Part5 愚者の塔
超巨大企業による先進技術「星欠片」により、世界は大きく変化した。
金さえあれば永久が手に入る時代
然し、当然利益ばかりではない
表世界で人々が自適に暮らす間
裏路地では1人が死ぬ
残酷な彗星都市で自我を叫び、泥臭くとも生きる者たちの話です
※流血描写、グロ描写、鬱展開を含みます
※日曜日以外毎日1話更新予定
カジノタワー周辺
愚者と勝負師の集う夜の街
煌めくネオンライトに包まれたそこは怪しい活気を伴っている
うげ…なんだか変な匂い
猫の鼻にも配慮して欲しいなぁ…
「カジノタワーは全4階層 それぞれ別の組織が運営しとる」
リウ爺の説明に耳を傾けながら周囲を見る
そこはまさに「混沌」という言葉が似合う場所だった
古今東西あらゆる服装の者が居る
故に周りに乱立する屋台も様々異種混合って感じだ
そのアンバランスさが逆に目が眩む妙な魅力を放っている
「そして儂らが用のある南部レイズはここのオーナー 当然…」
リウ爺は遥か上を指差す
「カジノタワー第四階層 最上層におる」
「んでそこにはどうやって行くんだ?」
「各階層にはそれぞれ「入場料」がある そして第4課の入場料は…」
ここはアタシの「推測力」ってやつを見せてやるわ!
「5万!」
ターニャがやれやれと手を振る
「こういう所に来る奴は意外と金持ちなんだよ よって10万!」
「2人とも青いのぉ… 50万じゃ」
「は?」
「へ?」
聞いたことのない額に目がクラクラする
冗談じゃない そんな金どこに…
「どうやって稼ぐんだよ?」
リウ爺がニヤリと笑う 珍しいなぁ…
「決まっとるじゃろ こうじゃ」
リウ爺はスロットの前に座った…
スロットの前に座った!?
「若い頃の血が騒ぐのぉ」
リウ爺は慣れた手つきで操作し、完璧なタイミングでスロットを止めていく
コインの小気味良い音が響き あっという間ジャラジャラしたコインの山が出来上がる
周囲の客達も驚きの表情で見ている…
って不味くないかなぁ…?
「お客様 失礼ですが会員カードはお持ちでしょうか?」
黒服の男が肩を叩く
「あっ…」
リウ爺… アンタ意外と抜けてるよねぇ…
「きょ…今日は忘れてきてしまってのぉ」
「なるほど では身分照合を行なうので何か身分を示すものを…」
「すまぬ 急用が入ってのぉ… 今日はここらで…」
リウ爺が小声で囁いてくる
「逃げるのじゃ」じゃねーよ!
取り敢えずここから離れ…
「少しお待ち下さい お前等…「特別なお客様」だ」
明らかに空気が変わった
よく見ると警棒やら拳銃を持った黒服が周りを取り囲んでる
「お前等「歪獣協会」とかいう奴だろ」
辺りがざわつく
「あの猫がか!?」
「夜襲隊が返り討ちにされたあの…」
ふ~む なかなか悪くない
「ボスがお呼びだ 連れて行け」
黒服が近づいてくる
「ちっ こうなりゃ殴っ…」
「待って」
ここは…捕まったほうが得だろう
ねっ アタシの「推測力」はピカイチでしょう!?




