Part11 ファイナルラップ
超巨大企業による先進技術「星欠片」により、世界は大きく変化した。
金さえあれば永久が手に入る時代
然し、当然利益ばかりではない
表世界で人々が自適に暮らす間
裏路地では1人が死ぬ
残酷な彗星都市で自我を叫び、泥臭くとも生きる者たちの話です
※流血描写、グロ描写、鬱展開を含みます
※月曜日以外毎日1話更新予定
「まだ…まだやり直せる…」
必死の呼びかけにも応じず 生気のない返答を繰り返す「落ちた新星」
リウも感じていた
「……戻って来れない…の…か」
突如 排気臭い風が吹く
身体が思念回廊から弾き出される
「!? 大丈夫? リウ爺!」
車体から飛び出した身体を慌てて支える
そのまま問いかける
「それで……回帰は?」
わかってるニャ
その重っ苦しい表情見ればわかる
でも……希望が捨てきれないニャ
「………」
そう……
なら……せめて…楽に……
拳を握り直す
この物語を止める為に
あの罹湾者を解放する為に
再び唸るモーターの音と咆哮が混じり合う
「サァ…コイ!」
しかし レーサーの次の行動は完全な予想外だった
唸りを上げ 車体がUターンする
「!? 逃げたニャ!」
リウ爺が起き上がる
ここまでダメージ受けてるの…久々かも…
「…追うんじゃ 儂は大丈夫じゃからのぉ…」
どうやら少し経てば回復する様だ
ふぅ……一安心かな
「ノレ オウゾ」
戦狼化したターニャの脚力なら追い付けるはず
太腿の筋肉がはち切れんばかりに膨張し、力が蓄えられていく
地面を蹴り 超加速
すぐに追いつける……
筈だった
ターニャの筋肉は破れた風船の様に萎んでいく
「!? 限界…かよ」
湾曲IDは通常のIDとは異なり 肉体への負担が大きい
限界を感じたターニャの身体が保護の為 無意識に解除したのだ
「…詰み…かニャ…」
全員の脳裏に絶望が募る
それを斬り裂く様に素っ頓狂な声が聞こえた
「お前等!やってるか?」
腹の肥えた男
背後には護衛を引き連れている
「…南部レイズ… 復讐にでも来たの?」
流石に疲労状態でこの数は…
思考を巡らせる間に南部レイズのボスが言う
「ってなんだよ 逃げられてるじゃねぇか?」
「なにそれ 嫌味? そんだけならさっさと失せな」
「ちっ 口の悪い嬢ちゃんだな いいか 俺等の目的は…」
ボスの背後から光り輝くボデイが現れる
「…趣味の悪い車ね」
「要らねぇのか?」
「……」
ボスは晴れ晴れと言う
「俺等はな 賭けが大好きなんだよ」
似合わないグーサイン
「お前等に全ベットしてやる 行けよ」
ムカつく…でも仕方ない
車に乗り込み 後ろにターニャとリウを積む
「あんたら 意外とカッコいいニャ」
「協力金待ってるぜ」
追跡戦開始




