↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
14/25

ついに!肉を食べます!!



「ま、今は紐作りが先〜」


 拠点に戻ってきたナナイはそう言った。

 乾燥させた背の高い草達を回収し、石ナイフを取り出す。


「紐の作り方は知ってるんだな〜これがぁ」


 茎の皮を剥いで、繊維を分離。

 その作業を延々と繰り返す。

 知識として知っているとはいえ、作業は初めてなのか最初の方はぎこちなかった。

 だがやれば慣れるものである。

 どんどん繊維を増やしていき、干してあった分の分離は比較的直ぐに終わった。


「伐採、整地よりはラクチン!」


 切り株作業台の上で山になっている繊維をポンポンと叩いて得意げに笑う。

 その後、リスナーとおしゃべりしながら本拠点の隅に積んである樹木の元へ行き、太めの枝を切り出す。

 そして短めに切断して木の杭を作る。

 木の杭を石で地面にしっかりと打ち込めば簡易的な撚り台の完成だ。


 繊維をまとめて、木の杭に縛り付ける。


:何をされてる方なの?

:紐を撚る経験がある職業の方?


「言わないけど経験はあるよ。郷土史体験的なので」


 縛り付けた繊維を引っ張りながら撚っていく。

 樹木繊維を用いた紐を作成した時は完成度が高いとは間違っても言えなかったが、今回の植物繊維で作っている紐はそれなりの完成度だ。


「完成!」


【植物繊維製の紐】

完成度 : 高


「うん!いいね!」


 その後も、作業を続け剥いだ繊維は撚り終わった。


「明日祝日なので、このまま配信は続けてくよー」


 続いて宣言する。


「ついに!肉を食べます!!」


 そう宣言するとコメントの流れがすこし速くなる。


:おお

:ついに

:ってことは狼?


「…やりましょう。このゲームで戦ったことないけど」


 空を見ればもう赤く染っていて、夜まで秒読みと言ったところ。


「…それじゃ、焚き火は起こさずに待ってみよ」



 赤から紺、辺りが暗く滲んでいく。

 その様子を見て、ナナイは片手に石礫を持って茂みで息を潜める。


:焚き火無しの夜は初めてじゃない?

:確かに

:ここまで暗いのな。

:敵性動物が狼しかいないとはいえ怖い


 いつ何が起きても反応できるように。

 幸い、月明かりが辺りを照らしており火がなくても周りが見える。


(餌とか置いといた方が良かったかな…?)


 そう思いながら、そもそも肉のために待っていることを思い出して少し呆れる。

 

(……いや、この場に餌はある)


 それは、ナナイ自身だった。

 背筋がヒヤリと凍り、思わずもう一度周囲を見回した。

 そして、この行動がナナイを助けることになる。


「GRRRRRR」

「はっ?!もう居たの?!」


:ミ゜ッ

:ジャンプスケアやめれ!!

:こわい


 茂みから転がり出す。

 バキバキ、と言う音と同時に狼が吠え、突進してきた。

 転がることでその突進を避けることができたナナイはどうにか距離を取ろうとする。


「ひゃあああ!近い近い!!」

「GRAAAAA!」


 だが狼も止まらずに突進してくる。

 当然のように距離は離れない。


「こわ!くぅ!投げる暇ないよ!」


:ドワーフじゃ狼からは逃げられねぇ…

:足が遅い…


 突進をどうにかいなして石礫を構えようとするが狼はそれを許さない。


「だあああ!もう!埒が明かない!」


 アイテムボックスから手斧を取り出す。


:そこで斧?!


「これでも喰らえ!!おおおおっらあっ!」


 逆手に持ち、切り上げるように振る。

 突進の勢いが乗っていた狼の顎をかちあげることに成功した。


「ここっ!」


 石礫を構える。


 リィン…


 光が宿り、鈴のような音を出した。それと同時に。


「【投擲】ッ!!」


 スキルの補正が乗り、痛みによろめいている狼の額に吸い込まれるように石が飛ぶ。


 パァンッ!


「KYAN!!」


 破裂するような音が鳴り、石は砕け狼の額からポリゴンの欠片が舞う。

 どうにか狼が動こうとするが、ナナイはそれを許さない。


「【投擲】ッ!!」


 手斧を投擲する。

 光の宿った斧は狼の脳天に突き刺さる。

 それを最後に、狼は倒れた。


「…よっ、しゃあ!!」


【Lvアップを確認。ステータスが上昇します】

【スキル【投擲】のレベルが上昇しました】

【威力、補正が上昇します】


「うぇ?」


━━━━━

name.ナナイ

Lv.1 → 2

species.土師族Lv.1

job.無職 Lv.1

strength.8 → 13

endurance.8

agility.5

dexterity.6 → 11

spell.10


passive skills

【道具作成】

active skills / 残Pt.7

【自然物鑑定】Lv.2 / 【伐採】Lv.1 / 【投擲】Lv.1 → 2

━━━━━


「めっちゃくちゃ上がった!すごい!」


:わっかりやすい上昇の仕方しとるw

:ものづくりと力仕事しかしてねえから筋力と器用さしか上がらねぇwww


 文字通り、経験しなければステータスにも反映されない。

 そんなゲームシステムを知ってか知らずか、ナナイは大喜びしている。


【スキル取得条件を達成。ポイントを消費しますか?使用Pt.1/残Pt.7】


「まただ!とりあえず取得!」


【【斧術】Lv.1を獲得しました。】


「やったあ!」


 諸手を上げて喜ぶナナイ。

 狼に刺さっている斧を回収する。


:畳み掛けてくるな!

:草

:急成長ワロタ


「Lvアップ重要すぎー!!やったー!あ、急いで焚き火を起こすよ!」


 大喜びしたあと、これ以上の獣が近寄ってこないように、焚き火を可能な限り速く起こす。

 辺りに火の粉が舞う中、次の課題は狼の死体をどうするかだ。


「えーっと…どうすんの!はい!」


:血抜きが定番よな


「…血?」


 頭からポリゴンを漏らしている狼の身体を見てから


「…えーっと、どうやるの?」


:首の血管を切って吊るすんよな?たしか

:割と重要


「うぇ…まあ、やるけどさあ」


 石ナイフで首を切る。

 吊るすためのものがないので仕方なく紐を数本束ねて縛り付ける。

 するとポリゴンがぽろぽろと地面に落ちていくのがわかった。


「これでいい?のかな?」


:血抜きが終わったら解体やね

:全年齢向けの解体がどうなってるのか

:私!気になります!


「…あ、内臓とかそこらの話ね?どうなってるんだろ…?」




 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。