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ステージ4-4 今日は俺に付き合ってくれない?

ルリが連絡した人物は…?

あ…いる。

フレンドウィンドウを見ると「ロゼ」さんの名前だけが色濃く表示されていた。

パーティーメンバーとニーナはまだログインしていなかった。


なんて…声をかけよう。

本当に、私からの連絡を待ってるのかな…?


とりあえず…挨拶だけでも・・・?

私はフレンドウィンドウの「ロゼ」さんをタップした。

そうすると、目の前にいなくてもメッセージを送ることができる。


ルリ『こんにちは!!ルリです。先日はありがとうございました!』

すると、すぐ返事が返ってきた…!

ロゼ『こんにちは。あれから連絡がなかったから

   プレゼントが気に入らなかったのかと思ったよ』

ルリ『そんな!!ずっと付けてます!HPが増えてとても助かってます!!』

ロゼ『そう。それならよかった。今、どこにいるの?』

ルリ『商いの都、バルドです』

ロゼ『わかった』


わかった…?もしかしてロゼさんこっちに来るの!?

ロゼ『着いた。バルドのどこ?』

ロゼさんは魔導師のスキル「ワープ」ですぐ街まで移動できる。


ルリ『えっと…中心部から裏路地に入った所にある、

   ログハウスのような赤い屋根の家です。』

私は家から出て、玄関の前に立った。


「ここが、君たちのたまり場?」

私が玄関へ出ると、すぐにロゼさんが現れた。

ロゼさんは、私に会うと全体トークへ切り替えた。

歩くの速い…!

そうだ!ロゼさんってビッグベアの攻撃を避けながら詠唱してたよね。

すばやさが高いから、歩くのが速いんだ。連くんと一緒だ!


銀色の長めの髪がサラサラと揺れている。やっぱり綺麗…。

そして前もそうだったけど、いかにも高そうな装備品を纏っていた。

ロングコートについている装飾品は、

きっとそれぞれ何か効果があるものなんだろうな。


「入ってもいいかな?」

「あ、はい!!どうぞ…!!」

私とロゼさんは家の中へ入った。

家に「使用中」の文字が表示された。


「本当だ。俺が送ったイヤリング付けてくれてるんだね。嬉しいよ」

「は、はい!!とても気に入っています!!」

効果がいいし、それにすごく可愛いし…!


「そっか。よかった。どう?レベルは上がった?」

ロゼさんは椅子に座りながら私に問いかけた。

「え、えっと…!!今レベル12です!」

「そんな緊張しないで。君たちのたまり場なんだから、座りなよ」

ド・ド・ド緊張です。

目の前にめっちゃ強い魔導師さんがいるんだもの…。

でも立ったままじゃ、ロゼさんも落ち着かないよね。

私も椅子に座ろう。私はロゼさんと向かい合うように椅子に腰かけた。


「まだパーティーメンバーはログインしてないの?」

ロゼさんが部屋を見回しながら言った。

「はい…!まだ私だけです。」

「そう」とロゼさんは短く返事をした。


そうそう!

以前から、「頷いた」「空を見上げた」「横を向いた」とか、

頭を動かす表現があったと思うけど、

これは自分の頭を動かすとスマートコンタクトレンズが動きを感知して

アバターの頭を動かしているの。

頭を動かすと、ゲームの視界が変わり、いろんな所が見えるんだ!

リングだけじゃなく、スマートコンタクトレンズも

リアルと動作が連動してるんだよ!

もちろん、利き手じゃない方の手につけているリングでも

アングルを変えることができるよ!


「フロートは覚えてる?」

「はい!!」

少し考えたような仕草をしたロゼさんは、その後私の方を向きこう言った。



「じゃあさ、今日は俺に付き合ってくれない?」



「え!?」

ロゼさんは椅子から立ち上がり私の前まで来ると、

跪き私の手を取った。

「いいかな?」


「は…はい!!」

私は突然の出来事に、反射的にそう返事をするしかなかった。

何…!?ロゼさんからキラキラなエフェクト出てない!?

そう見えるだけ!?すごく王子様っぽい…!!!


「じゃあ行こうか」とロゼさんが言ったので私は立ち上がった。

ロゼさんは私の手を握ったまま「ワープ」を使った。

ど…どこ行くんだろう…!!



