インサイド・トヨタ(7)
世の中に出回っている工業製品は、数多くの「部品」で構成される。
その「部品」を工場で組み立てることで製品ができあがる。
車の場合でいうと、ガソリン車で約3万点、電気自動車で約2万点の部品で構成されているという。その部品を組み合わせることで、「走る」という機能であったり、「安全性」という品質を発揮するのだ。
その工業製品の開発には「設計担当」と「製造担当」という二つの担当が関わることになる。
役割分担としては、設計担当が、その製品の機能や品質を満たすように部品の仕様や形状を考え、それを「図面」に落とし込んでいく。
そして「図面」を受け取った製造担当が、その図面をもとに金型を作成し、部品を大量生産できるようにする。また、量産時は大量生産した部品を実際に工場で組み立てていくのだが、その組立の準備を進めたり、組立作業者に指示して滞り無く製品の生産ができるようにするのも製造担当の重要な役割だ。
設計担当はやはり製品の機能や品質を満たすことを第一に考える必要があるし、逆に製造担当はその部品や製品の作りやすさや組み立てやすさを第一に考える必要があるので、二者の利害は一致しない場合もある。
そこは、丁寧にすり合わせていくことになる。
番組では、新型カローラの開発を進めるに当たっての説明会が映し出された。
開発を取りまとめるチーフエンジニアの福島氏が、設計部署や製造部署の新型カローラ担当を前に、今回開発する車種の仕様や日程を説明していく。
福島氏の説明に対して様々な意見が出されるが、その中でも多かったのが「日程」に関するものだった。
製造担当の本田氏は、顔を引きつらせながら次のように言う。
「僕、この開発の(早い)時から設計や実験の方と一緒にやらせていただいています。
本当に目の前の車をやるだけでも、みんな顔面蒼白ですわ。
BEV(電気自動車)を作れるようにしておきたいのはいいんですけども、時間というものを与えてほしいんですよ。
『工数は担保します』とか言われていますけど、『本当ですか』と。
『人がいれば、ポンとこの日程で立ち上がりますか』ということなんですよ。
仕入先さんだとか含めて、本当に無理ですよ」
プラットフォーム(車台)の設計担当の鷺谷氏も次のように述べる。
「難しいですよね。全部これをやれと言われても、
だから優先順位付けなきゃいけないと思いますし」
今回の新型カローラの開発では、ガソリン車から電気自動車までをカバーする共通の新プラットフォーム(車台)を開発することが求められていた。
それだけでも大変なのに、それを短リードタイム(開発期間)で開発しなければならなかった。
それが課題をより困難なものにしていた。




