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これが本場のクラウド化ですか。

たーのしんでネ!

「?魔力ってあの魔力ですか?」

「そうだよ。まだ試作品だけどね…」

そういいながらししょーは私にガスマスクを渡す。

これをつけろと?

「早くつけて。」

「あ、はい。」

「魔力というのは、ゲームとかでよくある、魔法が使えるための必需品だ。」

「え?でもこの世にはないですよね?」

その通り!というふうに人差し指を向けてきた。

「私が作った。」

「よくわかんないですけど、すごいですね。」


ししょーは瓶の黒い霧を開けて、撒く。

あれ?ししょー、ガスマスクは?

「―――心配しているようだけど、私は大丈夫だよ。始めよう。」


ししょーは私に訊いた。

「そうだねぇ、紬、君は魔力は何だと思う?」

「魔法を発動する粒子、ですかね…。」

「そうだね。だけど、燃やしたり、凍らせたり、電気を放ったりするのに、必要なのが呪文と魔力だけっていうのは、ありえないでしょ?」

「考えたこともないですね。」

「それに、たかが生物の一種である人間の言葉に反応するなんて、不自然だ。」

ししょーは続ける。

「当然、神様が人間だけを贔屓するというのは、いささか強引でしょ?」

「まぁ、たしかに。」

「だから、私は考えた。”魔力を作ったのは、きっと人間だ”って。」


ししょーは目の前に手を掲げて、言った。

「Fire:{setting:"Preset1",Connection:(false)}」

「え?なになになに!?」


その手の上には、赤く輝く火の玉が浮いていた。


これは、魔法だ。

まごうことなき魔法だ。

私がその火に見とれているところで、ししょーは咳ばらいをした。

「それで、どうやってると思う?」

「え?」

「答えてみてよ。君ならわかるはずだ。」


うっ、これは答えるしかないのか…考えろ…どこかにヒントが…


バッテリ缶インスタント。

ヘパちゃんと戦った時に言ってた―――


―――チッ…適応済みでも堪えるね…。


という発言、私は"適応"してなくて、ししょー、そしてへぱちゃんも多分"適応"しているんだろう。


私が毎日飲んでいるノーマルのバッテリ缶と同じ名前なのはどうしてだろう?

バッテリ缶インスタントシリーズは、即自的な力のことをインスタントと言っているのだろう。

ではインスタントでなければ?

身につくのも遅い代わりに、体に定着するタイプ!


ししょーとヘパちゃんは、おそらくバッテリ缶を飲んでいた。

ししょーは開発者本人だし、ヘパちゃんはバッテリ缶という存在に慣れていた。

しかし、両者とも、現在は普通のバッテリ缶を飲んでいる所を見ていない。

あんなにおいしいのに、だ。

つまり、何かが完了した、もしくは何らかの理由で飲めなくなった。


そこで出てくるのが、”適応”という言葉。

たぶん、”バッテリ缶で手に入る何らかの力をすべて得たこと”が”適応”だ。


バッテリ缶の詳細を思い出そう。


発明品No.003 [バッテリ缶]

究極のエナジードリンク。

適度な酸っぱさと甘さ、凍らせたようなシャリシャリ感が特徴。

なんか絶対危ないやつ。


ここで気になるのは、”凍らせたようなシャリシャリ感”。

これが、ししょーの開発した魔力のような固形のものを摂取しているとしたら?

なじむまで摂取し続けなければならないという”適応”までの時間というのがわかってくる。


だけど肝心の魔力の正体がわからない。

粒子だけでなく、”命令を受けて実行する”デバイスが必要だ。

そもそも、この粒子は何でできているんだ?

どうやって一点に炎を出し続けることができる?


遠くのデバイスから炎を飛ばしてつけるというのでも、

これだけの時間炎を手の上で燃やすのは不可能だ。

よって魔力とは違うデバイスがあるというのは無理がある。


―――魔力そのものがデバイス?


可能性は高い。

デバイスが音声入力で”自身を燃やす”プログラムを作っているなら、

このようなこともできるのか。

でもこんな小さな粒子にどうやってそんな命令を?

いいや、違う―――


この霧すべてが1つのデバイスなんだ。

互いに情報を入れ替わるように移動させ続け、どこでも命令が実行できるようにする。

そんなことが可能なのか?


いや、それしかない。

「ししょーは、魔力という名の、この微細なコンピューターを作り上げた。これらは互いに通信し、1つの大きなデバイスとして命令を処理し、実行することができる。」

「ふぅん?」

「…そしてその命令権は”適応”、つまり、バッテリ缶の服用により魔力のデバイスが体になじんだ状態でないものは持たない。それどころか、ゆっくり体に慣らさなければ有毒になりうる。っていうこと?」


「―――すばらしい。正解だよ!」

やったー!あたったー!

「ご褒美にバッテリ缶下さい。」

「―――いいの?君は私に体を改造されていたんだ。逃げないのかい?」



「いやまさか!今までの生活に戻る方が嫌ですよ。」

ししょーは、静かに微笑んで、火をつかんで消した。

No.007 [魔力]

巨大なクラウド(物理)演算デバイス。

命令権をもつ人物が命令をすると、それ相応の結果が現れる。

なお、命令権を持たない人にとって、有毒である。

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