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ゴルン教異変編 希望の名の花

満月が満ちるミルース村の教会


「ぐ…!」


教会の外壁の壁をぶち抜いて、聖剣のレオを吹き飛ばされていた。大したダメージではないので、難なく着地するが、亀の怪人と剣士の怪人、二人の卑劣な猛攻に防戦一方になっていたレオは、とうとう教会にまで戦いの舞台を移してしまっていた


「ケケケ!!!ザマねぇなぁ!?聖剣の勇者様がよぉ!!」「おお!正義よ!この清らか地で、我が正義の剣を受けろぉぉぉ!!!」


剣士の怪人は訳の分からないことを言いながら、果敢にレオに剣で挑む。剣の実力自体は、大した事は無い、圧倒的にレオの方が技量も力も上回っている

しかし、剣士の剣を弾いて、反撃に移ろうとすると、絶妙なタイミングで串焼き屋の看板娘を石像にした盾を構える


「ぐ…またか!」


やむ得ず剣の軌道を逸らし、そして


「受けよ卑怯者ぉぉぉぉ!!正義のチェストォォォ!!」


頭部にまともに剣の突きの攻撃を叩き込まれる


「誰が…卑怯者だ!!」


レオは頭部の攻撃をまともに受けても、耐え、右手の盾を剣士の腹部に叩き込みカウンターを叩き込んで吹き飛ばす

剣士を教会の壁を叩きつけて壁が壊れるほどのかなりの一撃たが、怪人相手に有効では無く


「死ねぇ!」


間髪入れずに亀の怪人は、口からプラズマレーザーを撃ち込んでくる


「く…術式展開(シーケンス)!雪月花!飛槍!」


ムーンダイトに冷気をまとせ、突きの動作で冷気の斬撃波を飛ばしてプラズマレーザーを打ち消しながら、亀の怪人の頭部を消し飛ばす

しかし、頭部を飛ばした程度では止まらず、後ろを向き、甲羅の方をレオに向ける

そして、甲羅と胴体の隙間から複数のホーミングレーザーをレオに撃ち込んでくる


「またか!」


盾とムーンダイトで弾くが、狙いが曖昧なのか、あらゆる場所に着弾し、どんどん建物が

壊されていく


(このまま建物にも損害を出すと、地下室が倒壊する可能性もあり得る…!)


状況を打開するには、亀の怪人を倒すか動きを止めるしかない

しかし、レオは後ろを向いている、甲羅を向けている亀の怪人を攻撃出来ない理由があった


「ガハハハ!攻撃出来るものなら、やってみろ!出来る筈ないよな!?オレの甲羅についてる石像を!」


亀の怪人の甲羅にも、石像にされた魔族が3人、くっついていたのだ

剣士の怪人と亀の怪人、それぞれに女性の魔族、亀の怪人の甲羅には3人の魔族

計5人名が人質に取られている形であり、レオは攻めあぐねていた

半端な攻撃では怪人の再生能力の前では意味を成さない


(だからと言って、人質を無視した攻撃も出来ない…!)


亀の怪人のホーミングレーザーの連射攻撃波止まらず、レオは守りに徹するしかなかった

人質の安否を考慮しなければ、レオなら怪人2体相手でも勝てる。しかし、彼女にそんなことは出来ない

そうしてる間に剣士の怪人も復帰し、亀の怪人の横に立ち


「受けよ!正義の力を!」


剣士の怪人も斬撃波でレオに攻撃してくる

斬撃波とホーミングレーザーの連射攻撃、レオの方向にデタラメな方向に撃ちまくっている為、教会はさらにボロボロになっていき


(まずいまずい…!!このままじゃ!それにあの様子じゃ、地下室も人形使いの怪人が侵入している!翠様、アヤメ…子供達が危ないのに!!)


