プリティー天誅
お楽しみあそばせ?
「ヘパちゃん!!」
「っはい!!」
ヘパちゃんの手をがっしり握る。
わたしの赤い光が、ヘパちゃんの手に流れていく。
ヘパちゃんかわいーい!!!
「な…なにこれ..."かわいい"って?」
成功だ。
情報伝達に言葉を介さない魔法でのコミュニケーション。
これが愛の力(?)だね!
今度はハンマーの使い方を。
「―――わかったよ紬ちゃん!」
ヘパちゃんはそう言うと、にやりと笑みを浮かべて、
「ちっちゃくなれ!」
大きなハンマーを縮小し、手のひらに収める。
それを野郎どもの方に投げつける。
流石の怪力で加速された手のひらサイズのハンマーは、コンクリートの壁に突き刺さる。
「―――おっきくなぁれ!!」
刹那、ハンマーは急速に拡大し、刺さっていたコンクリの壁を崩壊させた。
勢いよく破片が飛び散る。粉塵が舞って視界がぼやけるが、破片を全て避けるヘパちゃん。
ハンマーははじき出され、ヘパちゃんの手元に返った。
「さすが!」
「―――ヘパちゃん!私も!」
「うん!」
手を握る。
赤とピンクの光を放ち、あたりの粉塵が晴れる。
「「―――私たちは ふたりでひとつ!」」
野郎どもは恐れおののき、地面にへたり込んでしまっている。
「おっきくなぁれ!!」「レールガン!!!」
見上げるほど巨大になったハンマーが、レールガンの加速でさらに威力を増す。
今や私たちは以心伝心。
ヘパちゃんの怪力とレールガンの圧倒的な速度によって、とんでもない戦闘スタイルを確立していた。
「―――私の出番は?」
ごめんなさい。忘れてましたししょー。
「ヘパちゃ~ん。もどってー!」
「はーい。次はまーくん?」
「そう!ししょー、行きますよ!」
~魔法の作り方~
まず、手をハートマークにしましょう。指ハートじゃダメです!両手でやるやつ!
そして、「もえもえ」と唱えましょう!(大事なのは愛情です、ししょー。)
「…こうか?」
次にあそこの野郎どもに「きゅーん!!」しましょう。(愛情ですよ!)
「き、きゅーん...」
―――その瞬間、野郎どもは爆炎に包まれた。
「は?―――紬、これ何?」
「ときめいた人を燃やす呪文です。」
ときめくってのは、こう、あれだ。
なんか心拍数とかいろいろやったらできた。
「さぁ!ししょーにできるのは愛想ふりまいて燃やすことです!!やっちゃってください!」
「…」
「紬ちゃんえっぐいね。ほらまーくん顔真っ赤だよ?」
ししょーはハートを手で作って、叫ぶ。
「もえ!もえ!きゅーん!!!」
もはやヤケクソだ。声量がさっきと段違いである。
だがウケはいい!
「うわ、恥ずかしがってんのかわい―――ぐああああああああああ!!!!」
野郎どもが次々と倒れていく!これがししょーの本気か!!
ししょー、ちゃんとハートの手の形変えてる!
効率的に敵を焼き殺すために最適化した結果可愛くなってる!!
「ふざけるな! 萌え萌えキュンだと!? なめん――熱っ!? 熱い熱い熱い!!」
ああ、断末魔が聞こえる。彼らも、美女(男だが)に焼き殺されるなんて思わなかっただろう。
「ふぅ…紬、あとで覚悟してね?ホント。」
野郎どもを全員蹴散らして、ひと段落ついたとき、ししょーが言った。
そんな時、開いたまま壊れたドアの奥から、コツコツと足音が聞こえた。
「―――いやはや、やはり面白いことをしますね。」
突然、すでに壊れているドアの奥からやって来た男。
ししょーは突然、ぎらりと睨んで、告げた。
「解除。」
ししょーのマッド・グリーンの衣装は、あっけなく解除された。
「どういうつもりだ?まさか、君がこんなことする奴だとは思わなかった。」
「ああいいえ、誤解ですよ―――」
「―――魔王サマ。」
No.19 [燃燃・キュン♡]
ハートを向けた相手が術者にときめいたときに発動する魔法。
ときめきに応じて燃え具合が変わる。