着いたのはまだ行ったことがない街だった。

その街は周りを高い山で囲まれていた。

家は白に統一されていて、清潔感のある街並みだった。

そしてプレイヤーが全然いない。

ここはどこだろう?マップを開いてみた。


マップの中心に首都である王都「オルセリア」がある。

そこから東方向に、さっきまでいた商い都市バルドと、港の町ポポルトがある。

首都から南東方向にはオアシスの街ダジルがある。


私がいるのはマップの西端にある「鉱石の街シルビア」という街だった。

ロゼさんは私から手を離し、街の説明をしてくれた。


「この街は飛行船や船では行くことができないんだ。

 フィールドを移動してたどり着かないといけない。

 でも、ここへ来るまでに多くの強い敵と遭遇するから、

 ゲームを始めたばかりのプレイヤーは、まだここへは来られないかな」


「ロゼさんはパーティーのみなさんとここまで来たんですか!?」

ロゼさんは微笑むだけで答えてはくれなかった。


『ゲームを始めたばかりのプレイヤーは、まだここへは来られない』

って…ロゼさんはこのゲームを始めたばかりではないってこと…?

βテスト前からいるってことなのかな…?


(βテストが始まってまだ数日なのに、どうしてそんなに強いんですか?)

(ビッグベアと遭遇した日、何故1人だったんですか?)

(いつからゲームをしているんですか?)

聞きたいことがいっぱいある。聞いていいかな…。


私の様子を察したロゼさんがこう言った。

「ごめんね、まだ君の質問には答えられないんだ。

 いずれ話すよ。さぁ、こっち」

そっか…。今は何か事情があって話せないみたい。

ロゼさんが歩き出したので私も後を追った。


でも…。


は、速い…!やっぱりロゼさん歩くのすっごく速いよ!!

フロートとシャインを使おう…。

じゃないと置いていかれちゃう!!

遅いなって思われちゃいそうだし…。

「フロート!シャイン!」

よし!これでロゼさんに追いつけそう!!


「あ、ごめんね。速かったよね」

ロゼさんが気が付き、止まってくれた。


「すみません…私すばやさをあまり上げてなくて」

「いや、俺こそ気が付かなくてごめんね。そうだ、俺にもかけてくれる?」

ロゼさんの移動スピードがもっと速くなっちゃうけど!?と

思ったけど、頼まれたならかけないと…!


私はロゼさんにカーソルを合わせてスキルを発動させた。

「フロート!シャイン!」

「ありがとう。」

「わっ!!」

そう言うとロゼさんは私の手を引き、すごいスピードで移動し出した。

私はロゼさんに手を繋がれたことと、

移動速度の速さにびっくりして声が出てしまった。



「ここだよ」

着いたのは街の外れにある洞窟だった。

木が生い茂っている所だったので、

しっかり探索しないと見つけられなさそう。


「安心して、敵は出ない。けど、少し大変な場所だけどね」

入口がとても狭い。暗くて中の様子がわからない。

中も狭いのかな…。

ロゼさんは体勢を低くして洞窟に入っていった。

私もロゼさんの後に続いて洞窟へ入った。


「ライト!!」

ロゼさんがライトを使い、辺りを照らしてくれた。

「わぁ…綺麗…」

洞窟の中はキラキラと光る白いクリスタルがあり、洞窟を埋め尽くしていた。

しかし幅が狭いのであまり身動きがとれない。


ロゼさんを追って少し進むと行き止まりになった。

ここが目的地かな?と思っていたらロゼさんが上を指さした。

見ると、洞窟は上へ続いていた。



「この先へ行きたいんだ。」

ここを上がるってこと!?

高そうな縦穴だし、幅も狭いけど…どうやって登るんだろう…。


「俺はフロート(浮遊)が使えない。だから君に来てもらった」

「でも…フロートは地面から少し浮くことができるだけで、

 上昇はできないですよ…?」

「それは大丈夫。もう一度フロートをかけてくれる?」

ここへ来るまでにさっきかけたフロートの効果が切れたので、

私は再びロゼさんと自分にフロートをかけた。


「ありがとう。少し驚くと思うけど、嫌だったら言ってね」


ロゼさんが私の腰に手を回した…!?

「え!?」


「俺に捕まってて。行くよ?ウィンド」


ロゼさんは私たちの足元に向かって風魔法を放つと、

私たちは一気に上昇した。

反射的に「落ちる!!」と思った私は、ロゼさんの服を掴んだ。

 

上には何があるのか…?


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