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風が運んだ鈴の音
花に興味あるか…。
そりゃ、多少なりとも花には興味ある。
じゃなきゃ…
「君にも出逢えなかった。」
「?」
…あの頃、俺は日雇いで稼いで飯を食う生活をしながら、趣味で写真を撮っていた。
日雇いで貰った金の1部を貯め…やっと手に入れたカメラ。いや当時は写真機か。
…そいつを手に旅に出た…。ありったけの金を手に持ち…この地を旅して…ここ赤湯に来た。
当時、赤湯は東北随一の歓楽街で名を馳せていて…あちらこちらに店…飲食店…他には八百屋とかの商店に銭湯…街から少し離れた場所に神社があった。
そこに行く。…赤湯を一望出来る場所だった。…街の景色を写真機に撮る。
写真を撮り終えて…ん?…秋桜か。…これも…撮る。…風が少し…邪魔し
♪…りん♪…ちりん♪
?…なんの音だ?…あ、階段があるのか…?え…
階段を登って来た方がいた。
「……」
…こちらの視線に気が付いた…女性…。
手には巾着を持っていて、その巾着から
♪りん
鈴の音が…。
「……」
静かに…俺に会釈し、何も話さず…顔を隠す様にそそと俺の隣を去っていく…。
その姿に…思わず
「すみません!」
と…声をかけてしまった…。
「?はい…」
…その方が俺を見た…。
白く…抜ける様に白い肌…整った目鼻立ち…。紅い…紅を引いた口元…。
その姿に一瞬で…。




