ステージ5-6 うっせー!!テンプレでしゃべんな!!!
宝箱の中は…?
さぁ、今日はダハニア遺跡へ!!
試験があったり、バイトがあったりで、
このところ長い時間ゲームができてなかったから
ダンジョンに入るの久々だなー!
しばらくレベル上げができなかったのでまだレベルは33のまま。
βテスト終了までにレベルいくつまで上げられるかなぁー…?
私たちは「レベル30以上から」と表示された入口の前に来た。
ーダハニア遺跡(ミッションレベル3)
遺跡の探索(レベル30以上から)ー
今回のミッションにはボス名は出てなかった。
ボスいないのかな?
累「よし、入るぞ」
私たちは累さんに続いて一列になって入っていく。
今回も、レオくんは一番後ろ…。
なんだか、私より累さんの方がパーティーリーダーっぽい。
みんなのお兄さんみたいで、頼りになる!
中は迷路でもなく、分かれ道になっているわけでもなく
ただただ、まっすぐ道が続いていた。
ダンジョンの中でまっすぐ進むだけって、かえって怪しい…。
何かあるんじゃないかと疑いたくなる。
大きな岩が落ちてきて転がってきたり?
上からたくさんの槍が出てきたりとか。
トラップがあるかもしれないから、ゆっくりゆっくりと奥へ進むと…
レオ「あ!!宝箱!!」
前方に宝箱を見つけた。
レオくんが列から抜け、宝箱に近づき開けようとしたら、
累さんに止められた。
累「待てレオ!!まだ開けるな!!」
レオ「なんで…??」
累さんは宝箱に近づき、手をかざした。
累「サーチ!!」
すると…
ーボンッ!!
と音が鳴り、宝箱から手足が生え、
パカーと開いた宝箱の蓋にはギザギザの歯がついていた。
シャル「ミミック!!」
ミミック!!宝箱の形をしたモンスターだ!!
ルリ「累さん、サーチを使ってくれてありがとう!」
累「おう!次ダハニア遺跡へ行く前までに
習得しておこうと思ってさっき覚えた!」
ー説明解説ー
サーチ…商人のスキル。
宝箱がミミックかどうか、
トラップが仕掛けられていないか確認できる。
スキル使用者のレベルが30以上の場合、
鍵がかかった宝箱を開錠することができる。
累「鑑定!!ダハニア遺跡のミミック。
HP7000。獲得経験値5000。弱点、舌。」
ルリ「舌?」
見るとミミックは蓋からびろーんと大きな舌を出し入れしていた。
連「っは!!」
連くんが瞬時にミミックの舌に剣を突き刺し、箱に戻らないようにした。
レオ「おお!連ナイス!!」
ルリ「シャイン!!ダブル!!ありがとう連くん!!」
弱点が「舌」って指定されてるパターンは初めてだけど、
つまり何でもいいから舌に攻撃するってことなんだよね?
出し入れできないようにしちゃえばこっちのもの!!
私たちはミミックに総攻撃した…!!
すると…HPが尽きたミミックが消え、
ジャラジャラジャラ…と音が鳴ったと思うと
目の前にたくさんのリルが出現した!!
レオ「すげーーー!!」
累「拾うの大変だな。」
レオ「あー…リアルもこんなにお金あったらなぁ」
手分けしてリルを拾い集め、累さんに渡した。
私たちは200,000リル(20万リル)を手に入れた!!
ミミックいいね!!また出現しないかなー!なんて思っちゃう!
さらに奥まで進むと…。
累「なんだ…これ?宝箱…だよな?」
レオ「でっかー…何が入ってるんだ…?」
シャル「開けるのが大変そうですね」
例えるなら、普通車くらいの大きさかな?
大きな宝箱が道の半分以上を塞いでいた。
累「罠だろこれ。さぁ、開けてトラップにかかってくださいってか?」
連「レオ、開けるな」
レオ「う…」
レオくんがまたもや宝箱を開けようとしたので、連くんが止めた。
累「サーチ!!トラップはないみたいだな。
明らかに怪しいからあると思ったのに」
ーガチャリ。
宝箱から、開錠した音が聞こえた。
シャル「鍵がかかっていたみたいですね。
サーチは開錠もできるので便利ですね」
累「だな。サーチしたし、もう大丈夫だろう」
鍵がかかっている宝箱は商人のスキル「サーチ」がないと
開錠できない仕様になっているみたい!
