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救いなき世界の裏路地で  作者: 案内人
第3章「アンダーグラウンドオークション」
39/41

Part8 共存

超巨大企業による先進技術「星欠片」により、世界は大きく変化した。

金さえあれば永久が手に入る時代

然し、当然利益ばかりではない

表世界で人々が自適に暮らす間

裏路地では1人が死ぬ

残酷な彗星都市で自我を叫び、泥臭くとも生きる者たちの話です


※流血描写、グロ描写、鬱展開を含みます

※月曜日以外毎日1話更新予定

「近付かせない……」


距離を保ちながら紙針を乱射する


「……今ですねぇ!…」


巳は紙針の合間をすり抜けるように距離を詰める


「うおっ…」


ギリギリで身体を反らす


毒牙が身体のスレスレを通過していく


いくら巳でも紙針による飽和遠距離攻撃の突破は容易でないようだ


この牙城を崩されなければ問題ない


(表面上は有利……だけどね……)


もし今の判断が遅れていたら……


もし身体が間に合わなかったら……


「さながら吹けば崩れる紙の城……か」


そして思考する


「あの子達の為にも早く片付けないとな」


――――――――――――――――――――――――


「無意識」を発動したフェルム


その動きから「温度」が消えた


避け、躱し、隙に叩き込む


ひたすら最適解を実行し続ける機械と化していた


同時攻撃、タイミングをずらした打撃、背後や頭上からの攻撃……


その悉くに対する「最適解」を実行し続けた


「はぁ……はぁ……」


「うニャ………」


フェルムを攻略するには……


初見の手で屠る


ノープランに近いがそれしか無い


「レイセン アレやるぞ」


『オーケー 左腕で良いだろオルター?』


「久々の親友タッグと行こうぜ」


2人は呼吸を同期する


ID(イド)発現』


レイセン・オルターの左目が蒼く光り、左腕が勝手に動き始める


今彼らの身体には2つの人格(レイセン・オルター)が同時に存在している


ID(イド)「共存」


2人で生きたい


この世界では過ぎた願い


2人なら……きっと……


「猫 ナイフを』


「任せたニャ!レイセン……?オルター……? どっちで呼べばいいニャ!?」


右腕でナイフを受け取り 左腕で拳銃を構える


「捌ききってくれ 狙いをつける/了解レイセン!』


駆け出した瞬間 フェルムも走り込む


2つのナイフが交差し、火花と金属音が散る


1発の為に、準備は進んでいた


右腕(オルター)がナイフを捌き


左腕(レイセン)が狙いをつける


「しまっ……!』


ナイフが耐えきれなくなり 根元から折れる


それを見たフェルムがこちらに詰めてくる


「もらった!』


ナイフが届く直前 火薬と金属の音が鳴り響く


加速された鉛はフェルムの腹部を貫き 口からは血が噴き出す


しかしフェルムは依然として 不敵な笑みを浮かべる


「そろそろネタ切れだろう? まぁいい時間だったな」


「………』


確かに もう取れる手段は出し尽くした


此処まで来たら 後は……


拳銃を空に構え 撃つ


7発の音が空を切る


装弾数10発の残弾は残り1つ


「早撃ちと行こうぜ 乗ってくれるだろ?』



はぁ………


久方ぶりの興奮 久方ぶりの熱


私もまだまだ「甘い」な


「……良いだろう コイントスだ」


コインが空に舞う


お互い外すことは考えられないだろう


早く 0.01秒でも早く引き金を引いた方が勝つ


甲高いコインの音が響いた瞬間………


引き金を引いた


――――――――――――――――――――――――


「はぁ……はぁ……」


「此処が終着ですかねぇ」


壁に手を付きながら 息を整える


不味い…… 懐を覗く


紙針は残弾無し 目眩ましの蝶と吹雪は僅か……


クソみたいな消耗戦だ


「大人しく呑まれて下さいねぇ!」


肩スレスレを毒牙が抜け 赤い染みを作る


「……クッ……」


身体が麻痺する


動きと思考が同期しない……


死ぬ………


あの子達 逃げられたかな……

感想とポイントお待ちしております!

アンチ、指摘も大歓迎です


こちらの作品も是非お願いします!

シリアス「音」ホラー

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