インターミッションβ 今はただ
超巨大企業による先進技術「星欠片」により、世界は大きく変化した。
金さえあれば永久が手に入る時代
然し、当然利益ばかりではない
表世界で人々が自適に暮らす間
裏路地では1人が死ぬ
残酷な彗星都市で自我を叫び、泥臭くとも生きる者たちの話です
※流血描写、グロ描写、鬱展開を含みます
※日曜日以外毎日1話更新予定
ヴェル孤児院
訪ねたエフィル達を迎えたのはキラキラした笑顔だった
「お兄ちゃんたち!ひさしぶり!」
ノウルが片手をあげて応える
「よっ 元気にしてたか?」
「ロストワン」事件から数週間後
エフィル達は目覚めたアルカに会うために A社フロントの孤児院を訪れていた
「お兄ちゃん!あのねあのね!」
エフィルとエアは引っ張られていってしまった
まぁ 子供の話を聞くなら適任だろう
回復したアルカ しかしその目には今だ包帯が巻かれ
もう戻れないことを示していた
様々なデータが書かれた資料を渡しながらシリウスは言う
「解析の結果 あの包帯は湾曲体由来の物質で出来ていることが分かりまシタ」
「それは…つまり?」
シリウスは抑揚の無い しかし何処か恍惚を纏った口調で告げる
「湾曲IDを発現していまスネ」
湾曲ID
回帰した「元罹湾者」が持つID
一時的に湾曲体の似姿を得て、その力を行使する
湾曲IDの発動には強い肉体的苦痛が伴う
「…何やら視線を感じますネェ」
ミラとノウルはシリウスを睨む
自分達が必死に戦い 助けた子供が実験体の様に言われているのだから当然だろう
「聞きたいのは「あの子供がドウなるか」でしょうカネ」
シリウスは報告書を読み上げるように淡々と告げる
「適性を考えれば後衛…学力が足りるのならば研究職もあり得るでショウ 最近は元罹湾者のフィクサー協会 なんて言いましたかネェ 「歪獣協会」でしたっケ? なんてのもあるくらいですカラ」
シリウスが見え見えの作り笑いをミラに向ける
「私達も鬼デハナイ 「モルモット」にする気はありませんヨ」
「どう信用しろと?」
「今ワタクシが貴方方が彼女に会うことを許していることが 何よりの証拠カト」
「せんせいとお兄ちゃんたち なにはなしてるの?」
アルカは純粋な疑問をエアに問いかける
「「大人の話」ですよ〜」
まだ 彼女には 子供でいて欲しい
こんな散々を経験してしまったからこそ
もう戻れないからこそ
年相応の子供でいて欲しい
穢れを知らず 綺麗なまま笑っていてほしい
「子供って…可愛いですね〜」
そう呟くエアは 幾らか大人に見えた
「お二方も こちらニ 少し報告がありましてネ」
シリウスが手招く
「ワタクシの研究部長への昇進が決まりマシタ」
「それが僕達にどんな関係が?」
「いやはや貴方方の活躍のお陰です 感謝ヲと思いましてネ ソレカラ…」
シリウスは一拍おき 高らかに言う
「繰り返しになりますガ A社は貴方方ヲ高く評価していマス」
覗くと呑み込まれてしまいそうなシリウスの昏い目
その目にはさらなる探求への飢えがあった
「これからも 宜しくオネガイしますネ」