冒険に商人も必要不可欠だね!
蓋が重たそうだったので、累さんとレオくんに開けてもらった。
中を覗いてみると…?
ルリ「……?真っ暗…?」
宝箱の中はただ黒くなっているだけで、
中身があるかも、空かもわからなかった。
手を入れたら何か掴めるかな…?と思い、
私は宝箱の中に片手を伸ばした。
すると…
ルリ「わ!!!」
累「ルリ!!!」
私は宝箱の中に吸い込まれてしまった!!
私の腕を掴んだ累さんまで宝箱の中に入ってしまったのだった。
吸い込まれた後、シャルくんたちが私と累さんを呼ぶ声が聞こえたけど
蓋が閉じてしまったようで、声が聞こえなくなってしまった…。
ー転送しますー
転送??どこに!?
累「大丈夫か?ルリ」
ルリ「うん…。ごめんね、私が手を入れたから…」
累「いや、ルリがやってなかったら俺がやってた」
私たちは辺りを見回した。
ルリ「ここは…?」
そこには小さな家がいくつかあった。どうやら村のよう。
突然人が現れた光景を見た村人たちは驚いた表情をしていた。
ピコンとトークトークの通知音が鳴ったので、
画面を切り替えた。
―――「トークトーク画面」――――――
『βテスターズ』
シャル:ルリ!!累さん!!大丈夫ですか!!
ルリ:うん!2人とも無事だよ!
シャル:よかった…。
累:なんか、村にいる
レオ:村??
連:宝箱、開かなくなった。
累:だろうな。きっとイベントだわ。
イベントをクリアしたら開くと思うぜ。
シャル:なるほど…。くれぐれも気を付けて。
ルリ:ありがとう!!
――――――――――――――――――――
再びゲーム画面に戻り、右上に表示されている緑色の星をタップしてみた。
ーダハニア遺跡(ミッションレベル3)
大宝箱イベント「村を救え」(レベル30以上)ー
あれ?ミッション名じゃなくて、イベント名になってる!!
やっぱり累さんが言ってたように、私たちはイベントの真っ最中みたい。
この大宝箱のイベントは、パーティーメンバーに商人がいて、
なおかつ、サーチで宝箱を開けないとできないイベントみたいだね。
本当、パーティー要素が多いゲームでわくわくする!
村人をかき分けながら村長(NPC)が出てきて、
私たちに話しかけてきた。
ーお待ちしておりました!!
そのお姿、冒険者様とお見受けいたします。
どうか、どうかこの村をお救いください!!ー
村長は累さんの手を握って言った。
累「じじいに手ぇ握られてもな…。
お救いくださいって…一体何があったんだ??」
ーこの村は魔物に支配されているのです。
魔物の要求に逆らえば、村人全員魔物に殺されてしまいますー
ルリ「その魔物の要求はなに?」
ー生贄です。
累「ベタだなぁ…。さっさとイベント終わらせて、戻ろうぜ?」
村長が指定した家まで行くと…。
ー冒険者様こちらです。ー
そこは若い女性の村人の家だった。
村長の話だと、今度の生贄はこの女性で、
私たちはこの人の代わりに生贄として魔物のところへ行き、
魔物の討伐をして欲しいらしい。
ルリ「何か事前にやることとかあるのかな?」
ーはい!こちらへー
私と累さんは、その女性の家の中に入った。
部屋に入ると、ドレスラックにウェディングドレスのような
肩が開いている真っ白なドレスが吊るしてあった。
ルリ「わぁ…綺麗…」
ーこちらが生贄が着る衣装です。
冒険者様にはこちらを着ていただき魔物を欺き
討伐をしていただきたいのです。ー
累「は?生贄がこんなドレス着んの?戦いにくそうだな」
ーはい。魔物は村の若い女を結婚相手にし、
婚儀が終わると食べてしまうのですー
累「うわ…まじか…で、この衣装を着ろと…」
5分後。
累「………」
着替えを終えた累さんが、NPCと一緒に隣の部屋から出てきた。
ルリ「累さん、綺麗!!素敵!!似合ってるよーー!!」
私はめいっぱい拍手をした!
