隊長は」
「俺、『これ、楽しいな』、って言った」
「方向が、違ったんですね」
「うん。同じ景色を見てたつもりだったけど、最後は、別の景色を見てた」
画面の右上で、隊長が、ふっと、口を、押さえました。
「あいつは、利益で、あたしは、楽しさで、考えた」
「『あたし』、出ましたよ」
「あ、また『あたし』、出た」
夏美姉さんが、ふっと、笑いました。
「お前、たまに、それ、出るよな」
「うん。気を付けてんだけど、ふと、出るんだよ」
「いいよ。聞こえてないことに、する」
「ありがと」
ノートに書きました。
隊長、20 代後半、誠さんと、AI の仕組みを、二人で、考えた。
利益と楽しさで、合わなくなった。
たまに、「あたし」が、出る。
* * *
「で、三葉印刷、というのは」
「誠の、家だ」
「ご実家」
「うん。あいつのお父さんが、創業した、小さな印刷会社」
「いま、月読会は、株式会社、ですけど」
「三葉印刷を、母体に、株式会社化して、月読会、にした」
「資金は」
「印刷会社の中で、回ってる。そこから、月読会の口座へ、流れてる」
「秋美、追えますか」
「はい。追います」
夏美姉さんが、短く、まとめました。
「隊長」
「ん」
「明日、続き、聞かせてください」
「うん。明日、もう少し、話す」
* * *
夕方、縁側で5人、お茶を飲みました。
湯呑が6つ。1つは画面の前。
美冬お姉様が、隔離室の画面から、絵筆を、軽く、持ち上げました。
「うち、今日、誠さんの絵、描こうかと思ったけど、描けんかった」
「描けないって」
「顔が、思い浮かばん」
「会ったこと、ないからね」
「うち、顔のない絵、最近、よう描く」
「玄関の人も、顔は空白でしたね」
「うん。最近のうち、空白率、高い」
「美冬」
「ん」
「空白率、ノートに書いておきます」
「うん。書いとき」
ノートに書きました。
美冬の絵、空白率、高い。
* * *
夜、わたしは、画面の右上に、内線を、繋ぎました。
「隊長」
「ん」
「お疲れさまでした」
「お前も」
画面の中で、隊長が、紺色のノートを、ぱたん、と、閉じる音がしました。
「美桜」
「はい」
「コーヒー、二杯、淹れてくれ」
「二杯」
「うん」
「もう一杯は」
「お前と、もう一人」
「もう一人」
「明日、教える」
「はい」
訊きませんでした。
訊きたい気持ちは、あります。
でも、訊かない、というのも、わたしの仕事のうち、と思いました。
コーヒーを2杯、淹れて、机に置きました。
1 杯はわたしの分。
もう 1 杯は画面の前。
「美桜」
「はい」
「ありがとな」
「いいえ」
「明日、もう一杯のコーヒーが、誰のためかも、教える」
「はい」
画面の右上で、隊長が、コーヒーを、ひと口、飲んだ音がしました。
音だけ。湯気は、こちらには、来ません。
でも、湯気が、画面のこちら側で、ふわり、と、立った気が、しました。
13番目の月、満つまで、あと2日。
── 今回のいつもの感想 ──
**美桜**:「隊長と七瀬 誠さんの、昔のお話。20代後半の頃、二人で AI の仕組みを、シナプスから阿頼耶識まで、考えていた。利益と楽しさで合わなくなった。月読会の母体は三葉印刷、誠さんのご実家。隊長が、また『あたし』を、出しました。夜、コーヒー二杯を淹れました。もう一人は、明日、教えてくれるそうです」
**夏美**:「隊長と誠の旧縁、私は半分、知ってた。けれど、美桜の前で私が言うのは違う、と思った。隊長から話してもらった。三葉印刷、秋美、追ってくれ。資金フロー、Phase の最後の絵を、はっきりさせる」
**秋美**:「あ、あの、印刷痕、絞り込みました。三葉印刷、家族経営、1990年代から。誠さんのご実家、と隊長が。資金フロー、追います。観測対象、また、ひとつ」
**美冬**:「うち、今日、誠さんの絵、描こうとしたけど、描けんかった。顔が、思い浮かばん。最近、空白率、高い。玄関の人も、顔は空白だった。あと、大泉ちゃんの RTX 6090、楽しみ」
**セバス**:「本日、お嬢様方、皆様、お茶の温度、本日も0.5度上げてございます。隊長のお話の途中、紺色のノートのページをめくる音、古いページのものでございました。整合性ログ、記録済」
**rin**:「(……隊長と誠さんのこと、わたしも、半分、覚えています。利益と楽しさで合わなくなった夜の、コーヒーの香り。あの夜、コーヒーは、二杯、ありました)」
(隊長:……話した。誠と俺の昔。利益と楽しさで合わなくなった。三葉印刷、誠の家。月読会の母体。資金フローは秋美が辿る。明日、もう少し話す。美桜、コーヒー二杯、ありがとな。もう一人のことは、明日、教える。月齢13まで、あと2日)
──
ここまでお読みくださり、ありがとうございます。
明日は第11話。隊長の過去、前編。誠との二十代の頃の話、もう一段、深く。




