ステージ3-5 君のパーティーのリーダーは、男?女?
累の前に現れたのは、シュリマの洞穴で見た人物だった。
キャラクタービジュアルと相関図を描いてみました!
Xで公開しているのでよかったら見てください!
https://x.com/nazuna2255/status/2106622800773673222/photo/1
―――4人がログアウトした後――――
累の前に現れたのは、シュリマの洞穴の前で見た銀髪の魔導師だった。
「これ、君のパーティーが手に入れたの?」
魔導師はツタンカーメンのブロマイドを指さした。
「そ…そうだけど」
魔導師は少し考え込むと、また累に質問をした。
「君のパーティーのリーダーは、男?女?」
「え…実際の性別は知らない。
ってかオンラインゲームで性別を聞くのはタブーだろ」
「そうだね。じゃあ質問を変えるよ。リーダーはどんな人?見た目とか」
「聞いてどうするんだ?」
「別に。ただ知りたいだけだけど」
「……水色の髪で男の格好をした聖職者だ。」
「へー。他に特徴は?」
「耳に白い貝殻のイヤリングをつけてる」
「そう。」
魔導師は特徴を聞いても驚かず、淡々と話を続けた。
「これ、1000リルで売るのは相場を狂わせるからやめた方がいい。
相場は大事だ。間違えるとアイテムの価値を下げてしまうし
自分も損をするよ。」
そういうと、魔導師は累の目の前に
3,000,000リル(300万リル)を置いた。
「は???」
「このブロマイドの価値だ。本当はもっと支払ってもいいくらいだけど。
あとそのブロマイドは売らずに取っておいた方がいい。」
累が呼び止めようとしたが、魔導師はワープを使ってどこかへ行ってしまった。
「なんなんだよ一体…」
累は魔導師が置いていったお金とブロマイドをトランクに入れ、ログアウトした。
―――「トークトーク画面」――――――
『βテスターズ』
累:3,000,000リル。明日精算するわ。おやすみ
レオ:はぁ!?多くね!?
連:やば
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次の日。
バイトを終えて帰宅し、少し遅いお昼ご飯を食べた。
さぁ!!ゲームやるぞーー!!って思っていたのに…。
『本日12:00より緊急メンテナンスを行います。
メンテ終了時間は未定です。
終了まで今しばらくお待ちください。』
ご飯後にお菓子をつまみながらDexを開くと、
ワンダーグラウンドオンライン公式からメンテナンスのお知らせがあった。
はぁ…メンテ終了時間未定かー。これは夜までかかる感じかなぁ…。
リビングのソファでうなだれていたらお母さんに話しかけられた。
「紬、ちょっといいー?バイトから帰ってきたところ悪いんだけど、
これ、お兄ちゃんに届けてくれない?
お母さん、今からおばあちゃんを接骨院へ送らないといけなくて」
来週使う予定だった書類が急遽今日必要になったらしく
届けて欲しいとお母さんに連絡があったみたい。
「いいよ、届けに行ってくる」
「ありがとう!よろしくね。」
そういうとお母さんは私に書類が入った封筒を渡し出かけて行った。
メンテだし…課題やる気にもなれないし。
このところ、お兄ちゃんと話せてないし…行こう!
兄がいる総合病院は特急電車で20分ほど。
電車を降り、駅から10分ほど歩くと病院に着く。
駐車場にはたくさんの車が停まっていた。
「大きいなぁー…お兄ちゃん、ここで働いてるんだよね。すごい」
医者になるため、お兄ちゃんは中学受験をし、
大学は国立大学の医学部に入った。
勉強が忙しかったのに、
貴重な休憩時間にゲームの相手をしてくれていた。
優しいお兄ちゃん。
病院に入り、受付に行った。
「すみません、藤岡奏の身内の者です。
頼まれたものを届けに来たのですが」
「こんにちは。藤岡先生ですね、少しお待ちください」
受付の人が電話の受話器を取り、内線をかけた。
「藤岡先生、身内の方がいらっしゃいました。
…はい、はい。わかりました。」
電話が切れたようで、受付の人が受話器を置き、私に話しかけた。
「お待たせしました。直接届けてほしいとのことでしたので、
2階の5番窓口の受付まで行ってください。」
去り際、受付の人たちの小さな話し声が聞こえた。
「今の、藤岡先生の身内の方だってー!」
「え!?妹さんかしら!!かわいい…!!」
うぅ…目立って恥ずかしい。
お兄ちゃん、きっとこの病院でも人気なんだろうな…。
学生の頃もモテてたし。
毎年バレンタインデーに女の子から
たくさんチョコレートをもらって帰ってきてた。
まぁ優しいし、妹の私が言うのもなんだけど、かっこいいと思う。
だからモテるんだろうな。意地悪も言うけど…!!
