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或る人のFIRE日記  作者: 鷺岡 拳太郎
2026年08月

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インサイド・トヨタ(5)


番組では、現在開発が進められている新型カローラの開発現場を映し出していく。








カローラとはトヨタが1966年より製造・販売している乗用車のブランドである。


代を変えて販売が続けられていて、現在は12代目カローラが販売されている。




カローラは1997年に累計販売台数でフォルクスワーゲン・ビートルを抜いてギネス記録を樹立。現在も年間世界販売台数1位を記録し続ける、トヨタの主力ブランドの一つだ。


2023年末時点でグローバル生産累計台数は約5300万台に到達した。これは、トヨタが創業以来生産した自動車の5台に1台がカローラである計算になるという。


トヨタにとって「カローラ」とは、そのくらい重要な車種だった。








その新型カローラの開発を任されたのが、チーフエンジニアの福島徹氏だ。




トヨタには「チーフエンジニア(主査)」という役職が存在し、そのチーフエンジニアが開発責任者となる。


チーフエンジニアは特定の車種における企画、開発、生産、販売までのすべてを指揮し、その車に関する全責任と決定権を持つ「製品の社長」と呼ばれる独自で重要な役割を担う。








チーフエンジニアの福島氏は「CZ」と呼ばれる部署に所属する。


「C」とはトヨタのCセグメント(中型車)商品群を指し、そして「Z」は製品企画を指す。車の開発の心臓部となる部署だ。




福島氏は取材カメラにCZの居室を紹介していくが、居室の隅には、カローラ初代チーフエンジニアである長谷川龍雄氏が書いた色紙も飾られていた。カローラの礎を築いた伝説的なチーフエンジニアだ。




そこには、次のような言葉が書かれていた。




「地球人の幸福と福祉のためのカローラを」




非常に遠大な目標である。


だけど、そのくらい大きな視点を持っていたからこそ、カローラという車種がここまでの存在になったのかもしれない。








その時点で新型カローラの開発はまだスタート地点に立ったばかりで、各地から「こういう車を作って欲しい」という要望を聞き入れるタイミングだった。




どのような車を作るのか。




カローラ開発担当の一人は次のように語る。




「情報は何だって手に入るし、エンターテインメントもいっぱいある中で、何をしたら憧れてくれるんだろうなとか。


普通のどこにでもあるようなセダンを作っていたら、たぶんカローラって名前がなくなっちゃう気がするんで」




ユーザーが憧れる車を作る。


これは、「クルマ屋」としての一つの矜持なのだろう。








福島氏が開発部門、製造部門、販売部門と各部門を取りまとめながら、彼のリーダーシップのもと新型カローラの開発は進められていた。


挿絵(By みてみん)


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