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勇者

勇気があって、危険や困難を恐れずに立ち向かう人物

「勇気のある人」、「勇敢な人」

レジスタンスの本部に向かっている最中だった。


「ねぇ、1つ、答えてくれない?」

紬が私に尋ねた。

「私は何者だと思う?」



「―――勇者、だろう。」


・・・


この世界に魔法ができた。魔物が生まれた。

そして、魔王が生まれた。


魔王の誕生は、俺もよく知っている。

ある朝、夜明け、珍しく早く起きてしまった私は、退屈しのぎにテレビをつけようと思った。

私はまだリモコンを手にしておらず、テレビは黒い画面だった。

ひとりでに、テレビの電源がついた。

それだけじゃない、スマホ、パソコン、ラジオに至るまで、全てに―――


―――1つの映像が流れた。


『全人類よ、おはよう。』

ドレスを着た女性が、画面に映し出された。

すると1言だけ、言った。


『―――私は、これから魔王となり、世界を支配する。』と。


その証拠に、と、

魔王を名乗る女性を止めようとした自衛隊員を、謎の障壁をつかって吹き飛ばした。

発砲許可が下りた自衛隊は、謎の女性めがけて一斉に発砲した。

彼女は、ただそれを何とも思うことなく、弾丸を全て障壁ではじき返した。


彼女はそれを魔法だと説明した。

魔法は誰にも使えなかった。

空気は、魔力によって少し濁っただけで、魔力は人間の役には立たなかった。


彼女が作り上げた”魔物”は強大だった。

形が定まらないもの、とにかく硬いものなど、到底太刀打ちできる相手ではなかった。

俺たちは東京レジスタンスを組織した。魔物に対抗するために。

しかし、ビル群を倒して防壁を作り、たまたま急所に攻撃を当てて倒すことしかできなかった。


・・・


そこで、紬が現れた。

魔王と同じく、魔法を使うことができる、それでありながら、人間側に味方をする"勇ましき者"が。

魔王と対等に渡り合える、英雄譚上の人物が。


「ぶっ!あははは!私!?私が勇者?」

「笑うなよ…俺は本気だ。」


紬は、にやりと微笑んで言った。

「面白いね、勇者と魔王…か。」

紬は、右手の甲を見せた。

黒い炎が揺らめき、剣のような紋章が浮かび上がった。

「勇者の紋章、なんてどうだろう?」


そうやって言う紬は、あのにっくき魔王にどこか似ていた。


・・・


「これより、レジスタンスの強力な新人を紹介する、紬だ。」


「―――私は、これから勇者となり…」




「魔王を、殺す。」

No.22 [勇者の印]

生まれてくる子供の手の甲に、剣のマークがあるなら、子供は勇者として、魔王に挑む使命を持つ。

勇者が死んだとき、その瞬間に生まれた子供が、次の勇者となる。

魔王が死ぬまで、この印は消えない。

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