AIが治療を拒む?(2)
日本では国民皆保険制度が導入されており、全ての国民が何らかの公的医療保険に加入し、少ない費用負担で全国どこでも医療を受けられるようになっている。
会社員が会社を通じて加入する健康保険組合。
自営業者などが加入する国民健康保険。
75歳以上の高齢者が加入する後期高齢者医療制度。
基本的にはこの3つのうちのどれかに加入する。
費用の自己負担は原則として1割から3割に抑えられており、また、高額療養費制度もあるので、保険適用の医療であればどれだけ医療費がかかっても自分が支払う医療費には上限が設定されている。その上限額以上の医療費はすべて保険から支払われる。
至れり尽くせりの制度だ。
ただ、その制度を維持するために、裏では多額の税金が投入されている。
一方で、アメリカには、日本のような全国民を対象とした公的・国民皆保険制度は存在しない。
公的医療保険制度は非常に限定的で、65歳以上の高齢者・障害者を対象とする「メディケア」および低所得者を対象とする「メディケイド」のみだ。メディケアおよびメディケイドの加入者は国民全体の3割に留まり、国民の5割は民間医療保険に加入している。
公的医療保険の対象とはならず、しかも民間の保険も購入できない無保険者はアメリカの総人口の約15%に上る。しかも最近の民間医療保険の保険料の高騰に伴いこの無保険者の割合はさらに増加していっているという。
アメリカは医療費がとにかく高額であることで有名だ。
まず、救急車を呼ぶのにも費用がかかる。
救急車は電話で呼ぶことができるが、全て有料でタクシーのように走行距離によって金額が変わる。救急車による費用だけで、1回10〜20万円の費用がかかる。
専門医の診察を受ける際は、初診料として3.5〜7.5万円の費用がかかり、入院する場合は一日35〜45万円の費用がかかる。
例えば虫垂炎で入院・手術を行う場合、1日の入院であったとしても150万円近くの費用がかかってしまう。
アメリカでは民間医療保険による医療費の補助がなければ、とてもではないが医療は受けられない。
その民間医療保険に入るために、高額の保険料を毎月支払っている。




