ステージ2-1 銀髪の魔導師
気になる人が出てきます。
ちょっと早すぎたかな?
パーティー画面を見るとまだ私以外ログインしていなかった。
まぁ、あとでみんな来るって言ってたし散策でもして待っていよう。
思っていた通り、街に花火が上がっていた。
「きれいだなー」
思わず呟いてしまい、私のアバターの上に吹き出しが出た。
うっかりしゃべっちゃいそうだからマイクをオフにしておこう。
城下町を散策していたら首都の東側に出た。
そこに綺麗な湖があった。
水面がキラキラ光るエフェクトがかかっていて、とても綺麗。
入り組んだ道からここに出たためか人気が無い。
それにここはもう城下町ではなくフィールドのようだ。
敵にエンカウントしたら大変…!
すぐ引き返そう、そう思い街へ戻ろうとしたら視界に人影が入り込んだ。
あれ?あの人…さっき見かけた人だ。一人かな?
シュリマの洞穴の前で見かけた男魔導師さんが湖のほとりに立っていた。
銀色の髪が風に揺れエフェクトと相まってとても綺麗…。
近くに騎士さんたちの姿は見えない。何してるんだろう?
次の瞬間、魔導師さんがいる後ろの茂みから
アバターの大きさ2倍ほどのビッグベアが現れた!!
危ない!!魔導師さんはビッグベアの不意打ちの攻撃をギリギリで避けた。
あの大きな爪でひっかかれたら大ダメージは避けられない!!
「シールド!!!」
私は魔導師さんにシールドをかけた。
シールドでビックベアの攻撃を防ぎきれるかは
魔導師さんのHPと防御力次第だけど、シールドがないより良いはず!!
パーティーメンバー以外に魔法をかけるときは
カーソルをかけたい人に合わせてスキルを使う。
説明解説読んでおいてよかった‼
「シャイン‼」
続いてシャインをかけた。
洞穴でレベルがあがったのでシャインのレベルを
5から7まで上げた。だからステータス上昇+70だ!
魔導師さんはビックベアの攻撃をすばやく避けながら詠唱をしていた。
そして私は詠唱が終わるタイミングで小指で机に触れた。
「ダブル!!!」
ダブルのスキルを魔導師さんにかけた。
これは次に放つ攻撃のダメージが2倍になるスキルだ。
「ダイヤモンドダスト!!!!」
鋭い氷の粒がビックベアに降り注いだ。
キラキラと光っていて神秘的で綺麗な魔法だ。
魔導師さんは氷系の大技を出し、ドスっと大きな音がしてビッグベアが倒れた。
キラっと魔導師さんが光った。レベルが上がったのだ。
「ありがとう。助かったよ」
魔導師さんに声をかけられた!!
急いでさっきオフにしたマイクをオンにした。
戦ってる時はただただ必死に支援してたから大丈夫だったんだけど、
戦闘が終わって落ち着くとなんだか話すの緊張しちゃう!
だってめっちゃ綺麗でかっこいい人なんだもん…!
「い、いえ!支援職なので!!とても強いんですね!
大魔法すっごく綺麗でした!レベルアップおめでとうございます!」
「はは、ありがとう。おかげでレベルがあがったよ。
支援上手だね。俺はロゼ、君は?」
「あ、ありがとうございます…! 私はルリです!!」
「ルリ…ね。よろしく。今倒したビッグベアは
このフィールドに一日一回しか出現しないボスなんだ。
ボスって言ってもダンジョンにいるボスクラスじゃなくて
中ボス程度の強さだけどね。」
なんだろ…?
ロゼさんが私の名前を言った後、
文字が表示されるのがやや遅かった。
ラグかな??
それよりさっきのビックベア中ボスだったんだ!
「中ボス!!そんなモンスターを一撃で倒すなんてロゼさんすごいです!!」
「君の支援のおかげだけだよ。
俺一人だったら避けきれずに詠唱を止められていたかもしれないし、
それにシールドとダブルもしてくれたしね。
それにしても初日にダブルを取ってるなんて驚いたよ。
消費スキルポイントが多いのによく取ったね」
「使えるスキルだと思ったので早めに覚えました…!」
そうなんです。
ダブルを覚えるのにはスキルポイントを一気に5も消費する。
シャインを上げるかシールドをあげるか、ヒールか、
もしくはリセットでは治せない状態異常を治すスキルか迷ったけど、
ダブルの効果が魅力的だったから
スキルポイントをすべて振らずに残しておいて
ポイントを5個貯めてダブルを覚えたのだ!
スキルやステータスはアイテムを使えば振り直せるけど、
”味変の香辛料”を買うにはまだリルが全然足りないから
慎重に考えながら割り振らないと。
私がそう言うとロゼさんは
「いい判断だと思うよ」と言ってニコっと微笑んだ。
役に立ったんだ!嬉しい!
「ロゼさんこそ、まだ初日なのにとても強いですよね!