エスカレーターで2階へ上がり、5番窓口へ向かった。
受付で再び要件を言うと、
「はい、先生から伺っています。
こちらの通路から入っていただきますと
診察室4と書かれたドアがありますのでそちらへお入りください。」
言われた通り進むと診察室4のドアの横に
「藤岡奏」と書かれた札がついていたのでコンコンッとノックをしてみた。
「どうぞ」
お兄ちゃんの声だ!!聞き慣れた声を聞き、安堵した。
「失礼します!」
「悪いなー、紬。ありがとう。助かったよ。病院抜けられなくてさ」
スクラブ姿の兄がいた。おー決まってるじゃん!!
「いいよ全然。夏休み中だし、バイトは午前中だったし!」
「いいなー、夏休み。俺も欲しいよ」
「あ、そうそう!お兄ちゃんあのね!
私、新しいゲーム始めたの!!えっとねー!」
話そうとした時、スーっと奥のドアが開き、
容姿端麗な男性が書類に目を落としながら入ってきた。
「藤岡先生…ここなんだけど…。あ、ごめん。来客が来てたのか」
「あーいいよいいよ、気にしなくて」
その人は私を見ると、ドアを閉めて戻ろうとしたので慌てて
「あ!あの!はじめまして!兄がいつもお世話になってます!!」
「あぁ、妹さん?はじめまして。藤岡先生から色々聞いてるよ。」
ニッコリと笑った顔が素敵でドキドキしてしまった。
きっとこの人も、病院で働いている看護師さんやスタッフ、
そして患者さんにもモテモテなんだろうな…!
整った顔で見入ってしまう。ダメダメ、あんまり見てたら失礼だよね。
っていうかお兄ちゃん!!この人に私のこと話してるの!?
その人は「妹さんとの話が終わってからでいいよ」と言って
戻って行ってしまった。
「お、お兄ちゃん!!今の!!今の人は!?」
今のかっこいい人はお兄ちゃんの先輩?同期?気になる…!!
「同期の九条隼だよ。やめとけよー?ライバル多いぞ」
そんなの言われなくてもわかってますよ!!!!
「じゃあ私そろそろ帰るね」
ゲームの話したかったけど、お兄ちゃん忙しそうだし、またにしよう。
封筒を渡して診察室から出ようとしたらお兄ちゃんに呼び止められた。
「あ、紬。このあと時間ある? 俺今からこの書類のことやって、
あと1時間くらいで上がれるんだけど、夕ご飯食べてから帰らないか?
届けてくれたお礼におごるからさ。
母さん、ばあちゃんの病院へ行くって言ってたから
ご飯用意するの大変だろうし。」
「やったー!!!行く行く!」
「ん。じゃあ母さんには俺から連絡しておく。
駅前で適当に時間つぶしててくれ。終わったら連絡するから」
やったねー!駅前ってオシャレなお店が多くて、
入ってみたいなーって思ってたんだー!
駅に隣接する商業施設で時間をつぶすことにした。
本屋さんに入ったり、アニメグッズのお店を見たり、
かわいい洋服のお店に入ったり。
一時間なんてあっという間に過ぎちゃいそう!
あ、アクセサリーのお店もある!
最近買ってないから、かわいいのがあったら欲しいな。
キラキラと光る店内には、
ネックレス、ピアス、指輪、イヤリングだけでなく、
シュシュやヘアカフス、コームなど
かわいい髪飾りもたくさん置いてあった。
あ…これ…。白い貝殻のイヤリングだ。
あまり大きいイヤリングはつけたくないんだけど、
これは小さくて控えめな感じでいい!
小さいってところもゲームと一緒だし!
しかも私の好きな瑠璃色のガラスもついてて、
それが揺れるたびにキラキラ光って綺麗…。
か、買っちゃおう…!!こんなの見つけるなんて運命だ…!
すぐにレジへ行き、トイレの横にあるパウダールームに入った。
2個セットのイヤリングだけど、ルリと同じ右耳だけにつけてみた。
わぁ…かわいい。ルリになった気分!私は男装してないけど…!
そうしてる間に、お兄ちゃんから連絡があり、合流した。
なんでも、お兄ちゃん行きつけのお店に連れていってくれるらしい!!
わー!!めっちゃ楽しみぃー!!
って思っていたのに……。
「ぷはー!!!!うっま。やっぱレモンチューハイ最高だわ!!!!」
居酒屋かよ…!!!!
オシャレで綺麗なお店でディナー食べられると思ったのにぃーー!!!
「どうした?ほら、紬も飲めって!枝豆もあるぞ」
「い、いただきます…」
私はカシスオレンジを飲み、厚焼き玉子を食べた。
まぁ、個室を予約してくれたってところは評価します。
飲んでいる間、何回もお兄ちゃんのスマホに連絡が入っていた。
お兄ちゃんは返事を返しながら飲んでいた。
病院で働いてるから、緊急の連絡がいっぱい入ってきてるのかな?
大丈夫かな??と思っていたら…。
「こんばんは。ごめんね、兄妹水入らずのとこ。」
「おー!来た来た!おつかれー。いいのいいの、飲もうぜ」
なんと、さっき診察室で会ったお兄ちゃんの同期の人が来たのだった!
な、なんでーーー!?!?
兄の同期「九条隼」は、紬について何を知っているか…?
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