2話
『国王様、召喚に成功しました』
僕の目の前に大勢の黒ずくめの男たちがいた。
えーと。
これは。
現実?
とりあえず長ネギをかじる。
ガブっ。
うん。
ネギだ。
間違いなく現実だ。
『これは異世界転生ってやつか?』
…いや、僕は卒業したんだ。
なんで引き戻すんだよ。
なんか偉そうな人がこっちみてるし。
これは話しかけないと進まないパターンか?
『あの、すみません。ここどこですか?』
とりあえず、日本に戻して。
今から魔王を倒してきてとか言われそうだし。
『古の召喚術が成功したのか!これはすみません。勇者様』
はい、知ってた。
うん。
日本語も通じてるし。
『魔王軍がこの国を襲っているのです。この召喚で呼ばれた勇者様が魔王を倒すと言い伝えられています』
テンプレかよ、お前も卒業しろ。
『そう言われても、僕には出来ませんよ』
『いえ、勇者様には魔王を倒すための能力を授けられると言い伝えられています。ですから『ステータスオープン』と言ってくだされ』
え、これ言わなきゃなんないやつ?
駄目だ、キラキラした眼で見ている。
これやんないといけない奴だ。
『はぁ、ステータスオープン』
唱えると眩しい光と共に空中に文字が出た。
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種族名: 人間 個体名: たかし
攻撃力: 1000
体力: 1000
速さ: 1000
賢さ: 5
運: 5000
厨二力: 99999
特技: シャイニングセイバー
武器: 伝説の長ネギ
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おおっと周りから歓声が起こる。
なんだこれ。
背中がむずむずしてくる。
なんか心の奥から湧き出るものがある。
くそっ、静まれよ。漆黒の騎士…。
『あの、この数値はどうなんですか?』
『勇者様、凄い強さですよ!この国の一般市民の強さは大体全ステータス10くらいです。つまり、勇者様は100倍は強いということですぞ!』
つまり、この世界の住民は僕より2倍賢いということか。
『そしてなんと言っても伝説の武器をお持ちになっている。伝説の長ネギ…長ネギ…長ネギとはなんだ?』
『食べれますよ』
僕は長ネギをもう一回食べた。
やっぱりネギだ。
『えっ食べた?さ、さすが勇者様。私たちでは測れませんな。では、話もそこそこにして旅に出て欲しいのじゃ』
え?早くない?
『では50ゴールドを勇者様に、誰か。勇者様を外に案内しろ』
え、こういう時って歓迎パーティを開くんじゃないの?
僕、ここにきてネギしか食べてないよ?
うん。
城から追い出された、なんだこれ。
ブラックなところは現実じゃないか。
まあ、いい。
こういう時の定番は武器屋に行くべきだ。
テクテクテク。
武器屋についた。
扉を開ける。
『…何のようだ』
歓迎されてない。
『あの、装備を整えたくて』
『いくら持ってる?』
『50ゴールドなら』
『何も買えないぞ』
『えっ?』
『うちの商品は最低でも100ゴールドからだ』
え?僕って50ゴールドで旅に出されたんだけど…
『そのお金じゃ宿屋にも泊まれないぞ』
…………。
やりやがったなァ!!!!
俺を舐めるとどうなるのか思い知らせてやるゥ!!!!!!
僕は文句を言いに行くことに決めた。




