ワールドカップ事件簿(5)
1958年にスウェーデンで開催された第6回大会では、一人のヒーローが生まれる。
ヒーローの名前はペレ。
サッカーに疎い私でもその名前くらいは知っている。
ブラジル代表の選手として、この大会で当時17歳のペレが世界の舞台にデビューを果たした。
ペレは大会直前に行われたテストマッチでの膝の故障の影響でグループリーグの2試合を欠場したが、第3戦のソ連戦でワールドカップ初出場を果たす。17歳でのワールドカップ出場は、1982年のスペイン大会で北アイルランドの選手に塗り替えられるまで史上最年少記録だった。
準々決勝のウェールズ戦にも先発出場を果たすと、66分にシュートを決め、ワールドカップ史上最年少となる17歳と239日での得点を記録する。この記録は70年経った今でも破られていない。続く準決勝のフランス戦では52分、64分、75分と立て続けに得点を決めハットトリックの活躍を見せる。
決勝の相手はスウェーデンだった。
ペレは決勝でも2点を決め、5対2の勝利に貢献。
大会通算6得点の活躍でブラジルにワールドカップ初優勝をもたらした。
この大会は欧州開催の大会で南米勢が優勝した、唯一の大会となっている。
17歳のペレの活躍は衝撃的だった。
この大会でペレは「背番号10」でプレーしていたが、以降のサッカー界では背番号10番はエースナンバーとみなされるようになる。ちなみに、ペレがこの大会で背番号10を背負ったのは、チーム内の抽選で割り振られたという全くの偶然だったという。
ブラジルは4年後のチリ大会でも優勝し、2度目のワールドカップ優勝を成し遂げる。次の1966年のイングランド大会ではブラジルは敗退してしまい3連覇を逃すが、1970年にメキシコで開催された第9回大会では再び優勝する。
ペレは、スウェーデン大会(1958年)、チリ大会(1962年)、メキシコ大会(1970年)と、ブラジルの3度の優勝に貢献する。
3度のワールドカップ優勝を経験した選手は、今に至るまでペレ以外にはいない。




