↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
22/25

金星の輝き

「さぁ!今日は栄えある入学式だ!」

と、紬が一声あげる。

ん?紬の表情が変わらない、緊張だろうか。

「知っての通り、この学園…いや、簡易的なテントではあるが…では、勇者になりうる君たちを教育する機関だ。君たち30名の中から、私の後任の勇者が選ばれる。」

淡々と説明をしていく。

「―――それでは…まぁまず私の実力を見てもらおう。知ってはいるだろうが見たことは無いだろう。」

それを聞いて子供たちは盛り上がる。が、ただ一人だけがまっすぐ紬の目をじっと見ていた。

犬飼劔だ。他の子どもと違いずっと冷静でいる…あるいは、緊張で動けないか。


「君たち、ここに来るとき変な光る膜通っただろ。」

うんうん、と子供たちが頷き、顔を見合わせる。

「あの膜はピュリフィケーションと言ってな…その外にいる君たちは魔物に襲われるかもしれん。」

え?と子供が首をかしげる。

暢気なものだ…こんなにも危ないのに、紬のせいで安心できてしまう。

「見てな、恐くてもだ。」

ずしん、ずしん、という足音と共に、大きな黒い化け物がこちらに向かってくる。

足音が速くなる。低く腹に響く轟音を叫び、突進しようとする。

「プロテクト」

子供たちは四角い結界に保護される。

「ほんの最近作ったやつでね、派手で割とかっこいいから見せたくて。」

そう言って胸をそらす。


「フレア」

辺りが暗く見えるほどの光。

その中心には紬が佇んでいる。

体に沿って高速回転するその魔力は、勢い余ってはじき出され、戻る。

赤い光の糸にくるまれたように、紬の輪郭はぼやけていく。

魔物が走る。こちらに接近する。

その化け物は紬にぶつかり…


―――吸収された。


赤い糸が魔物を包み、魔物それ自身の魔力を変質させ、取り込んで見せた。

しゅるしゅると糸のような魔力がほどけて散る。

赤い魔力が照らす強烈な光が、それと対となるように、一時的な宵を生み出した。

宵の明星は、地上でひときわ輝いていた。


大多数の子どもは、縮こまって震えて泣いていた。


・・・


それから授業が始まった。

勇者になるための厳しい訓練だったが、ほとんどが音をあげずにやり遂げた。


劔の実力は突出していた。

自身の体で何度も実験し、自分自身の魔法を作り上げてしまった。


「…ぇえ?」

紬が困惑する。自分が思いつかなかったことを悔しがっているようにも見えた。

前方に成形した魔力をレールガンの要領で飛ばす。

それによって軌跡が一瞬にして真空となる。

その真空に押し寄せた空気と魔力に乗って"自身を高速で移動させる"という文字通りぶっ飛んだ技。

彼の得物は剣だ。高速移動しながら冷静に敵を切りつける化け物と化すだろう。


その魔法の名前は―――「遊」

No.32 [フレア]

体の表面に魔力を高速で滑らせ、回転させ続ける

勢いあまって飛び出した魔力が、高熱かつ高速の武器となる。

相手の魔力を取り込むことも可能。


No.33 [遊]

レールガンの応用。

飛ばした魔力の後方に意図的な真空を発生させ、自身を吸い込ませることで追従させる。

上方向への移動は得意じゃないため、丁寧な構築が必須。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。