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救いなき世界の裏路地で  作者: 案内人
第3章「アンダーグラウンドオークション」
40/41

Part9 愉悦の一射

超巨大企業による先進技術「星欠片」により、世界は大きく変化した。

金さえあれば永久が手に入る時代

然し、当然利益ばかりではない

表世界で人々が自適に暮らす間

裏路地では1人が死ぬ

残酷な彗星都市で自我を叫び、泥臭くとも生きる者たちの話です


※流血描写、グロ描写、鬱展開を含みます

※月曜日以外毎日1話更新予定

「約束だったよな はぁ……撃ってやるよ…」


フェルムはビルの上に立ち 言い含める


「黙ってろ、動くな、音を立てるな、なんなら呼吸もするな、 耳塞いどけ」


自身の銃「IR569広域カスタム」の銃身


可変式によりあらゆる状況でも対応可能なそれを最大まで拡張する


スコープは……思ったより離れてんな 40倍ぐらいが丁度良いんじゃねぇか?


射撃姿勢を取り 銃を構える


一息吐く度 呼吸する度に 銃が己の身体の一つになったかの様な感覚 Δ が広がる


集中の極致 然しそのピクリとも動かぬ身体は緊張していない


その反対 全身に心地良い安息が流れる


「目標900m 歩行中 風向北5m 3ミル修正」


弾丸が当たるかどうかは撃たれて 発射されてから決まるのでは無い


撃つ前、狙っている段階で決まるのだ


その「当たる軌道」に乗せてやるだけ


その「軌道」が脳内に見えた瞬間


唯 優しく引き金を引いた


刹那 改造された炸薬量と銃身により極限まで過速された弾丸が轟音と共に空を裂く


目標を見るまでもない 「当たった」感覚がフェルムの指にはあった


何処までも甘く、心地良い痺れが指先に残る


「当たったぞ ありゃ腹貫通コースだ ま 後はお前らの所長とやらが何とかするだろ?」


ビルから飛び降りながら言う


「テメェらは見逃してやる 背後撃たれたくなきゃ早く失せな」


「撤退ニャ!良くやったニャ!」


満身創痍のレイセンの肩を支えながら レーシャは事務所への帰路に付く



誰にも 誰にも聞こえない 音にすらならない程小さくフェルムの唇が動く


「楽しかった……な…」



――――――――――――――――――――――――



巳は躙り寄る


動けない相手でも気を抜かず 確実に仕留めるつもりだ


一歩 また一歩 毒牙が這い寄る


「これで……終…!?」


刃を振り上げた刹那


フェルムの放った弾丸が腹を 内臓を貫く


口と被弾した穴から飛沫が溢れ 花を作る


「はぁ……はぁ……貴方も……」


最早余裕は無く さっさと仕留める為に走る


血を噴き出しながらも走る


それが「罠」だと気付かずに


拳が届く距離になった瞬間


「かかったね……」


エニグマの本に書かれた「ある責務」が発動する


『自身が動けない状態で悪意ある者に接近された場合 殴る』


絶対に逆らえない「責務」


当然自分も例外では無い


麻痺していようと関係無い


これは「責務」強制である


巳が反応する間も無く 顔面に拳がめり込む


「………失礼しましょうか」


これ以上は危険と判断したのか 撤退していく


「なんとか なったか……」


エニグマは倒れ込みながら そう思った

感想とポイントお待ちしております!

アンチ、指摘も大歓迎です


こちらの作品も是非お願いします!

シリアス「音」ホラー

https://ncode.syosetu.com/n9607mj/

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