ーお似合いですよー
累「うっせー!!テンプレでしゃべんな!!!」
累さんはNPCの定型文に切れていた。
ロゼさんがアクセサリー店や宿屋で、
NPCに話しかけて進行していたように、
このゲームのNPCとの会話は、
こちらがしゃべった言葉をAIが判断し、受け答えしてくれる。
もちろん、選択肢で選択して進めることもできるよ!
慣れちゃうと、会話で進めた方が楽だなーとは思う!
ただ、あらかじめ決められた文(定型文)で
受け答えすることもあります…!
返す言葉に困った時とかね。
累さん、肩幅あるからめっちゃガタイがいい新婦さんだなぁ。
強そう。
これはあとでみんなに見せたいな。スクショを撮っておこう。
累「おい、これぜってー俺じゃねぇって!!ルリ、お前が着ろよ!!」
ルリ「えぇ…累さん似合ってるよ?」
累「んなわけねぇだろ!!こんな、ごつい新婦なんて一発でバレるわ!!」
累さんはドスドスと足音を立てながら、
着替えをしていた部屋に戻っていき、
そして元の服を着て部屋から出てきて、私にドレスを突きつけた。
累「ほら、ルリ。」
これはもう、着てくれなそうだな…。
でも着ないとイベント進行しなそうだしなぁ。仕方ない…。
ー冒険者様こちらへー
私は累さんからドレスを受け取り、今度は私が着替えの部屋に入った。
鏡の前に立つとNPCが着替えるのを手伝ってくれた。
私が聖職者(男)の服を脱ぎ、
NPCに渡すと彼女は何故か嬉しそうに言った。
ーあら!女性だったんですね?ー
その後、NPCがノリノリで私にドレス着させ、お化粧を施してくれた。
「あのー…あまり胸を目立たせないようにして欲しいんだけど…」
ーせっかくありますのにぃ…ー
NPCはとても残念そうに言った。
数分後…。
ーできましたわ!!なんて綺麗なんでしょう…ー
NPCがうっとりしながら言った。
そんなに…?私は視点をFPⅤからTPⅤに切り替えてみた。
このゲームはFPVでプレイしたり、
TPSに切り替えたりできる。
没入したい時はFPVで自分視点から、
自分のアバターが仲間と一緒にいるのを見たい時は
TPSに切り替えるとより楽しめる!
自分のアバターを見て愛でることもできちゃう!
切り替えたいときは、利き手じゃない方の親指と人差し指で
同時に机を軽くタップする。
わぁ…確かに綺麗…かわいい…。
せっかくだし、これも記念にスクショを撮っておこう。
って、これ完全に女の子だな…大丈夫かな…。
まぁでも累さんなら
「終わったか?んじゃ、さっさと討伐行くぞ」
とか言って流してくれそうかも…?
って思ってたけど、思っていた反応と少し違っていた。
ーお待たせしました。ー
NPCの言葉を聞いて、累さんが部屋に入ってきた。
累「やっと終わったか。思ったより時間かか……」
ルリ「待たせてごめんね。
NPCがあれこれやり始めちゃって…。累さん?」
累さんは、じーっと私を見つめていた。
累「ルリ…だよな?」
ルリ「そ、そうだけど…」
私じゃないと思ったのかな?まぁ、ドレス姿だし無理もないか。
ルリ「どう…かな…?変じゃない…?」
累「っ!!あ、あぁ…」
私がもう一度話しかけると、累さんはハッとした反応をして
バツが悪そうに頭をかいていた。
私の横でNPCが何やらニヤニヤしていた。
どうやら相当満足のいく出来だったみたい。
ルリ「よかったー…これで魔物を討伐しに行けるね!」
累「……ルリ」
累さんは何か決心したような表情になったかと思うと、
私に近づき、私の頬に手を当てた…!?
ドレスを着たルリを見た累は…?