それに一日一回しか出ないビッグベアに遭遇するなんて!!」
「まぁ、それは…色々とね」
?なんだろ?色々?
「ねぇ、よかったらフレンド登録しない?」
「え!!いいんですか!!嬉しいです!!是非!!!」
ロゼさんが私に手をかざした。
そういえばフレンド登録ってどうやるんだろう。
まだパーティーメンバーともフレンド登録をしてない。
説明解説を見ようとウィンドウを開こうとしたら
「俺の手に君の手をかざして」
と言われ、言われた通りロゼさんの手に合わせるように手をかざした。
わーなんだかドキドキしちゃうなこれ。
ーロゼさんとフレンドになりましたー
「俺が君のフレンド登録第一号ってことかな?
これでお互いログインしてたら話せるね。」
「はい!!」
フレンド欄に「ロゼ」と表示された。
ひゃあー!!めっちゃ強い、しかもめっちゃかっこいい人と
フレンド登録しちゃったよ!!大興奮!!
フレンドと話すには、フレンド欄から話したい人をタップして話す。
「あ、それとこれ。あげるよ」
ロゼさんの手には、かわいい小さな白い貝殻のイヤリングが1つ乗っていた。
「これは?」
「今倒したビックベアが落としたアクセサリーだよ。
装備するとHPが30%上昇する」
「30%も!!すごい!でもこれレアアイテムですよね!?
いただけません!30%上昇なんて絶対高価な物ですし!!」
「そうだね、絶対ドロップするわけじゃないし効果も良いから、
いらないなら高値で売れると思うよ。
でも支援が倒れたらみんなを守れないし、
いざって時に君が倒れていたらパーティーを蘇生できないよね。
HPが高い方がいいと思うけど。
それに俺だけ経験値もらっちゃったしね」
いらないわけない!
そして支援はHPが高い方がいい、は私も同じ考えです!!
防御を上げるとHPも上昇する。
なのでステータスは防御を中心に上げるようにしている。
前にも話したけど防御力があれば
敵からダメージを受けても痛くない。
それにシールドは敵から受けるダメージをすべて防いでくれるわけではない。
シールドのレベルだけでなく、
アバターのHPと防御が高いとシールドの強度が増すのだ。
つまりいくらレベルが高いシールドを張っても、
HPや防御が低い状態で強い敵の攻撃を受けたら
ダメージを防ぎ切れずにシールドを破られてダメージを受けてやられてしまう。
防御とHPが高ければシールドがダメージを軽減してくれるので
ノーダメ、もしくは軽傷で済む。
ちなみに軽傷程度なら魔導師の詠唱を止められることはない。
中、大ダメージだと詠唱が中断されてしまうのだ。
だから支援職だけではなく、どの職もシールドを張った時に強度が増すので
HPと防御は高い方がいい。
安易にシールドがあるから大丈夫!と
レベルが低いのに強い敵に挑むのは危険というわけである。
でもロゼさんはビックベアの攻撃を避けながら詠唱を唱えていて、
一回もシールドで防いでなかったんだよね。
私がかけたシャインで、すばやさが+70上がっていたにしても、
戦闘になったらその戦い方してる感じがした。
「支援してくれたお礼だから、遠慮なく受け取って。
それと、ここはもう街の外だから一人じゃ危ないよ。
早く街に戻った方がいい。じゃあ、またね」
私の手にポンっとイヤリングを乗せてロゼさんはログアウトした。
フレンドもパーティー同様、ログアウトすると名前の表示が薄くなる。
急いで街まで引き返し、空いてるベンチに腰かけた。
ふぅー…さっきのビックベア、迫力あったな。
アイテム一覧からさっきロゼさんからもらったイヤリングを選択し、
説明を読んでみた。
※小さな白い貝殻のイヤリング
女の子が落としたイヤリング。
ビッグベアが拾ったが女の子はビックベアの姿を見て
驚いて逃げてしまったため返せなかったイヤリング。
装備するとHPが30%上昇する。左右どちらの耳にもつけられる。
森のくまさんの歌詞に出てきたイヤリングかな????
さっそく右耳につけてみた。
長めのチェーンの先に白い巻貝がついている。
動くと揺れてかわいい!!
HPの表示をみるとHPが上昇している!!
わー!一気にHP増えちゃった‼
私が倒したわけじゃないし、
ロゼさんとパーティーを組んでいたわけではないので
私には経験値は入らなかった。
入ってたらどれくらい経験値がもらえていただろう??
ロゼさんが何レベルかはわからないけど、
強いロゼさんのレベルが上がったほどだったから、
そうとう経験値多いんだろうなー。ちょっと気になる…!!
ああ!!累さんがいたら鑑定で経験値わかるのにー!
気になると言えばロゼさんは1人で何してたんだろう?
聞きそびれちゃった。
次回、まだβテスト初日ですが次のダンジョンへ行きます。
そこでドキドキな展開が起きます。




