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ひとりたび  作者: 木卯さやの
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回想が列車のように

烏賊のごろ焼きを食べた…。

「…美味しい…」

「でしょ。お酒と良く合うよね。」

「武良さん達、食べたいの決まった?」

「はい。」「うん。」

お品書きを見て各々注文する事に。

「女将さん、注文良いですか?」

「はい。」

「秋刀魚の塩焼き2つ。後刺身を2つ。」

「私達は秋刀魚刺身を…2つ。それから、里芋の煮おろしを2つ。」

「それから、木通(あけび)の肉詰め1つ。」

?あけびの肉詰め?とな?

「…とりあえず以上で。」

「畏まりました。少々お待ちください。」

…女将さんが注文のプレートを手に席を離れた。

「水さん、あけびの肉詰めって…」

水さんに聞いた。すると…

「あけびの中にひき肉と舞茸、しその実を入れて、甘味噌で炒めた肉ダネをな、あけびの皮に詰めて、油で素揚げしたヤツ。」

「あけびの皮?」「?」

「あけびって中のあのワタ?タネを食べるんじゃないの?」

南芽衣が小首を傾げて

「東北地方の1部地域ではね、あけびの中より皮を食す文化がある。」

「へ~…」

「柳田さん。」「…は、はい?」

「山形に行くならな、ちょっと食べてみた方がいいよ。」

「え??」

「山形の食文化を知ったらびっくりするよ。なんせ、鮒も食べ物になるんだからね…(笑)」

「マジで?!」「嘘だろ?!」

武良さん南芽衣びっくり!

「…フナって…あの池にいる(汗)」

私もびっくり…したけど、興味あるから、水さんに聞いた。すると…

「池じゃない。ちゃんと養殖してる。後な垣根やら雑草も食べるんだ。でもな、それは飢えを凌ぐために食ってたのが、そのまま、食文化として残ったんだ。これがまたね、美味いんだな♪」

そう話し、水さんはお酒を口に運んだ。

「…あの場所に行くと、ノスタルジックな気分を味わう事が出来る。」

ノスタルジック?

「…それか…今はエモい?なんて話すのか?…若い方達の言葉は難しい…(笑)」

…水さんが

「水さんがエモいって話すとなんか凄い違和感ある…(汗)」

南芽衣(汗)

そ、そんな話をしていたら

「失礼します。こちら秋刀魚の塩焼きとお刺身……」

女将ともう1人の若い男性がお盆を持って料理を運んできてくれた。

「お、美味そう♪秋刀魚久々♪」

武良さんが嬉しそうに

「お酒空きましたね。次のお酒は」

「…そうだな…。」

水さんがお品書きを…

「女将さん、あれ、見たことないね。あれにしてくれないか?」

水さんが私の?上?…わっ!凄い!酒瓶いっぱいある?!

「…畏まりました。」

「…こ、こんなに…日本酒ってあるの???」

「…あるよ。」「あるよね~」「数え切れない位ある。」

…

これが、先週の金曜日の夜の話し。

その話を思い出しながら、私は今、駅のホームに居る。…行先は山形。

駅の電光掲示板を横目で見つつ、新幹線に乗り込んだ。自由席に座り…何気に窓から外を見てみた。

ビルが建ち並び、道路を車が往来して、人々が急ぎ足で歩いて行く…。

~♪

…新幹線が動き始め…私のひとり旅が始まった。









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