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ひとりたび  作者: 木卯さやの
3/34

粋と気品の美妙な時

南芽衣がおしぼりで手を拭きながら

「女将さん、飲み物は日本酒を冷で。銘柄はおまかせします。」

「…畏まりました。」

おまかせ…。

女将さんが席を離れた。南芽衣がテーブルに置いてあるお品書きを見た。

「…他に何にしようかなぁ~。あ、秋刀魚がある♪焼きに刺身…。」

「…へぇー結構魚料理が充実してんな。」

「失礼します。先にこちら…お通しです。」

…♪…女将さんがお通しをテーブルに置いた。綺麗な器…。これなにかな?

「こちらは烏賊のごろ焼きです。」

「ごろ焼き?」

「?」「??」

「…新鮮な烏賊のわたを味噌と酒やみりんで和えて、焼いたヤツだね。」

水さん?

「はい。今朝取れたばかりの烏賊を…」

「…いいな…。コイツは楽しみだ…」

「お酒はこちらで…」

…木の小さな箱と緑色のお酒の瓶…。

「升で日本酒を…粋だね…。」「…」「…(汗)」

升…って…これ?…私の知ってる升は黒と赤の…

「こちら…」

女将さんがお酒をテーブルへと、置いてくれた。

「ありがとうございます。…ち♪」

南芽衣が日本酒の蓋を開けて…水さんにお

「水さん。…ささ…一献…」

い、一献?!

「…ありがとう…」

こここ…と…お酒をつぐ音と共に、瓶に空気が入った…大きな気泡が1つと小さな気泡…それが瓶の肌を…底を滑(すべ)ていき…ふっと…消える気泡…。

「…さ、武良さんも…」

「は…はい…」

…武良さん…

「そんな、照れんな(笑)」「て、照れてない…です。」

「はい。…次はさやの…。」「…」

「さやの?」「…あ、ご、ごめん!」

「柳田、どこに行ってた(笑)」

水さんが笑みながら私に聞いた…。

「…ちょっとそこまで…。」

…と…言い返した。

「南芽衣さんには俺から一献…」

「あ、ありがとうございます。」「…」

…な、なんだろう…。この、なんとも言えない雰囲気…。

「さて…揃いましたから…乾杯は水さんに」

「ん…じゃ…はい…乾杯…」

「…か、乾杯」「乾…杯…」「乾杯。」

…升を口元に…?!いい香りが…

「芳香が素晴らしく良いね。飲み口も良く、それでいて、しっかりした…」

…(汗)


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