5話
僕の前には大きな熊がいた。
『グォオヴウゥオォオオオオオ!!!』
こんなんどうしろって言うの?
とりあえず熊と会った時は見つめあってから後ろに下がるだっけ。
よーし、よーし、良い子だ。
つぶらな瞳が可愛いな。
…。
脱出成功。危ねぇなおい!!
はぁはぁ、思わず死ぬかと思った。
…。
…ふうっ、落ち着いた。
とりあえず聞き込みだ。
このままじゃ僕の冒険が終わってしまう。
ガシャンガシャン。
街の中に着いた。
よし、ここで聞き込みだ。
『熊?倒せるわけないだろ』
『大勢で倒すしかないんじゃない?』
『諦めるんだな』
え?皆こっち寄り?
熊を余裕で倒せるんじゃないの?
…嫌だけど王様に聞きに行ってみるか。
『また来たのか勇者様』
…なんだか塩対応だ!
『すみません…熊、怖いです…』
『なんだと、特技を使えば良いではないか?』
ん?特技?
『確か、シャイニングセイバーじゃったかの?アレじゃよアレ』
『すみません、使い方分からないです』
『しょうがないの。門番に聞けば分かると思うぞ』
『分かりました、聞いてみます』
城の門に来た、門番いるな。
『すみません、王様から貴方に聞けば特技を使えると言われたのですが』
『そうか…なら教えてやろう。極意をな』
なんか教えてもらえることになった。
『勇者、お前の名前はなんだ?』
『たかしです』
『たかし、特技を使うには『厨二力』が必要だ』
それ常識なんですね…。
『どう使えば良いのですか?』
『照れを捨て、シャイニングセイバーと言いながら技を繰り出せ』
『えっ?』
『その伝説の武器を使え、まずは試してみろ』
伝説の武器って、コレ?歯型ついてるよ?
『そう、それだ。まずは試してみろ』
『シャイニングセイバー!』
長ネギを振り下ろしながら、大声で叫んだ。
…。
しかし、何も起こらなかった。
『駄目だな、場所が悪い。着いてこい』
門番は城の外へ歩き出した。
門の仕事はいいのかな。
まあ、いい。ついていこう。
後を追いかけた。
『ここだ、ここでやれ』
『いや、ここは…』
ついた場所は広場だった、人も大勢いる。
『やれ』
『違う場所で…』
『やれ』
『…。はい』
誰も僕を見ないでくれ…。




