ロボ散歩
「にゃ(またか)」
ロボは遙か彼方から地球に迫る隕石を捉えていた。
以前に「愛しのタカトラ」が対処したので、以来注意していた。
「にゃ(やっぱなー。あいつら懲りないなー)」
空中に上がった。
フヨフヨ スン
8光年先の隕石の前に来た。
「にゃ(よっと!)」
身体を200000000キロメートルまで拡大した。
元のネコ体の外側に高密度のプラズマ体が構築される。
ブス
爪で隕石を突き刺した。
スン
900光年離れた場所にいた、マザーシップの前に出た。
「「#$%&%$」ダぁ!」
「何故ココニ!」
「我々ガ指スムケタ隕石ヲ持ッテイルゾ!」
ブス
爪でマザーシップを突き刺した。
「!」
バリバリバリ
マザーシップが巨大な電光に包まれた。
スン
消え去った。
「「#$%&%$」! 距離……もう目の前です!」
「何故、突然ココニ!」
「モウ終ワリデス!」
遠い果ての宇宙。
大銀河連合の本部のある惑星に、突如「宇宙龍」が現われた。
最初から迎撃は無かった。
無駄なことが分かっていた。
出現した時点で、全てを諦めていた。
「まざーしっぷヲ刺シテイマス!」
「まざーしっぷノ内部ニ生体反応ナシ!」
「まざーしっぷノ航行でーたヲ遠隔確認! 「地球」ニマタ小惑星ヲ差シ向ケタ模様!」
「「#$%&%$」ガ怒リ、ココヘ侵攻シタヨウデス!」
大銀河連合は大混乱に陥った。
「ぐらんまざーガ「#$%&%$」ト交信中!」
「一時的ニぐらんまざーノ全機能ヲ停止! 「#$%&%$」トノ交渉ニ集中シマス!」
「頼ム! 何トカ回避シテクレ!」
「にゃ」
「U($♯%!!%&&&」
「にゃ」
「*‘|)(’@&#+*>」
「にゃ」「」…………………………………………………………………………
3分程経過した。
大銀河連合の中枢は全員が固唾を飲んで見守っていた。
「にゃー」
スン
「どうなったんだ!」
「今、ログを解析中!」
「交渉成功! 大銀河連合ハ「地球」ノ《イシガミ・タカトラ》ニ全面的ニ協力スルコトヲ条件ニ、大銀河連合及ビ周辺宇宙ノ破壊ヲ免レマシタ!」
「ソウカ!」
「前回、まざーしっぷヲ破壊サレタ連中ガ、密カニ復讐シヨウトシテイタヨウデス!」
「ばか者タチガ!」
「危ナカッタデスネ! 「#$%&%$」ガマサカアノヨウニ寛容ナ態度デ来ルトハ」
「本当ニ助カッタ。改メテ「地球」方面ヘノ接近ヲ厳重ニ取リ締マラナクテハ」
「ハイ」
「使節団ノ結成ヲ急ゲ!」
「ハイ!」
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
「あれ、ロボはどこだ?」
「さっき庭に出しましたけど」
ロボを探していると亜紀ちゃんが言った。
「そうか。暇だから、あいつにも「ヒモダンス」を教えようと思ってたんだけどなぁ」
「あ、いいですね!」
「家族だからな! みんなで踊りたいじゃん!」
「ロボはジルバは覚えましたからねぇ」
「ああ、カワイイんだよなぁ!」
「はい!」
「俺たちが踊ってると、いつもなんかじっと見てるじゃない」
「そうですよね。あれ、やりたいんですかね」
「きっとそうだよ。俺たちは仲良し家族だからな!」
「アハハハハ!」
ウッドデッキに出て、ロボを呼んだ。
出て来ない。
「外に出ちゃったか」
「大丈夫ですかね」
「まあ、基本的に人間は襲わないからな」
「ほんとですか?」
「外科医のネコだ。なんかあっても大丈夫だろう」
「なんですか、それ」
「「アハハハハハ!」」
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太陽系の近くまで戻って来た。
爪に隕石を付けたままなのに気付いた。
「にゃ(いけねー)」
ぽい
手を振って抜いた。
「にゃ(そろそろ、身体を戻そう)」
しゅるしゅる スン
ネコ体に戻り、地球へ帰った。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
「にゃー」
「あ! ロボだ!」
「ようやく帰って来たか」
亜紀ちゃんがウッドデッキの窓を開け、ロボの足を拭ってから中へ入れた。
すぐに俺に駆け寄って来る。
テッテッテッテ
カワイイ。
抱き上げた。
「家の外へ行ってたか。どこまで行ったんだよ」
「にゃ」
「そうかー、随分遠くまで行ったんだな!」
「タカさん、分かるんですか?」
「いや」
「にゃー……」
リヴィングへ抱いて行き、俺と亜紀ちゃんで「ヒモダンス」を教えた。
最初はジルバだったが、手足を取って教えていると、やっと覚えた。
双子と柳、皇紀も入ってみんなで踊る。
「ロボ! カワイイ!」
《ヒモ! ヒモ! タンポンポポポン!》
ロボも楽しそうだった。
その夜。
ニュースで木星に巨大隕石が落ちたことを知った。
ハッブル宇宙望遠鏡が捉えた映像が公開された。
俺が偶然にテレビで観て、つまみを作っていた亜紀ちゃんを呼んだ。
「おお、すげぇな」
「木星、大丈夫なんですかねぇ」
「知らねぇ」
「そう言えばそうですね」
「「ワハハハハハ」」
「にゃ」
「どっから来たんですかねぇ」
亜紀ちゃんが言うと、ロボがピンポン玉を爪に刺して来た。
ぽい コンコン……
「おう、また壊されたぞ」
「もう。でも幾らでも貰ってきますよ」
「名前を知らない卓球部の友達か」
「アハハハハ!」
ロボが俺たちを見ながらまだ手を振っているので、俺が別なピンポン玉で「ロボピンポン」に付き合ってやった。
亜紀ちゃんが笑いながら、つまみ作りに戻った。




