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古い補助棚鍵番号は、代理肩の本人名を開ける鍵ではありません

南階段搬入簿の端に押された鍵番号は、王妃衣装室の奥にある補助棚のものだった。


「古い棚です。祝典用の替え肩布や、使わなくなった仮縫い型を入れるだけの場所だと聞いています」


セリアがそう言ったとき、王太子側管理室の書記はすぐに息を吹き返した。


「では問題ない。古い棚に入った物なら、衣装室の所有物だ。代理肩の本人確認など不要だろう」


エリナは鍵番号の写しを折らずに、青札板の上へ置いた。


「棚の所有者を見たいのではありません。棚が、誰の帰りを先に閉じたことにしたのかを見ます」


補助棚の扉は、王妃陛下の前で開けられた。中にあったのは、金糸でも宝石でもない。薄い外套が一枚、肩の内側を内へ折られて、古い型紙の下に挟まれていた。


外套の襟には、南階段帰宅札と同じ青い糸が残っている。けれど札本体はなく、代わりに小さな木片が縫いつけられていた。


――代理肩一番。帰着済み。


「名前がない」


マルタが低く言った。夜番針子の賃金札を取り戻したばかりの彼女は、棚の前から逃げなかった。


「名前がないのに、帰ったことにされている」


書記は木片をつまもうとした。


「番号が本人を示す。本人名は後で補えばよい」


エリナはその手の前に針箱を置いた。


「いいえ。番号は、本人名を開ける鍵ではありません。番号で開けられるのは棚だけです。帰宅札は、その人が自分の名で帰ったかを見る札です」


彼女は外套を広げた。裾の裏に、急いでほどかれた跡が三つある。一つは南階段の通過札。もう一つは半日分の賃金札。そして最後の一つは、細い紙片を抜いた縫い穴だった。


「ここに呼名控えがあったはずです」


「呼名控え?」


ミリアが顔を上げる。候補者同意欄を読めないまま鍵にされかけた少女は、まだ自分の花文字を両手で押さえていた。


「祝典衣装を着る人の名ではなく、肩を貸すと言われた人を、棚の前で呼んだかどうかの控えです」


エリナは外套をマルタへ渡さなかった。渡せば、また夜番針子の責任で受け取ったことにされる。王妃陛下の前へ一歩進め、空の木片と外套と賃金札の写しを並べた。


「到着条件は四つです。本人名で呼ばれること。外套が返ること。賃金が本人へ届くこと。次の作業を自分で読むこと。どれも済んでいません」


王妃陛下はうなずいた。


「では、王妃衣装室の補助棚は、所有棚ではなく未帰着棚として扱う」


その言葉で、マルタは初めて息を吐いた。


「なら、あの子を待てます。名前を言われるまで、代理肩のまま閉じられない」


マルタは自分の腰袋から、夜番用の小さな針包みを出した。以前なら、無記名の外套を見つけた時点で、針子が勝手に直した責任へされていた。けれど今は違う。


「外套は縫えます。でも、帰着済みにはしません。棚の前で本人が名を言うまで、針目は仮止めにします」


その一言で、セリアが南階段側の控え椅子を一脚引いた。まだ誰の席とも呼べない椅子だったが、外套と賃金札の写しを置く場所にはなった。王妃陛下は侍女へ命じ、夜番用の温茶を一杯だけ用意させた。


「帰ってくる人が、自分の名前を言える喉を失わないように」


小さすぎる褒美だった。だが、外套だけが棚に戻り、人だけが帳簿で帰着済みにされるより、ずっと確かな到着条件だった。


エリナは青札に書いた。


――古い補助棚鍵番号は、本人名を開けない。本人名・外套・賃金・次作業同意がそろうまで、代理肩一番は未帰着。


その瞬間、補助棚の奥板がかすかに浮いた。


セリアが手を差し入れ、黄ばんだ呼名札を一枚引き出す。そこにはミリアの花文字より古い筆跡で、候補者でも夜番でもない名が書かれていた。


エリナは読む前に札を裏返した。


裏面には、こうあった。


――王妃祝典衣装、本人呼名前に候補者材料へ移管済み。


王妃陛下の指が、外套の青糸を静かに押さえた。


「その移管簿を、ここへ持ってきなさい」


エリナは呼名札を閉じなかった。名前を明かすより先に、名前を材料へ変えた手順を読まなければならなかった。

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