Part3 作戦前夜
超巨大企業による先進技術「星欠片」により、世界は大きく変化した。
金さえあれば永久が手に入る時代
然し、当然利益ばかりではない
表世界で人々が自適に暮らす間
裏路地では1人が死ぬ
残酷な彗星都市で自我を叫び、泥臭くとも生きる者たちの話です
※流血描写、グロ描写、鬱展開を含みます
※月曜日以外毎日1話更新予定
…定期検診から数日後
今日は任務も無く、穏やかな日に…
なる予定だった
その儚い予定は 着信音により斬り裂かれた
サルヴァドールが立ち上がり 受話器を取る
「もしも〜し!」
「…ライツか 何の用件…」
「エアちゃんがエフィルくん貸して!」
「ちょっ 言い方! 依頼が来たので 是非協力して頂けたらな…と」
「…依頼が来たか…エア、エフィル 行けるか?」
サルヴァドールはこちらへ視線を移す
「いけま〜す!」
「了解です」
「だそうだ ライツ」
「ふっふっふ…そう言ってくれると思ってたよ って事でブリーフィングやるから明日来てね」
また暫く 忙しい日々が始まる
「んじゃ早速話すよ」
翌日 2人は視線協会大書庫を訪れていた
余りにもライツの機嫌が良い 良すぎる
ミラも動揺するレベルだ
こういう時はただ一つ
依頼報酬が高いのだろう
それはある程度任務が危険だということも示す
「まず依頼主はとある工房 試作パーツを15区裏路地倉庫から取り返して来て欲しいってさ」
エアは訝しむ
「「取り返して」…?つまり…」
「敵対する組織に奪われた…?」
「That's right!!」
「そしてその組織は…?」
ライツは一拍置いて告げる
「「八雲会」…だよ」
八雲会
刀を扱う組織であり、歴史の長い極道
利益、金を重視し その為なら手段は選ばない
比較的話が通じる方だが…
「取り返す以上 衝突は避けられないでしょうね」
血の予感にエフィルの顔が強張る
「さてと 作戦を説明するよ まず15区裏路地を見張ってる八雲会構成員に接触 気を引いて時間を稼ぐ」
「その隙に、倉庫から盗み出すって事ですね?」
「倉庫近くにバイクを手配してある それで逃げてきな それからエアちゃんは遠距離通信でサポートだよ」
ライツは自慢気に胸を張る
「なんとバイクは最新型だ!M社製の電動モーターを採用し…」
ライツが蘊蓄を語る中、エフィルは気付く
「ちょっと待って下さい その作戦 あと一人必要じゃ…?」
「視線協会から徹夜明けのノウルが出る 安心しなさい」
「は?」
気付けば大書庫の扉の前に男が立っている
細く、不健康な身体、目の下には隈が出来ている
彼こそがノウル 視線協会所属3級便利屋
「おい今何つった?」
「?「安心しなさい」?」
「その前だ なぜ俺が任務に?」
「大書庫管理人権限」
「この鬼が…」
ノウルは大きくため息をつく
「取り敢えず俺が撹乱役をやる 直接戦闘は苦手だ」
ノウルは手を伸ばす
「はぁ…精々死なないようにしようぜ」
エフィルとエアはその手を取る
「はい!」
ノウル君は3徹目だよ




