インサイド・トヨタ(6)
車の開発は大きく分類して「プラットフォーム(車台)」と「アッパー(上物)」に分かれる。
プラットフォームとは車の土台部分となるユニットで、フレームやサスペンション、ステアリングなどが含まれる。
一方でアッパーとは、プラットフォームの上に乗せられる外観や内装の部分となる。
その中で特に重要なのがプラットフォームだ。
プラットフォームは車の骨格と足回りを構成する基礎部分となっていて、車の走る・曲がる・止まるなどの基本性能や安全性を左右する。当然、開発には多大な手間とコストがかかる。なので、現在の自動車メーカーは多くの車種でプラットフォームの共通化を進めており、共通のプラットフォームの上に異なるアッパーを載せることで、複数の車種を作るかたちをとる。
今回、開発が進められる新型カローラには、一つの重要なミッションが課せられていた。
それは、ガソリン車、ハイブリッド車、プラグイン・ハイブリッド車、電気自動車で共通に使える新プラットフォームを開発することだった。
新型カローラはその新プラットフォームが投入される始めの車種になる予定だったので、新型カローラとしての開発と同時に、新プラットフォームの開発も同時に進める必要があったのだ。
ガソリン車と電気自動車は、車を動かす原理が全く違う。
電気自動車は車にバッテリーを搭載し、バッテリーの電力だけでモーターを動かす。
車の中で大きな容積を取る部品はバッテリーになる。基本的には車台を平らにして、そこにバッテリーを敷き詰める形をとる。運転席や後部座席の下に平らにしたバッテリーが敷かれているようなイメージだ。
ガソリン車とその電気自動車の車台を共通にすること。
それは非常に難易度の高い課題だった。
ただ、ガソリン車専用の車台、電気自動車専用の車台を別途作り分けてしまうと、当然開発コストも開発期間も多くかかってしまうことになる。
いかにして短リードタイムでコストを抑えながら、ガソリン車と電気自動車を市場に提供していくか。それを実現しようとした場合に、プラットフォーム共通化は必要となる条件でもあった。
しかし、難易度が高いことは変わらない。
当然、新型カローラ(新プラットフォーム)の開発において、多くの課題が立ちはだかることになる。




