守るための魔法
変わっちまったな…。
「おい!そこの嬢ちゃん!危ないぞ!」
見るからに、な女子高生が、大きなリュックサックを持ってこちらに向かって歩いている。
後ろには―――巨大な魔物。
つい最近世界中に出現した、未知の化け物。
なのに、焦る様子がない。
迫る魔物、しかし逃げない。
「―――危ない!!」
とっさに駆けだしていた、救わねば、と。
しかしながら敵は俺らを叩き潰そうと前脚を振るう。
「…危ないなぁ、計画性がない。」
魔物が彼女に触れた瞬間、魔物は霧散した。
一方俺は、彼女を抱えて逃げようとしたところ、彼女に触れる前に謎の障壁に頭をぶつけた。
「おじさん、相当なお人よしですね。」
「そんなことより、あれは何だ…!一瞬で魔物を霧散させたじゃないか!」
彼女は答えた。
「――ああ、魔法だよ。マホー。」
ほら、と言って、指先に赤い光を出すと、
それは、後ろの高層ビルに向けて、とてつもない速度で射出された。
ビルは、2階あたりから二つに割れ、倒壊した。
「―――ッ!おい!あのビルにはまだ人が!!」
「居ないぞ。―――5秒ほど前に確認したが、避難が早くてえらいな。」
どういうことだ?
少女は後ろを向いていたし、どう確認したんだ?
いや、それより、あの光線は?
―――魔法、なのか…?
「ッ!おい、待ってくれ!うちのレジスタンスに来てくれないか!?」
去って行こうとする彼女に言う。
「―――悪くない。」
にやりと笑って、振り向く。
こほん。と咳ばらいをひとつ。
「改めまして、東京レジスタンス・トップ、岳川 宗司さん…私を仲間に入れてくださいますか?」
「…なぜ、名前を?」
見れば何となく、と、彼女は言った。
「私は紬、よろしく。」
・・・
紬と一緒にレジスタンスの基地まで行った。
「酷いな、魔法がないとここまで太刀打ちできないのか。」
「ああ、結成したばかりだが、魔物の数が多すぎる。これではまともに戦えない。」
「それ、飲みな?」
紬は一本、無機質な缶を取り出す。
それを差し出す。
「お前の分しかないからな?大事に飲めよー。」
「これ、何なんだ?」
紬によると、これは”バッテリ缶”と言って、魔王の家から盗んできたらしい。
紬が目を細めてイヤそうに話していたのが気になったが、大きなメリットもある。
どうやらこれを毎日飲むと、魔法が使えるようになるらしい。
「わかった。飲もう。」
「おお、即決。」
口の中に広がるフルーティーなフレーバー!
そしてこの氷のようなシャリシャリ感!
癖になる…。
「んじゃ、サクッとやってあげよう。」
指を前に掲げ、唱える。
「パープルキューブ。」
紫色の立方体が、人差し指の前に形成されていく。
「ホーリーフィールド。」
紫色の立方体を中心として、正四面体の結界の様なものが展開される。
それはレジスタンスの基地を覆い隠すほどに拡大された。
そして、
「―――ショット。」
刹那、赤色の光線が、打ちあがり、それらが分かれて飛んでいく。
飛んでいく先は、魔物。魔物、魔物、魔物。
全て正確に、かつ迅速に頭を打ち抜いた。
No.20 [ホーリーフィールド]
正四面体型の結界魔法。結界自体に反発力は存在せず、ただ、四つの頂点マーカーが敷かれるだけの魔法。
これによって、対象の位置ベクトルを計算することで魔法を必中にする。
主にパープルキューブと併用する。
No.21 [ショット]
レールガンを改良した魔法。弾速はレールガンに比べて遅い。
しかし、それによって小回りが利くようになり、
ホーミング機能をつけることでホーリーフィールドと相性の良い魔法となった。




