Part3 仕事の時間
超巨大企業による先進技術「星欠片」により、世界は大きく変化した。
金さえあれば永久が手に入る時代
然し、当然利益ばかりではない
表世界で人々が自適に暮らす間
裏路地では1人が死ぬ
残酷な彗星都市で自我を叫び、泥臭くとも生きる者たちの話です
※流血描写、グロ描写、鬱展開を含みます
※月曜日以外毎日1話更新予定
「まだ来ないかなぁ〜」
任務開始時間が迫ると言うのに所長は至って冷静、平常だった
「誰かを待っているんですか?」
「任務要項に書いてあったでしょ? 歪獣協会から一人派遣って」
「何故歪獣…… 潜入なら夜誓協会とかじゃないんですか?」
所長は人差し指を立て、横に振る
「私が歪獣の協会長と仲いいのは知ってるよね」
「この前の呑み会が楽しかったとか言ってましたね…… ベロンベロンに酔って帰ってきた日に」
「ごめんねぇ… まぁそれはさておき……」
誇らしげに胸を張る
「リウ曰くピッタリな人員がいるんだってさ」
所長は歌うように言う
「足音が無く目立たず素早い……」
「そんな隠密の極みみたいな人間いる訳…」
「着いたニャ〜!マジ遠かったニャ〜!」
「おっ来た来た!」
所長が入り口に走り 出迎えに行く
こういうマメな所が評価されてるんだろうなぁ〜
「やぁ ようこそレーシャちゃん」
帰ってくる所長の後ろには 長い尾にピョコンと立った三角耳 黒い毛で覆われた猫の顔……
歪獣協会所属フィクサー レーシャの姿があった
「やっほ~ よろしくニャ!」
「よっ…よろしくお願いします」
距離の詰め方が……早い……
「んじゃ早速説明しちゃうね」
所長はワタワタと資料やら書類やら暖かいお茶やらを持ってくる
ホントにマメだなぁ……
しかし猫型の元罹湾者は初めて見た……
驚きと戸惑いで固まっていると……
『なんだお前? まさかああいう子が好みで……』
「ねっ…猫耳になんか惹かれる訳無いだろ!?」
思わず声が上擦ってしまう
『えっ……俺ああいうギャルっぽいのが好みなのかって聞いたんだが……』
「………うるさい」
クソッ!… ニヤニヤしてるオルターが浮かぶ……
『覚えとくぜ』
なんだか弱みを握られた気がする……
「さて そろそろ行こうか 作戦は覚えてるよね?」
「行けます」
「万端ニャ!」
いつもの一言
それだけでスイッチが入る
さて 仕事の時間だ