レオの焦りの気持ちは頂点に達していた。しかし迂闊な攻撃が出来ずにおり


「トドメをさしてやる!」「受けよ!正義の徹底を!」


頭部を完全に復活させた亀の怪人は、口を開き、プラズマレーザーを

剣士の怪人もありたっけの力を込めた斬撃波をレオに放つ


「く!?よりよってこんな場所で!?」


レオの後ろには祭壇が破壊され、地下室の階段の入り口がある

ここでレオが打ち負ければ、地下室ごと吹き飛ばしかかねず、レオのムーンダイトの最大出力の剣技、月光閃の斬撃波を放って、相殺した所で、その反動で教会は倒壊する可能性が極めて高い。もはやレオには選択が無い


(私には、誰も救えず、誰も助けることが出来ないというの…!?)


身構えつつも、迫りくる攻撃に絶望するレオ


「術式展開(シーケンス)、プロテクション」


絶望していたレオの目の前に、温かな光の壁が展開され、プラズマレーザーと斬撃波を完全に防ぎ切った


「ぬ!?」「なんと!?我が正義の一撃が!?」


あらゆる防壁魔法の中でも、トップクラスの防御魔法のプロテクション。レオも、怪人達も初めて見るものだっただけに強烈な一撃を完全に防ぎ切ったこの魔法に、驚きを隠せなかった


「この時代の勇者様も初めて見るのかな?でも、間に合ったようね」


神官魔法プロテクションを使った者が、地下室の階段から足音を立てながら、レオの背後から現れ


「生命波動(シーケンス)、ホワイト・ガーデン・ローズ」


続けさまに、教会の床一帯を白い薔薇で埋め尽くした


「なんだ?薔薇?」「おお!?なんと汚らわしいモノだ!!」


白い薔薇の絨毯に、亀の怪人は困惑し、剣士の怪人は汚らわしいものとして蹴り飛ばしたり、踏みつぶすが、踏んでも蹴り飛ばしても白い薔薇は次々の生える


「お気に召さなかったかしら?まあ、いい」


ベルトを付けて、地下室から出てきたアヤメの姿を見たレオは、瞬時に気付いた


「…もしかして、アイリス様?」

「流石ね勇者様。少しアヤメの体を借りているの」


人形使いの怪人が潜入した地下室から、無傷で出て来たアイリスに、先程の焦りの感情と思考のせいで、レオは状況を把握しきれておらず、困惑していた。アイリスはレオの方を向きながら


「安心して、人形使いは倒した。子供達も、翠様も無事よ…後は」


二体の怪人に向けて、アイリスは宣戦布告する


「この悪族を倒す…アヤメ、見ていなさい。これがアイリス・クローズ、生命のクラブがあなたに最後に教えられる、十二騎士としての戦いを…!」

(わかりました!アイリス様)


アイリスはベルトを操作し、起動させ


「キャストアップ!変身!!」


ベルトが、二人の怪人怯ませるような眩い光を放ち、光がアイリスの体を包む

それは、妖魔大戦時代、数多の妖魔を魂ごと燃やし尽くした聖職者

それは、妖魔大戦時代、あまりの能力故に、魔法界の歴史から隠された術の使い手

それは、この時代に新たな使い手と共に蘇る

その魔装鎧は、黒を基調に白いラインが入ったデザインであり、フルヘイムのバイザーの上にフードを被っている姿であり、聖職者、神官を彷彿させるような姿であった


「十二騎士が一人、生命の…いや、この名前は今の私達に相応しくない」


クラブは咳払いして、言い直す


「十二騎士が一人、花のクラブ…!主よ、今一度、許されざる悪に殺戮を行うことを…どうか、お許しください」


フードを降ろし、臨戦態勢になるクラブ。十二騎士がもう一人増えた事実、だが怪人の二人は余裕を見せる


「フン!もう一人増えたところで、これさえあればお前たちは何も出来まい!」

「おお!これが我が正義の盾よ!!」


二人の怪人は石像の盾をクラブにも見せつける。この盾がある限りに、迂闊な攻撃が出来ない。そう踏んでいるし、実際にレオはそうそう手が出せなかった


「アイリス様、あの盾を何とかしないと…」

「わかっています、勇者様。状況は把握しています。そして、もう手筈は打ってます」


クラブは強い魔力反応を出し


「なら、その卑劣な盾…返してもらう。”魂よ肉体よ、正しき姿に戻れ”生命波動、リターナ・レクエイム」


クラブが魔法を発動させると、教会の床一帯に生えた白い薔薇が花びらを教会中に舞散らし、そして花びらが温かな光を放つ反応を起こすと

石像にされた人たちが、瞬時に元に戻り、二人の怪人から解放され、倒れ込んだ


「な!?盾が!?甲羅が!?」「我が正義の盾が!?」


二人の怪人は一体何が起きたか分からなかった。まさか石化が解除されるとは思ってもみなかったらしい

人質が解放された、その事実に気づき、そして瞬時に判断し

レオは石像が無くなった盾を、剣士の怪人に最大全速でムーンダイトで勢いよく突き


「ぐあああぁぁぁ!!」


ムーンダイトの突きで盾を構えていた剣士の怪人の腕ごと盾も粉砕し


「くらえ!」


続けざまにサマーソルトキックを叩き込み、教会の屋根をぶち破って、剣士を上空に蹴り飛ばした


「勇者様!そちらはお任せします!私はこちらの大きいのを!」

「わかった!」


レオは右手の盾を投げ捨て、上空に上昇し、剣士の怪人を追撃をする

人質を解放された亀の怪人は


「こうなれば!」


近くに倒れている石化から解放された魔族の女性を掴もうとしたが

亀の怪人の側面から、轟音と共に強烈な砲撃をまともに受ける


「ぐああああああ!!?!?」


砲撃の威力は、亀の怪人の巨体を教会の外、孤児院の庭まで吹き飛ばされて無様に転がる


「へへ…してやったわ…!」

「レイアちゃん!」


フルヘイムのバイザーが割れて、ボロボロの魔装鎧を纏いながらも無理矢理フルドライブを起動させて、威力を底上げした大砲の一撃を叩き込み、一矢報いたことにレイアは微笑んでいた…が、すぐに膝を付く


「く…少し、無理し過ぎた…か…」


クラブは、回復させようとレイアの元に向かおうとしたが


「アイリス様!この人達は任せて、あの怪人を!私なら大丈夫ですから!」


レイアは全身がまだ痛みが走っている、必死なやせ我慢であったが、お互いにやるべきこと、成すべきことの優先順位を考え

クラブに亀の怪人を打倒した方が、より安全と判断したのであった。本当は治癒魔法をかけて欲しいのを歯を食いしばって我慢して

クラブは、レイアの気持ちを汲み取り


「ありがとう、ライブラのお孫さん!」


クラブは亀の怪人と対峙する

そして、空にはレオと剣士の怪人が

花のクラブの基本スペック


パンチ力 約10トン


キック力 約30トン


最高速度(空戦時)マッハ2.0


生命波動を扱うことを前提とした少し特殊な仕様な魔装鎧であり

アヤメとアイリス以外では性能が発揮しづらい

主に神官魔法と植物魔法、そして生命波動の魔法を扱う


アヤメの生命波動は、植物魔法を介することで本領を発揮し、生命力を与えてより強力かつ強度と生命力の高い植物を生み出すことが出来る

逆にアイリスが使っていた生命波動の攻撃手段がほとんど使えない(相手の魂を分離される等)

アイリスとアヤメとの生命波動の性質が違うことに気付いたアイリスは、2年かけてアヤメと共に植物魔法を介した生命波動の魔法の使い方を模索、開拓させ、練習を重ねていた

アイリスが主人格の状態でも植物魔法を使えるのは、この練習のおかげ


生命波動による魔法の一例


青い薔薇 ”ブルーローズ”

生命波動の魂の炎を封じ込めた薔薇であり、薔薇そのものを刺すか、花びらを相手に刺し込むことで引火させて、妖魔の力を持つ者の肉体と魂、プラズマエネルギーごと燃やし尽くす


白い薔薇 ”ホワイト・ローズ”

主に、呪いや状態異常や毒を癒す魔法と併用し、大概この魔法で癒せないものが無い


生命波動の略式詠唱の際は、術式展開とどうように”シーケンス”と呼ぶ


生命波動にも弱点があり、妖魔の力を持つ者には一方的なアドバンテージがあるが、それ以外には対策されれば簡単に防ぐことも出来る

そして、生命波動は魔力消費が激しいというデメリットもある

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