表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
救いなき世界の裏路地で  作者: 案内人
第2章「ノンストップ・サーキット」
24/40

Part8 明鏡止水

超巨大企業による先進技術「星欠片」により、世界は大きく変化した。

金さえあれば永久が手に入る時代

然し、当然利益ばかりではない

表世界で人々が自適に暮らす間

裏路地では1人が死ぬ

残酷な彗星都市で自我を叫び、泥臭くとも生きる者たちの話です


※流血描写、グロ描写、鬱展開を含みます

※日曜日以外毎日1話更新予定

湾曲ID(ユガミイド) 発現」


そう唱えた瞬間 ターニャの身体は変異を始める


肉がはち切れんばかりに膨張し 皮膚に濃い黒毛が生え 骨は嫌な音を立てながらより強靭に


手足は4足歩行に適した形に歪んでいく


ターニャのID(イド)「興奮」


ただこの瞬間を「楽しみたい」痛みすらも快楽に


そこには 一匹の黒い狼


戦狼と化したターニャの姿があった



「オサエル ナントカシロ」


その声も嗄れたものになっていた


「あのボンネット…硬いよニャァ…」


「恐らく 儂でも準備が必要じゃろうな」


「何秒?」


リウ爺は長い髭を弄りながら言う


「68秒…80秒は欲しいな」


「ターニャ アンタ何秒抑えられる?」


「30ダ」


ハイハイわかったニャ


アタシが残り50秒を稼げってことでしょ?


目の前にいる奴を見据える


車……いや スポーツカーって所かな


ボンネットは傷だらけ タイヤは右前と左後が破裂してる よくこれで走れるニャァ


攻撃方法は……突進だけっぽい なら…



リウ爺が動き出したのを見て「構え」に入る


重心は下 足を肩幅に開きすぐ動けるように


呼吸はゆったりと 腕は力を抜いて自然体に


構えを整えていつもの「あれ」を待つ


呼吸するたびに視界が小さくなっていく


そしていつもの感覚は来た


相手と自分しか世界に居ないような感覚


極度の過集中


「淵龍拾伍式奥義「明鏡止水」」


淵龍式の真髄とも言える技術


ある意味では無意識(ウンベヴスト)にも近い技術


全リソースを反応に注ぎ込み 隙を伺う絶対回避


特にレーシャの扱う淵龍式は猫の特性である反射神経と動体視力を遺憾無く発揮した反撃特化である


「右……左……上に飛んで距離を…」


猛牛の如く突撃を繰り返す車型湾曲体


その悉くを刹那で躱していく


ある時はステップで位置をずらし


ある時は跳躍し


ある時はボンネットに乗ることさえあった


闘牛士の様に車型湾曲体のヘイトを買いながら 時間を稼ぐ


「早くしてよ……リウ爺…」


徐々にレーシャの反応も限界を迎え始めていた


100キロの速度の大質量を紙一重で避けているのだ


その疲労は加速度的に蓄積していく


「!?…あっ…」


一瞬 反応が遅れた


ほんの一瞬 しかし それが命取りとなる


レーシャの目はこちらを向き 発進した車を


耳はアクセルの排気音


本能では迫る「死」を捉えていた



しかし 車型湾曲体が停止する


その場にいた全員 全生命体が同様の感覚に陥る


余りにも強大な殺意


レーシャも首筋を貫かれた様な殺意を感じ取る


その主は当然 リウであった


鉄塔の上に立つリウ


「待たせたのぉ」


準備が整ったようだ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