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器からのたより
焼物を食しつつ…日本酒を…
「失礼致します。こちら揚げ物で御座います…」
俵揚げ…。これはまた秋を告げる食が…。
俵揚げはこの地では、油揚げを指すこともあるが、懐石料理となると違う。
こちらの料理は…鯛の真蒸に衣を付けて油で揚げた料理…。
「あしらいに銀杏。こちらは…銀杏の葉をさつまいもで…」
鮮やかな緑が油を通した事で更に艶を帯び、深い緑が輝きを放す。それと一緒に添えられている葉は飾り切りした薩摩芋…それより目立つ
「稲穂のあしらいね…」
稲穂をサッと油通しした…これは…
「…五穀豊穣…。」
…豊穣と豊作の感謝をこのひと皿に…。
「…感謝を込めて頂きましょ…」
「あぁ…。」
妻と共に俵揚げを味わう。衣はサクッとしつつ、中の真蒸はふわりと仕上がっていた。
食す前に付けた塩…この塩が真蒸の甘さをより引き出す…。…あしらいの銀杏もまた塩を付け、食す…。ほろ苦さが先に口に広がった後に…甘味と塩気が折り重なった。
「これは酒が進むな。」
「…貴方、これ以上は」
「…そうだな…。」
…ちょっと…飲み過ぎる…。




